いよいよ3日目です。そろそろ疲れてきました。
これまでの日記はこちらから。
ということで今日もはじめて行きます。
まずはキーノートから。
◆キーノート
- Digital Identity for the People by Richard Bird
- Chief Customer Information Officerの人
- 人々が自分のアイデンティティをデジタル社会に持つ時代になってきた
- シートベルトなどと同じく、Consumer保護の考え方はデジタル社会が始まった当時は存在せず、後からポリシーがついてきた
- GDPR、CCPAは果たしてConsumerの保護になっているのか?
- 現実問題、施行後にも4億以上のアカウント漏洩が発生している
- では何が足りないのか?
- データ保護≠アイデンティティ保護
- 結局のところ、アイデンティティの保護は人を守ること
- いくらそのリンクをクリックしてはいけないと言ってもクリックする
- 現実の数字として、
- US国民の20%が家に鍵をかけない
- 63%の強盗は押しいらなくても犯行ができてしまっている
- デジタル社会で自分を守るということは?
- データ保護とアイデンティティ保護は同一ではないことを認識する
- MFAなどでアイデンティティを守ることが必要
- Digital Identity - A Strategic Imperative by Grant Schneider
- US FederalのCISOの人
- 資料なしのプレゼンだったのであんまり拾えてないです
- アイデンティティ管理はセキュリティのために非常に重要なものであると考えている
- US連邦のサイバーセキュリティ戦略目標はデジタル社会におけるナショナルセキュリティと経済的なセキュリティを高めること、つまり「いかにして国家と国民の資産を保護するか」が命題
- そのために、色々と守らなきゃダメ
- Federal Cyber Security(税金や年金など)
- 重大インフラのセキュリティ(金融システムや交通システムなど)
- CEOやCIOがリスクマネージメントをできるように教育することも大事
- もちろんプライバシーも大事なので、ペルソナの使い分けなども意識しないとだめ
- アイデンティティ保証も大事だよ
- The next wave of Identity Standard by Alex Simons
- アイデンティティに関する標準の3つの波
- オンプレミス
- クラウドとモバイル
- 分権とプライバシー by デザイン
- オンプレミスにおける相互運用性と利便性の向上
- 全てがFirewallの内側にある前提
- ESSO、LDAPの組み合わせによるPasswordインジェクション
- KerberosによるトークンベースのSSO
- このころの攻撃はSlammerなどサーバの脆弱性を狙ったものが多かった
- クラウドとモバイルの世界のためのアイデンティティ
- SAML:広く使われるようになった最初の標準技術
- OAuth1.0:実装が難しかったよね
- OAuth2.0、OpenID Connect:現在のマイクロソフトのソフトウェアはPowerPointからAzureまでこの標準に従っている
- 2019年6月のデータではAzure ADに接続されているアプリケーションの95%がOAuthもしくはOpenID Connectを使っている
- このころになると攻撃手段が変わってきて、パスワード盗難がメインとなってきた
- 81%のデータ漏洩の原因がパスワード盗難に起因している
- こうなると多要素認証が必要となる
- FIDO2。すでにWindows10やAndroidは準拠している
- 次はパスワードレスの時代へ向かっている
- Azure ADのパスワードレスのデモ(YubikeyでOffice365ポータルへログオンしてます)
- 2019年7月にようやくAzure AD+FIDOのパブリックプレビューがリリースされる
- 現状8億のユーザがパスワードレスを有効化している
- 月間8500万ユーザがパスワードレスでログインしている
- Token Binding
- TLSだけじゃない
- dPOPも
- SCIM
- 2019年6月のデータでは675万ユーザがSCIMでプロビジョニングされた
- Mark Wahlが新しいSCIMのプロファイルを提案している
- 分権とプライバシー by デザイン
- 全ての人が自分のアイデンティティを自分でコントロールできる世界へ
- DIDのデモ(昨日と同じもの) by Ankur Patel
- まだまだこれから
- とりあえず、今すぐやるべきこと
- OpenID Connect、OAuthを使いましょう
- モダンプロトコルに対応しましょう
- パスワードレスの時代です
- とにかく多要素認証を有効化しましょう。99%のID盗難は防げるよ
- Standards: The Bedrock of Identity
- パネルディスカッション
- モデレーター:Pamela Dingle
- パネリスト:Kim Cameron, Vittorio Bertocci, Brian Campbell, Annabel Backman
- パネルはきつい。。。あんまり拾えてないです
- それぞれがフォーカスしている/してきた標準仕様について紹介
- そういえばVittorioはws-*の人だったなぁ
- 標準化関連のミーティングはグローバルのあちこちで開催されるのは、みんなに参加してもらいたいから
- しかしSAMLはなんで800ページにも及ぶ巨大なモノリスになってしまったのか
- 何にでも対応できるように色々と組み込んでしまった
- 結果、拡張が難しい巨大な仕様になってしまった
- その反省を踏まえ、OAuth、OpenID Connectではシンプルなことをシンプルに実装できるように、という原則に則って設計をした
- SecEventの話し。
- SSOの世界ではリスクが顕在化した時にドミノ現象で伝搬してしまうので、リスクイベントの標準的な伝達方法が必要となった
- プロトコル設計をする時はシンプルにすることが大事
- DIDとOIDC、FIDOを組み合わせることで使いやすい姿を模索するなど
- これからこの世界をドライブしていこうとしている人たちへメッセージは?
