2011年1月3日月曜日

インフラエンジニアにとってのアイデンティティ管理 ~「.NET開発テクノロジー入門」を読みつつ

一般的にアイデンティティ管理や認証と言ったキーワードは開発者ではなくインフラ屋さんの領分だと認識されていると思います。しかし選択する製品に関わらず実際に取り組んでみると業務やシステムの棚卸しやデータフローの設計、インターフェイスプログラムの開発など一般的なサーバやネットワークなどのインフラを構築するのとはかなり違ったアプローチやスキルが要求される事が分かります。
一方開発者サイドから見るとアイデンティティとかセキュリティなどはあくまで非機能要件にカテゴライズされてしまうため、範疇外として敬遠されてしまいがちです(勿論すべての開発者が、という訳ではありませんが)

しかし、お互いに敬遠し合っていてもプロジェクトは進まないのでインフラ屋さんとしては役割が変化して来ている、と考えて半ば無理矢理ではありますが前のめりに取り組んで来ているのが実態なのかもしれません(これは逆もまた真なので開発者が領土を拡大してくれている場合も多数あります)
私の場合も例に洩れずで、サーバインフラ屋さんが主たるロールなのですがたまたまアイデンティティ管理プロジェクトを担当したので少しづつ領土を拡大してきました。ただ、私の場合一点違ったのは純粋培養のインフラ屋ではなく、数年ですが開発もやっていた経験があったので今となっては強みになっていると感じています(少なくともコーディングにアレルギーがない点で)
しかし、私の経験した開発も今となってはかなり昔の話でVisual Studio5.0とか6.0を使ってActiveXとかCOMの開発をしていた程度なので実は.NET開発は実務では全くの未経験だったりします。
ただ、このblogで主に取り上げているFIM/ILMやAD FS2.0をちゃんと使おうとするとやはり.NETの開発に関する知識が必要になります。そんなシチュエーションで「.NET開発テクノロジー入門」を頂きましたので軽く読んでみました。





















目次は以下の通りです。

  • 本書について
  • 第1章 .NET Framework 4による最新のアプリケーション開発(はじめに)
  • 第2章 Webアプリケーションの開発(ASP.NET)
  • 第3章 リッチクライアントアプリケーション開発(WPF/Silverlight)
  • 第4章 サービス開発/分散テクノロジー(WCF)
  • 第5章 データアクセス技術(ADO.NET/LINQ)
  • 第6章 並列プログラミング
  • 索引


この中でILM/FIM、AD FS2.0に関連しそうな所は以下の3点が中心です。
  • WCF : FIM Serviceを使うサービスクライアントの開発や、SilverlightからWIFを使う際に使用
  • WF : FIMのカスタムワークフローの開発に使用
  • ASP.NET : 言うまでもなくWIFを使う場合の定番
※後はそもそも論ですがVisual Studioの使い方もインフラ屋さんにとっては大事なポイントです。

今回はさらっと読み流したので実際に手を動かしたわけではありませんが、概念を理解する上ではとても役に立ちました。(特にWCFについてはかなりのページ数が割かれており、分散サービスの開発や利用の概念の理解に役立ちました)また、今後コードを書く際には本書をリファレンスとして活用していこうと思います。

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