2024年9月17日火曜日

Google Walletと選択的情報開示

こんにちは、富士榮です。

先日、「選択的情報開示とウォレットと本人確認書類」というタイトルで投稿しました。


内容としては、本人確認書類をデジタル化するならば選択的情報開示を含めデジタル化をすることによるメリットがちゃんと見えるようにならないといけないよね〜という話だったわけですが、昨日も触れたGoogle Walletの記事には今後のロードマップが明示されています。

How we're working to make digital identity a reality for everyone



要するに安心してGoogle Walletなどのアイデンティティソリューションを利用するためにGoogleが取り組んでいることについて書かれたポストですが、その中に選択的情報開示に関して記載があります。

Selective disclosure and user control: With digital identity, the relying party (a party requesting information, for example a car rental company or a merchant) is able to request only the relevant parts of a person’s ID. Today, if you’re presenting your physical ID (for example to confirm your age or your address) you have to share everything — your name, address, your physical description and more. However, with a digital ID, you can share only the required data. Additionally, you must authenticate the device with a fingerprint, PIN or passcode in order for any of your ID information to be shared with the requester.

選択的開示とユーザー制御:デジタル ID では、依拠当事者(情報を要求する当事者、たとえばレンタカー会社や商業者)は、個人の ID の関連部分のみを要求することができる。現在、物理的なIDを提示する場合(たとえば年齢や住所を確認する場合)、氏名、住所、身体的特徴など、すべてを共有しなければならない。しかし、デジタルIDでは、必要なデータのみを共有することができる。さらに、あなたのID情報を要求者と共有するためには、指紋、PIN、パスコードでデバイスを認証する必要があります。 


選択的情報開示のUXがどうなるのか気になりますが、個人的な意見としてはリライングパーティが全体ではなく最低限の要求ができるようになるので、ウォレットとしてはそのリクエストに対応できるようにするよ、という話だけでは全然足りない気がしています。(実装する立場としては理解できますが)

あくまでユーザの意思によって開示する情報を選択できるという体験が重要だと思うので、リライングパーティがどんな属性を要求してきているかに関わらず、自身で開示する属性を選べる状態にはなっていないといけないと思います。(結果的にリライングパーティの要求を満たさなかったとしても)

また、オフラインでの利用についても考慮をしていってもらえるといいなぁ、、と思います。たとえば、画面を見せる際に検証者の目線では「これは正式な書類である」ということが視認できる状態が重要なので、表面は正式な証明書であることが視認できるだけ、タップして裏面を見せるとユーザがあらかじめ設定した開示したい最低限の情報だけが記載されている、という状態が作れるといいのではないかと思います。


いずれにしても3rdパーティウォレットを含むエコシステムが正常に出来上がるような規制などは政府が中心に整備してもらえるといいですね。ユーザーの声を正しく吸い上げるためにもAppleとGoogleだけに任せるのではなく、エコシステム全体として進化できていくことが重要な気がします。

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