2019年4月11日木曜日

[Azure AD B2C]各種エンドポイントにつくポリシー指定用パラメータが邪魔な件

こんにちは、富士榮です。

完全に自分メモです。
Azure Active Directory B2Cって色々と器用なことが出来るのですが、その動作はポリシー(ユーザーフロー)という単位で定義され、クライアント(アプリケーション)から呼び出されます。
図)標準のポリシー(ユーザーフロー)定義

図)カスタムポリシー

サインアップとか、サインインとか、プロファイル編集などなど、各種動作を統一されたエンドポイントで実行するために、このポリシーを各種エンドポイントを呼び出す際、「https://hoge.b2clogin.com/hoge.onmicrosoft.com/oauth2.0/v2.0/authorize?p=B2C_1_XXXX」のようにクエリパラメータにp=ポリシー名という形でポリシーを指定して動きを変えていきます。

※ちなみにポリシー名のPrefixは、
・標準ポリシー(ユーザーフロー)だと、「B2C_1_XXX」
・カスタムポリシーだと、「B2C_1A_XXX」
です。

しかし、OAuthやOpenID Connectの非MS製ライブラリを使うとき、かなりの確率で問題になるのが、エンドポイントにクエリパラメータが付いた状態がスタート、というところです。

なぜなら、よくあるライブラリにはエンドポイントアドレスを設定、client_idなど各エンドポイントへのアクセスを行う際にクエリ指定するパラメータは個別に指定、ライブラリが自動的に
 https://hogehoge.com/oauth2/authorize?client_id=aaa....
みたいに連結して動こうとするため、最初からエンドポイントアドレスにクエリが付いているAzure AD B2Cだと、
 https://hogehoge.com/oauth2/authorize?p=B2C_A_xxx?client_id=aaa....
のように?をつけてしまったりするんです。※本来はもともとパラメータが付いているので、追加パラメータは&で繋いでほしいのですが、想定されてないのだと思います。


ということで、今回はAzure AD B2Cのエンドポイントアドレスにクエリパラメータを使わない方法の紹介です。

といっても単純に以下を使うだけです。
(.well-known/openid-configurationのアドレスです。これを叩けば対応するauthorizationとかtokenエンドポイントのアドレスが取れます)

ドメインデフォルト(パラメータあり)パラメータ無
b2cloginhttps://テナント名.b2clogin.com/テナント名.onmicrosoft.com/v2.0/.well-known/openid-configuration?p=B2C_1_ポリシー名https://テナント名.b2clogin.com/tfp/テナント名.onmicrosoft.com/B2C_1_ポリシー名/v2.0/.well-known/openid-configuration
onmicrosoft(非推奨)https://login.microsoftonline.com/テナント名.onmicrosoft.com/v2.0/.well-known/openid-configuration?p=B2C_1_ポリシー名https://login.microsoftonline.com/te/テナント名.onmicrosoft.com/B2C_1_ポリシー名/v2.0/.well-known/openid-configuration


エンドポイントアドレスがかなり長いですが、既存のクライアントとの連携などを行う場合は、こちらを使った方がベターです。

2019年3月26日火曜日

[Azure AD B2C] Custom Policyが遂にGA!

こんにちは、富士榮です。

Public Preview開始から約2年、ようやくAzure AD B2CのCustom Policy(Identity Experience Framework)がGAしました。


公式アナウンス
 Azure AD B2C custom policies to build-your-own identity journeys reaches general availability
 https://techcommunity.microsoft.com/t5/Azure-Active-Directory-Identity/Azure-AD-B2C-custom-policies-to-build-your-own-identity-journeys/ba-p/382791

といっても何のことか、という方もいらっしゃると思いますので、簡単に。

Azure AD B2Cには
・ビルトインポリシー
・カスタムポリシー
の2種類があります。

ざっくりいうと、ビルトインポリシーで出来るのは、
・プリセットされた外部IDプロバイダ(FacebookとかTwitterとか)の利用
・サインアップ、サインイン、プロファイル変更、パスワードリセットというアクション
・OpenID Connectを使ったアプリケーションへのID連携
です。