- 標準化の世界へぜひ参加して
- コミュニティへ参加すること。メーリングリストがあるので、そこでユースケースや考えたことを共有するところから。Don't be shy!
- 言語の壁もあるかも知れないけど気にするな
◆ブレークアウトセッション
- The Identity Architecture Panel
- パネルディスカッション
- モデレーター:Barber Amin
- パネリスト:Kristina Williams, Greg Smith, Stephanie Kesler, Kim Cameron
- やっぱりパネルはきつい・・・
- ゼロ・トラストの世界。ブロックからモニター、緩和へ
- 企業は従業員にとってのIdentity Providerが、管理者はSAMLを知っているわけではないし、我々(IDaaS事業者)はインフラの形を変え管理者が何もしなくても良い世界を作ろうとしている
- プライバシーはコンシューマだけでなく従業員にとっても非常に重要
- CIAMのアプローチでは管理者はアイデンティティを管理することができない
- エンタープライズIAMの世界では管理者が従業員のアイデンティティを管理する
- コンテキストに合わせた柔軟なユーザージャーニーが必要である
- マイクロソフトは固定的なログインを柔軟にするためにIdentity Experience Framework(IEF)を提供している
- IEFを使えば、コンテキストに合わせた柔軟なユーザージャーニーを提供することが可能である
- 例えば、HRシステムの重要なデータへアクセスする際は追加の認証を要求する、なども考えなければならない
- どのようにして開発者にプライバシーを保護を意識させるのか?
- 教育なども重要
- データの分類と評価がまずは大事
- 昨年、テレコム企業の課金システムのリプレイスを行なった
- アーキテクチャの全面書き換えを行った
- 保護されたAPIやデータへのアクセスをトークンを使って制御することにした
- CCPAがあるけど、何かアドバイスは?
- まずはデータを特定して分類するところから始めましょう
- DIDについて
- iPhone上のデータは誰の持ち物?Appleもデータのコントロールできちゃうよね
- 個人データは借財。これは長くは続かない。DIDとかブロックチェーンが解決の糸口になるかもしれない
- 5年から10年くらいはかかるかな
- 今後我々はどんなテクノロジーをキャッチアップしていけばいい?
- AI(プライバシーも考慮して)
- FIDO2
- コンテキストに合わせたユーザージャーニー(IEF)
- マシンラーニング
- Decentralized Identity
- Blurring the boundaries between CIAM and IAM / Microsoft
- アイデンティティはセキュリティの要である
- 社内外とのコラボレーションのあり方の変化
- B2Bシナリオ
- パートナー側でアイデンティティを管理する
- つまりBYOID
- B2Cシナリオ
- セルフサインアップ
- 同じくBYOID
- こうやってみるとB2BもB2Cも同じ
- アカウントを作って
- 承認して
- アクセスできるようになる
- 共通しているのは人を中心に据えていること
- サンプルケース1
- 個人が複数のロールを担うことがある(不動産のオーナーだったり、売主だったり、従業員だったり)
- 一つのGoogleアカウントでサインアップ〜サインインする(Azure AD B2B)
- システム側でロールを切り替えられるような実装をすることで、役割ごとにユーザアカウントを個別に作る必要がなくなる
- サンプルケース2
- 大学のケース
- 入学希望して、受験生となって、学生になって、卒業生になって、大学院に入ってまた学生になって、学校に就職して職員となって。。というライフサイクル単位でアカウントを作るのではなく、一つのアカウントの状態を変えていく
- 共通するのは、一つのアカウントを関係性に応じて変化させていく、という考え方
- Identity Proofing - What Happens Before Authentication by Capital One
- Identity Proofingとは
- 個人に関する情報を集めて検証するプロセス
- アカウントをオープンする時に実行したりする
- 認証とは異なる
- なぜIdentity Proofingが重要なのか
- 認証して認可してシステムやデータへアクセスさせるが、そもそも「誰?」という部分を知らなければならないため
- NIST SP800-63Aにおける定義
- Resolution
- Validation
- Verification
- Identity Assurance Levelとは
