2025年1月1日水曜日

Intention Economyその後

こんにちは、富士榮です。

年末にDoc SearlsがIntention Economyについて「The Real Intention Economy」というポストをしています。かなり重要なポストだと思うので読んでおいた方が良さそうです。


彼の著書は日本語にも翻訳されていますね。


さて、今回のDocのポストに戻ると、彼がIntention Economyの考え方を発表してからもう直ぐ20年が経とうとしている現在、生成AIの文脈も相まって、Intention Economy自体が脅威となりつつある、という話です。

Intention Economyで検索すると結構ヤバ目の結果が返ってくるようになっているとのこと。
要するにIntention Economyというキーワードが悪用されつつある、ということですね。

こんなことも書かれていると言っています。
The near future could see AI assistants that forecast and influence our decision-making at an early stage, and sell these developing “intentions” in real-time to companies that can meet the need – even before we have made up our minds.

近い将来、AI アシスタントが早い段階で私たちの意思決定を予測して影響を与え、私たちが決断を下す前であっても、その発展中の「意図」をニーズを満たすことができる企業にリアルタイムで販売するようになるかもしれません。

同じくこんな引用もされています。
The rapid proliferation of large language models (LLMs) invites the possibility of a new marketplace for behavioral and psychological data that signals intent.

大規模言語モデル (LLM) の急速な普及により、意図を示す行動および心理データの新しい市場が生まれる可能性が生まれています。


もともと顧客の関心(Attention)を商品として販売するというモデルに対するアンチテーゼの文脈としての意図(Intention)を中心とした経済としてIntention Economyだったはずですが、その意図自体を商品として販売する、という市場が形成されてきつつあるということですね。

人間の欲望は果てしないわけですが、私たちは思想の源流をきちんと見据え、意図を理解した上で社会実装を進めたいものです。