まぁこれでも十分と言えば十分なのですが、カスタムポリシーを使うことで、
・プリセット以外の外部IDプロバイダの組込み(LINEとかYahoo! JAPANとか、SAML IdPとか)
・複雑なアクション(複数のIDプロバイダのIDの紐づけとか、外部のREST APIの呼び出しとか)
・SAMLなどOpenID Connect以外のアプリへのID連携
など、割りとなんでもできてしまいます。

もちろん、今回のGAでカスタムポリシーのすべての機能がGAしている訳ではありませんが、Azure AD B2Cを使って出来ることが大幅に広がりました。

※現状のリリース状況(Preview/GA)はこちらから確認できます。
https://docs.microsoft.com/en-us/azure/active-directory-b2c/active-directory-b2c-developer-notes-custom

まだまだドキュメント等、充実しているとは言えませんが、今後に期待です!



2019年3月25日月曜日

[LINE Login]LINE Developer CommunityでOpenID Connect(+少しAzure AD B2C)の解説をしました

こんにちは、富士榮です。

そういえば去る3/8にLINE Developer Communityの勉強会でLINE Loginを題材にOpenID Connectの解説をしてきました。(公開資料にはのっけてませんがちょっとだけAzure AD B2Cの話しもしました)

どうもアイデンティティの分野って概念と実装の両方を勉強しないとちゃんと理解できないことが多いので、座学+ハンズオンみたいな感じで勉強する形があっているんじゃないかな?と思っています。

資料とコードはこちらに公開しています。


コード
https://github.com/fujie/line_login

今回はOpenID Connectの基本的な流れを理解してもらうことが目標だったので、特にLINE LoginのSDKも使いませんでしたし、サンプルコードもステップ by ステップでストップしながら流れを理解してもらうことを想定したものなので、プロダクション環境ではくれぐれも使わない様にしてください。。。

ひっそりと申込を開始した割にすぐに定員が埋まってしまったのと最終的にキャンセル待ちが参加できた方の数と同じくらい存在したので、2回目以降の開催も考えていかないとダメですね。(どうしてもハンズオンを入れると1回あたりの人数が絞られますし)

ということで乞うご期待。


早くもクラスメソッドの方がレポートを書いて頂いておりました。感謝です。
 [レポート] 実装して理解するLINE LoginとOpenID Connect入門 に参加してOAuthとOpenID Connectについても学んできた #linedc
 https://dev.classmethod.jp/report/mrmo-linelogin-20190315/

2019年2月6日水曜日

[LINE Login]QRコードログインでメールアドレスもパスワードも不要に!

こんにちは、富士榮です。

ついにLINE LoginがブラウザシナリオでのQRコードログインをサポートしました!
このことにより、LINEへのメールアドレスとパスワードの登録がない人でもPCのブラウザやスマホの標準ブラウザ以外でWebアプリへのLINEログインできるようになりました。
(永らく待ち望んでいた機能なのでとっても嬉しいです)

公式アナウンス
 https://developers.line.biz/ja/news/tags/line-login/


■従来の制限(ブラウザシナリオ)

従来もQRコードログインはPCやMac、iPad用のLINEアプリへのログインには使えていましたが、PCブラウザやスマホでも標準ブラウザ以外でLINE Loginを使ったWebアプリへアクセスすると、メールアドレスとパスワードを使ってログインする必要がありました。

もちろんスマホの場合はLINE Loginの自動ログイン機能が使える環境であれば、ブラウザからLINEアプリが呼び出されて自動的にログイン、ブラウザへ制御が戻る、という流れでメールアドレス・パスワードを使わないログインが実現できていました。

