European Identity Conference の Keynote で Kim Cameron 氏が語った Microsoft の IDMaaS(Identity Management as a Service)の実現である Windows Azure Active Directory の Developer Preview がアナウンスされました。
- Windows Azure Team blog
Announcing the Developer Preview of Windows Azure Active Directory
http://blogs.msdn.com/b/windowsazure/archive/2012/07/12/announcing-the-developer-preview-of-windows-azure-active-directory.aspx
- Vibro.NET / Vittorio Bertocci
Single Sign On with Windows Azure Active Directory: a Deep Dive
http://blogs.msdn.com/b/vbertocci/archive/2012/07/12/single-sign-on-with-windows-azure-active-directory-a-deep-dive.aspx
あわせて、各種ドキュメントやサンプルツールなどもリリースされています。
- MSDN ドキュメント
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/hh974476
- サンプルアプリケーション
http://code.msdn.microsoft.com/Sample-App-for-accessing-d71122ff
- Graph Explorer / テスト用ツール
https://graphexplorer.cloudapp.net
更に興味深いのが Kim Cameron 氏が 最新の blog エントリ「Yes to SCIM. Yes to Graph.」で語っている Graph API と SCIM(Simple Cloud Identity Management)の関係です。
エントリの中で Kim 氏は基本的に SCIM の目指しているゴールをサポートしており、マイクロソフトとして取り組みを支援する姿勢を見せています。
しかし、何故マイクロソフトは SCIM を採用せずに Graph API を検討しているのか?という疑問に対する解として以下の2点を挙げています。
1.多様なオブジェクトが相互に多様な関係性の中に存在する環境において Graph API は検索や操作性において統合されたアプローチを提供するため。
つまり、SCIM で提供されているスコープ(現状はユーザとグループオブジェクト)以上のオブジェクトと複雑な関係性を表現する上では Graph API の方が向いている、ということでしょうか。
2.巨大なスケールにおいてディレクトリは「多次元ネットワークを表現するものに変化する」ため。
今後のディレクトリ内にストアされるオブジェクトは全てにつながり、多くのディメンジョンを持つことになるため、 オブジェクトを扱うためには Graph API が必要だ、ということでしょうか。
例として、レガシーなディレクトリは組織や人やグループなどのオブジェクトを持っていて、組織は人を含み、グループは階層化されている、という様な構造を持っていましたが、ソーシャル構造を表現する必要が出てきている、という話が挙げられており、レガシーな単一指向性のディレクトリでは構造を表現することが不可能になってきている、という主張なのだと思います。
Kim Cameron 氏は次の blog エントリでも Windows Azure Active Directory のリリースについて書く、と宣言しているのでしばらくは目が離せそうにありません。
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