2024年7月17日水曜日

プラスチック製品のリサイクルへのDigital Product PassportとVerifiable Credentialsの適用

こんにちは、富士榮です。

昨日のアスリートの健康情報に続きプラスチック製品のリサイクルへの適用の事例の話です。


ご存知の通りEUでは諸々の排出量規制が厳しく、リサイクルも注力されている分野の一つです。

今週2024/7/18に既存のEcodesign Directive 2009/125/ECに変わる規制としてESPR(Ecodesign for Sustainable Products Regulation)が施行される予定ですが、その中には「Digital Product Passport」というものがあります。

どういうものか上記ESPRのサイトに記載があります。

The ESPR will introduce a Digital Product Passport (DPP), a digital identity card for products, components, and materials, which will store relevant information to support products’ sustainability, promote their circularity and strengthen legal compliance. 

This information will be accessible electronically, making it easier for consumers, manufacturers, and authorities to make more informed decisions related to sustainability, circularity and regulatory compliance. It will allow custom authorities to perform automatic checks on the existence and authenticity of the DPPs of imported products.

Information to be included in the DPP will be identified by the Commission, in close consultation with all relevant stakeholders, and will depend on the specific product in question. This information can include:

  • Product’s technical performance
  • Materials and their origins
  • Repair activities
  • Recycling capabilities
  • Lifecycle environmental impacts

ESPRは、製品、部品、原材料のデジタルIDカードであるデジタル製品パスポート(DPP)を導入します。DPPには、製品の持続可能性をサポートし、循環利用を促進し、法的コンプライアンスを強化するための関連情報が保存されます。

この情報は電子的にアクセスできるため、消費者、メーカー、当局が、持続可能性、循環型経済、法規制遵守に関するより情報に基づいた意思決定を容易にします。また、輸入製品のDPPの存在と真正性を、税関当局が自動的に確認できるようになります。

DPPに記載される情報は、欧州委員会がすべての関係者と緊密に協議した上で決定し、対象となる特定の製品によって異なります。この情報には、次のようなものが含まれます。

  • 製品の技術的性能
  • 材料とその原産地
  • 修理活動
  • リサイクル能力
  • ライフサイクルにおける環境への影響

要するにモノを対象としたデジタルIDカードであるデジタル・プロダクト・パスポート(DPP)はリサイクルを含むモノのトレーサビリティを担保するためのものになるようです。

モノのIDということでGS1を思い出すと思いますが、やはり既にGS1ヨーロッパがリリースを出していますね。

https://gs1.eu/activities/digital-product-passport/

GS1ヨーロッパのページより

全ての製品のデジタルIDを付与することで環境への影響などを含めトレーサビリティを実現していくことで規制への対応をしていく、という話ですね。

既に一部の企業がAgro2Circularと連携してプラスチック製品のリサイクル分野でのDPP適用の実験なども行っているようです。

https://www.linkedin.com/pulse/piloting-digital-product-passport-plastic-recycling-dominique-guinard-sdu4e/

IOTAを使っているみたいです。




GS1標準スキーマをうまく使いつつデータ表現はVCみたいですね。



今後、日本においてもEUとの貿易を考えるとトレーサビリティ文脈でVCを利活用するケースも必要になってくるのかも知れませんね。






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