しかし、この自動ログイン機能はカスタムスキームを使ってLINEアプリを呼び出すところまではOKなのですが、標準以外のブラウザだとLINEアプリからブラウザへの戻す時に戻し先ブラウザの制御を行うことが出来なかったため、標準ブラウザの場合に制限されていました。
ということで、自動ログイン機能を使う場合は、以下の制限があります。
  • iOSの場合
  • LINE 7.5.0未満:アプリ内ブラウザで、LINEログインv2を実装したウェブサイトにアクセスすると、自動ログインできます。
  • LINE 7.5.0以降:アプリ内ブラウザまたはSafariブラウザで、LINEログインv2を実装したウェブサイトにアクセスすると、自動ログインできます。 
  • LINE 7.12.0以降:アプリ内ブラウザまたはSafariブラウザで、LINEログインv2またはv2.1を実装したウェブサイトにアクセスすると、自動ログインできます。 
  • Androidの場合
  • LINE 7.14.0未満:アプリ内ブラウザまたはChromeなどの外部ブラウザで、LINEログインv2を実装したウェブサイトにアクセスすると、自動ログインできます。 
  • LINE 7.14.0以降:アプリ内ブラウザまたはChromeなどの外部ブラウザで、LINEログインv2またはv2.1を実装したウェブサイトにアクセスすると、自動ログインできます。
  • 出典)https://developers.line.biz/ja/faq/


    ■QRコードログインが付かなかったことによる制限

    新規にLINEアプリを登録する時、SMSさえ通じればメールアドレスの登録は必須ではなく、パスワードも不要なため、スマホ・ネイティブな世代の殆どがメールアドレスもパスワードも登録しない状態でLINEの利用を開始していると思われます。
    もちろん、LINEもアカウントのリカバリの容易さなどを理由にメールアドレスとパスワードの登録を推奨していましたが、現実問題登録していないアカウントもそれなりの数、存在していました。(数字は言えませんが)

    上記の制限事項もあり、LINE Loginをブラウザシナリオで実装する際は、ある程度の数「使えない」ユーザが存在することを前提に設計を行う必要がありました。

    以前よりLINEさんにはブラウザでもQRコードログインをサポートしてもらえるようにお願いはしていたのですが、ようやく実現した!!というのが今回の発表です。

    ■早速使ってみる

    では、早速使ってみます。(といっても見た目は地味ですが)

    LINE Loginを使うWebサイトにアクセスするとLINEへリダイレクトされます。
    (ちなみに、QRコードログインを使うには、LINE Login v2.1を使っている必要があります)

    ログイン画面が変わっています。下の方に「QRコードログイン」がみえます!
    早速クリックすると、QRコードが表示されます。(一部マスクしています)

    おもむろにスマホを取り出してQRコードをスキャンします。
    (友達追加の時に使うアプリ内のQRリーダーを使います)

    ログイン確認をされるので、ログインボタンをタップします。
    すると、ブラウザに認証番号が表示されるので、スマホ側で数字を入力します。

    ここで入力します。


    問題なく確認が終わると、ブラウザ側でログイン処理が完了、アプリへ遷移します。



    ということで、メールアドレスもパスワードも使わずにアプリケーションへのログインができるようになりました!
    Microsoftアカウント、Yahoo! JAPANのパスワード・レス・ログインに続いてLINEも同体験を実現してきており、ようやく人類がパスワードを捨てることが出来る日がくる予感がしてきました。

    2019年2月4日月曜日

    Google+のサービス提供終了に伴うbloggerへの影響と本ブログにおける対応

    こんにちは、富士榮です。

    先日アナウンスされた通り、2019年4月でGoogle+のサービス提供が終了しますね。

    ご存知の通り、本blogはGoogleが提供しているbloggerを使っているので、何か影響があるのか調べてみました。
    結果、個人的にはそれほど大きな影響ではなさそうなので、放置することにします。

    ■Googleからの発表内容と本ブログへの影響

    2018年12月の発表、およびその後のメールなどによると、影響と対策は以下の通り。
    ※赤字部分が自身、本ブログに影響がありそうなところ
    ※今後アップデートがある可能性もあるので、一次ソースを見て対策をしてください。(本ポストの内容により影響が出ても責任はもてません)

