2024年11月3日日曜日

Okta AD/LDAP DelAuthモジュールに関する脆弱性

こんにちは、富士榮です。

Okta社よりAD/LDAP DelAuthモジュールに関する脆弱性が報告されていますね。


https://trust.okta.com/security-advisories/okta-ad-ldap-delegated-authentication-username/

報告されている内容としては、AD/LDAP DelAuthモジュールを使っている環境で、過去にキャッシュログインに成功したことのある場合、ユーザー名が52文字以上だとパスワードなし(キャッシュのみで)ログインが成功してしまう、という話です。

こちら上記のサイトからの引用です。

On October 30, 2024, a vulnerability was internally identified in generating the cache key for AD/LDAP DelAuth. The Bcrypt algorithm was used to generate the cache key where we hash a combined string of userId + username + password. During specific conditions, this could allow users to authenticate by only providing the username with the stored cache key of a previous successful authentication.

Note: A precondition for this vulnerability is that the username must be or exceed 52 characters any time a cache key is generated for the user.

2024年10月30日、AD/LDAP DelAuthのキャッシュキーの生成において、内部的に脆弱性が確認されました。キャッシュキーの生成には Bcrypt アルゴリズムが使用され、userId + username + password を組み合わせた文字列がハッシュ化されます。特定の条件下では、ユーザー名と、過去に認証に成功した際に保存されたキャッシュ・キーだけを提供することで、ユーザーが認証できる可能性があります。

注:この脆弱性の前提条件として、キャッシュ・キーが生成される際には、ユーザー名が52文字以上でなければなりません。


すでにOktaのプロダクション環境では解消されているようですが、本モジュールを利用している場合(特にAD連携をしている場合はほぼ必ず使っているはずのモジュールなので)は、ユーザ名が52文字以上あるユーザがいるかどうか、侵入の痕跡がないか、など確認しておいた方が良さそうです。タイムラインを見ると脆弱性のあるモジュールがリリースされたのが2024/7/23で、発見されて対応されたのが2024/10/30となっており気が付かないまま3ヶ月経過しているので。

そもそも論としてAD/LDAP DelAuthってなんだ?って人もいると思うので簡単に。
要するに、クラウド上にあるOktaへオンプレのADやLDAPのパスワードを使ってログインできるようにするモジュールです。

AD版はこちら
https://help.okta.com/en-us/content/topics/security/enable_delegated_auth.htm
LDAP版はこちら
https://help.okta.com/en-us/content/topics/security/security_authentication.htm

ざっくりとした仕組みですが、Oktaへの認証要求があるとオンプレのAD/LDAPへ認証要求が行われ、成功するとパスワードハッシュのキャッシュがOktaクラウド側に置かれ、以降キャッシュが有効な間はオンプレ側への問い合わせなしにクラウド側だけで認証処理が行われる、という感じです。

すでに対応は終わっているとは言えなかなかな脆弱性ですね。。。
まぁ、ユーザ名が52文字以上って言うのもあんまりないとは思いますが。

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