元SunのDirectory/Identity関係の人たちがスピンアウトして2007年に設立した会社「UnboundID」のプロダクトです。
「UnboundID Directory Services 2.0」というキーワードで、大規模ユーザを抱えるコンシューマ向けサービスプロバイダ向けの次世代アイデンティティ管理を実現を目指すそうです。
昨今のビジネスは大規模化、かつ分散されたWebサービスをベースに展開されており、ユーザの資格情報やアクセス権限などのアイデンティティ管理が重要性を増していて、サービスプロバイダからのアイデンティティプロバイダへのアクセス規模も同時に増大している、ということでこの会社では、
・高性能
・セキュア
・高い柔軟性
というキーワードで製品を提供することを目指すそうです。
実際のプロダクトとしてはOpenDSをベースにチューニングしたもので、何十億ものエントリの管理、何百万のリクエストへのレスポンスに対応できるそうです。
何よりも面白いなと思ったのは、そのスケーラビリティを維持するための仕組みです。
通常LDAPサーバを水平展開する場合って、
・マスタ⇒レプリカ(シングルマスタ)
・マスタ⇔マスタ(マルチマスタ)
のような構成をとります。
当然、大規模環境ではマルチマスタ構成が必要になってくるのですが、その場合書き込みトランザクションの衝突回避の仕組みが必要になります。
ActiveDirectoryでは一部機能(FSMO)をシングルマスタにすることで整合性を保つようになっていますが、この製品はRDBMSと同じようなトランザクション管理の仕組み(begin/commit/rollback)を取り入れています。
他にもRDBMSの特徴を取り込んでおり、triggerが使えたりするそうです。
LDAPクライアント側への工夫も必要になりそうですが、なかなか面白そうなので機会があれば触ってみたい製品です。
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