    • 個人のGoogle+アカウントを持っている人、Google+ページを持っている人
      • 2019年2月4日
        • 新規にGoogle+プロフィール、ページ、コミュニティ、イベントの作成ができなくなる
        • 対策)特になし
      • 2019年4月2日
        • Google+アカウント、ページ等のコンテンツの削除を開始
        • 対策)コンテンツのダウンロードと保存をしておくこと(Googleフォトは消えないので大丈夫)
    • Google+コミュニティのオーナー、管理者の人
      • 2019年3月上旬〜
        • コンテンツのダウンロードと保存が可能になる
        • 対策)ダウンロードしておくこと
    • Google+ログインのボタンをサイトやアプリに配置している人
      • 今後数週間
        • ボタンが機能しなくなる(Googleログインのボタンが代わりに表示されることもあり)
        • 対策)ボタンの撤去。Googleログインのボタンが表示された人はそのまま使える(Googleアカウントでログイン)
    • Google+を使って自身のサイトや他のサイトへコメントを追加している人
      • 2019年2月4日
        • BloggerでGoogle+を使ったコメント機能は使えなくなる
        • 対策)他の機能でコメントする
      • 2019年3月7日
        • 他のサイトでGoogle+を使ったコメント機能は使えなくなる
        • 対策)他の機能でコメントする
      • 2019年4月2日〜
        • 既存のGoogle+で作成されたコメントが順次削除される
        • 対策)ダウンロードして保存しておくこと
    • G Suiteを使っている人
      • ビジネス向けGoogle+はサービス継続(新機能追加、デザイン変更あり)
      • ただし、G Suiteアカウントが外部Google+ユーザと共用しているページやコミュニティ、サークルなどについては一般向けGoogle+と同様に影響を受けるので対策は必要
      • 詳細はこちら
    • Google+ APIを使っている人(開発者)
      • 2019年3月7日
        • 全てのGoogle+ API(Google+ REST APIなど)が停止
        • Google+に関連するscope(例えば、plus.meやplug.login)を使った認可リクエストも受け付けられなくなるので注意

    ■本ブログにおける対応

    特に大きな影響はないので、基本方針は「放置」とします。

    一部影響があるのは以下。

    • プロフィール(私のプロフィール)
      • 対策)Bloggerプロフィールに戻します





    • コメントとリンク(そんなに使っている人もいないと思いますが)
      • Google+アカウントでのコメントは使えなくなります
      • 過去にGoogle+でコメントした人のコメントは消えます(特にこちらでバックアップ、どこかへ移行・公開はしません)
      • Google+への共有はできなくなります




    まぁ、大部分の方には影響ないですね。

    2019年1月31日木曜日

    Auth0でLINEログインを行う(メールアドレスの取得も)

    こんにちは、富士榮です。

    Auth0楽しいです。
    LINE Loginも楽しいです。

    と、言うことでAuth0を使ってLINE Loginを実装してみます。

    ちなみに、Auth0の古田さんが以前書いていらっしゃるQiitaを見ればそのままなんですが、メールアドレスが取れない!という課題が解決していないので、そのあたりもカバーしてみます。

    古田さんのQiita:Auth0でLINEログインを実装してみた(v2.1対応)
     https://qiita.com/furuth/items/6df4334c3821ffc69d9c

    ざっくり解説すると以下のとおり実装します。細かい手順は古田さんのQiitaを見てください。

    1. Auth0のExtensionの「Custom Social Connections」を使う(流石にLINEはビルトインされていない)
    2. LINE側に登録したClientID、ClientSecretをAuth0のExtensionに設定する
    3. Auth0のExtensionは基本的にOAuthなので、ユーザ属性はLINEのProfileエンドポイントから取得する

    LINEの場合、この3番が曲者ですね。
    以前、紹介したとおり、LINE Loginでメールアドレスを取得できるようにはなりましたが、あくまでid_tokenの中に入っており、Profileエンドポイントからは取得できないんです。

    以前のポスト


    と、言うことでAuth0のExtensionの中のプロファイル取得スクリプトでなんとかするしかありません。

    が、このプロファイル取得スクリプト、先に書いた通り、OAuthな前提なので、access_tokenを基にProfileエンドポイントへアクセスして属性を取得するようなサンプルしかありません。

    今回はここでid_tokenをとってきて中からメールアドレスを取り出したいので、以下のようにスクリプトを書き換えます。access_tokenは使いません。
    function(accessToken, ctx, cb) {
      var i = JSON.parse(jwt.decode(ctx.id_token));
      var p = {
        user_id: i.sub,
        name: i.name,
        picture: i.picture,
        email: i.email
      };
      cb(null, p);
    }
    

    ちなみに、LINEが返してくるid_token(JWT)はヘッダにtyp: JWTの記載がないので、node.jsのjsonwebtokenライブラリがうまくjsonオブジェクトに変換をしてくれず、stringで結果が返ってきてしまします。そのため、2行目でJSON.parseをつけてjsonオブジェクトに変換しています。
    ※Azure ADなどの場合はtyp: JWTがヘッダにあるので、JSON.parseは不要でした。jwt.decodeの第2引数にjson: trueってつけるとうまいことやってくれる、というドキュメントは見たことがあるんですが、今回は上手く動きませんでした
    ※場合によってjwt.decodeで怒られることがあるみたいなので、その場合は
     var jwt = require('jsonwebtoken');
     を追記してみてください。

    Tryボタンで動作確認ができ、ログインするとこんな感じでid_token内の属性が取得できます。

    ※(追記)スクリーンショットがわかりにくい(メールアドレスはTryでは出てこない)ので、ユーザ・プロファイルの画面を張っておきます。


    2018年12月25日火曜日

    TechSummitのおさらい④:Azure ADからSaaSアプリへのプロビジョニングのアレコレ

    こんにちは、富士榮です。

    引き続き、TechSummitのおさらいをしていきます。
    今回はAzure ADからSaaSアプリへのプロビジョニングの話しです。

    Azure ADからプロビジョニングできるアプリケーションの条件は以下の通りです。

    • ギャラリーに掲載されていてプロビジョニングに対応しているもの
    • SCIM2.0に対応しているもの

    現状(2018年12月現在)ギャラリーに掲載されているアプリは3,057個で、プロビジョニングに対応しているのは30個ですので、やはりプロビジョニングはハードルが高いですね。
    こちらが一覧です。


    サービス名
    Amazon Web Services (AWS)
    Asana
    BlueJeans
    Bonusly
    Box
    Cerner Central
    Cisco Spark
    Concur
    Cornerstone OnDemand
    DocuSign
    Dropbox for Business
    G Suite
    GitHub
    GoToMeeting
    Jive
    LinedIn Elevate
    LinkdIn Sales Navigator
    Lucidchart
    Netsuite
    Pingboard
    Salesforce
    Salesforce Sandbox
    Samanage
    ServiceNow
    Slack
    Tableau Online
    ThousandEyes
    Workday
    Workplace by Facebook
    Zendesk

    ここに記載がないアプリケーションの場合や自分で開発しているアプリケーションの場合は、SCIM2.0に対応していればある程度対応させることが出来ます。
    ちなみに、以前はSCIM2.0に対応している、かつ「Azure ADでSCIMのエンドポイントの保護をしていること=Azure ADが発行したアクセストークンで認可されること」という縛りがあったのですが、最近カスタムのアクセストークンでもアクセスできるようになりました。(Azure AD上へ固定で設定する必要があり、自動リフレッシュなどもできず微妙ですが)

    このシークレットトークンにカスタムのアクセストークンを指定します。指定しなければ従来と同じく、Azure ADで発行されたアクセストークンを使ってAPIへアクセスします。


    さて、本題です。
    TechSummitでは実際にプロビジョニングをやってみると起きる問題についてG Suiteとの連携を例に解説しました。

    もちろんすべてのアプリケーションで発生する問題ではありませんが、ざっくり言うと、

    • 複雑な同期ルールは設定できない(例えば、人事発令後7日以内は所属を新旧で兼務させる、などは無理)
    • プロビジョニング設定をしてテスト接続をして保存するとエラーが出てどうしようもなくなる(これはG Suite限定かもしれませんが)
    • 標準外の属性を定義してマッピングしても同期されない(これもアプリに依存)
    のような話があり、カタログスペック的にプロビジョニングに対応してるから使える!と思い込むと痛い目にあいます。

    すこし具体的な例とワークアラウンドを含め紹介していきます。

    プロビジョニング設定時にエラーが出てどうしようもなくなる件

    先にも書いた通り、G Suite限定かもしれませんが、プロビジョニング設定をして保存をした時にエラーが出ることがあります。しかも、このエラーが出てしまうと二度とプロビジョニング設定を行うことが出来なくなります。

    どうやら、既知の問題らしく、ワークアラウンドとしてSSO用のGSuiteとプロビジョニング用のG Suiteを分けて定義すると上手く動くんですが、アプリケーションへのユーザの割り当てなど結構面倒くさいです。


    追加属性のマッピングが上手く反映されない

    これも良くある質問で、アプリケーションの種類にかなり依存する話っぽいです。
    例えば、経験上ServiceNowなんかはある程度カスタム属性をマッピングしても動いてくれましたが、G Suiteは全くダメです。
    しかも、実環境でよく使われるOU(orgUnitPath)が上手くプロビジョニング出来ないのは致命的でgithubでも昔からissueが立っているくらいです。


    同じく、G Suite側で作ったカスタム属性も全く無視されちゃいます。


    では、どうするのか?

    使えないから諦められるのか?という話になりますが、Azure AD自体のプロビジョニング機能を使うのは、現状ある程度割り切った環境でないとあきらめた方がベターです。

    ということで、
    • Azure AD ConnectをMIM的につかう(カスタムMAを使う)
    • Azure FunctionとGraph API Subscriptionを使って自前プロビジョニングする
    の2択が現実的です。
    ※開発を伴うので、サポートをどうするかを含め熟考の上で使ってください。

    Azure AD Connectの魔改造

    まぁ、みなさんご存知のとおりAzure AD Connectの実体はMIM(Microsoft Identity Manager)です。しかもAzure AD ConnectにはSynchronization Rules Editorが付属しており、かなり優秀なので、MIMにもこのエディタをバックポートしてくれないかな、と本気で思います。

    話しがそれましたが、実体がMIMなのでMIM用に作ったカスタム管理エージェントを組み込むとほぼ何でもできます。


    ちなみに、MIMとAzure AD Connectではインストール時のフォルダ構成が異なるので、管理エージェントを後から組み込む場合はAzure AD Connectに合わせてバイナリを移動してあげる必要があります。

    後は、先のSynchronization Rules Editorで同期ルールを書けばうまく動くようになります。

    Graph APIのSubscriptionを使う

    別の方法はGraph APIのSubscriptionを使う方法です。
    SubscriptionとはAzure AD/Office365上のオブジェクトに特定のイベントが発生した時に外部のAPIへWebhookを飛ばす機能です。
    通常はOffice365のメールボックスにメールが配信されたら外部APIを叩く、などといった使い方をするのですが、Azure AD上のユーザに更新がかかったら変更内容を通知する、という使い方をすることでプロビジョニングに応用できます。
    ちなみにプロビジョニング処理自体はAzure Function等を使って完全に自前で実装することになります。

    Subscriptionを作成する際もGraph APIを使います。
    対象のリソース(users)と検知対象のアクション(updated)、Webhook通知先URLを指定してSubscriptionを作成します。

    尚、現状だと検知対象のアクションとしてcreatedやdeletedを指定するとエラーが出るのでupdatedしか使えません。作成と削除はAzure ADのプロビジョニング機能を使い、更新はSubscription経由で実施する、という構成にしないといけません。

    ちなみに作成したSubscriptionオブジェクトの有効期限は最大3日間なので、期限が切れる前に更新をしないと自動的に削除されてしまいます。


    Subscriptionが有効な状態でユーザオブジェクトに更新がかかると指定したURLに対してWebhookが飛んできます。
    この内容をパースして適切な処理を行いましょう。G Suiteの場合はAdmin SDKを使ってG Suite上のユーザの属性を更新する、などの処理ですね。



    今回はこのくらいです。
    プロビジョニングは結構鬼門なので、使う場合は十分に事前調査~準備をしてから使い始めるようにしてください。