- 検証に使うエビデンスと方法の品質
- 企業におけるシナリオ
- 雇用時
- バックグラウンドチェック
- 対面での書類確認
- 初期クレデンシャルの発行
- クレデンシャルのリカバリ時
- パスワードレスのシナリオの場合
- 免許証などのドキュメントをビデオ会議で見せて確認する
- コンシューマの世界におけるIdentity Proofing
- スピードと正確性とコストが大切
- 時間がかかると顧客はドロップしてしまう
- 色々な方法
- モバイルデバイスを使った確認
- SMSへのコード送信
- ドキュメントを使った確認
- 券面のスキャン、バーコードのスキャン
- 券面のスキャンはPhotoShop対策も合わせて必要
- リスクベースアプローチが必要
- Identity ProofingはRiskスコアと同義でもある
- まとめ
- 一般的にユーザが提供したり手動で入力した個人データは不正確である
- システム横断で使えるRiskスコアが必要
- データソースを増やして、検証の精度を高めるためには外部ベンダーとの協業が必要である(Capital Oneとか)
- Frictionless Identity Verification by ADP
- ADP自体はセキュリティの会社ではなく、HCMの会社
- 40Mくらいのアクティブユーザー数がある
- 次のチャレンジはユーザエクスペリエンスの改善
- 現状、ADPのサービスに従業員がセルフ登録する方法は以下の通り
- Federated SSO
- Personal Code
- Company Code
- Codeless Registration(モバイル向け)
- これまでIdentity Assuranceを担保するためにやってきたこと
- Bot Protection(ロボットよけ)
- AIベースのアイデンティティ確認
- 知識ベースの認証
- デバイスベースのリスク管理
- 外部ベンダとの協業(Capital One)
- 登録時のユーザージャーニーを整理し、70%のコンバージョンを実現した
- So You Think You Can Two Factor by Nishant
- 多要素認証を使う時
- PSD2など法令により必須な時
- 認証要素は非常に多岐にわたっている
- これらを単純に提供するのは説明書なしで家具を組み立てさせるようなもの
- どのように利用させる要素を考えるか
- ユーザが使いやすいもの
- コスト
- 対応する脅威モデル
- 効果
- 法令遵守
- 生体認証はセキュリティではなく、利便性のためにある
- 生体情報(いわゆる身体的な特徴情報)はすでに必須ではない
- ユーザの行動、デバイスID(Fingerpirnt)を使ったアノマリ検知も可能(機械学習ベース)
- ユーザへの浸透(使い慣れているものを使う)
- Googleは7年前から2要素認証を提供しているが利用している人は10%程度だった
- Yubikeyに対応したら登録者が増えた、なぜならYubikeyを使っている人が増えたから
- ユーザはリスクを理解しているわけではない
- Googleは2要素認証を強制はしていない。なぜならサービスを使わせたいから
- オムニチャネルの検討
- UX向上の別の例
- コンタクトセンターでの認証をスマホで行う、などチャネルを分離することによるUX向上とセキュリティ向上の両方を実現
- プロセス自体の検討
- 付与
- 第1要素を付与する時に同時に2要素目の登録を行う
- 間が空くと弱いタイミングができてしまう
- バックアップを取得する
- 緊急避難のパスを作っておく
- リカバリプロセスを作っておく(例えばSMSや免許証での検証など)
- 第2要素の破棄の方法を考えておく
- まとめると以下が大事
- ちゃんと使えること
- 複数の方法を用意しておくこと
- ユーザが受け入れられること
- オムニチャネルの検討
- 管理プロセスの検討
- Why Governments are still important even in a Self-Sovereign Context by Adam Cooper
- 近い将来、デジタルアイデンティティが人々のプライマリのIDになったと仮定するとどうなるだろうか
- 政府機関の役割
- 法律を整備する
- アイデンティティドキュメントを交付する
- 住民登録データを記録・保管する
- SSIやDIDのような新しい仕組みはそれらの役割を代替するものではなく、相互運用するものである
- 実際にアイデンティティを使う際にはアイデンティティそのものよりも適格であるかどうかの方がはるかに大切である
- 例えば、支払い能力はあるか、など
- そうなると、政府機関の提供するアイデンティティはトラストの源泉としての役割を持つ
- 個人は自身のアイデンティティを提示する際に、信頼できて検証可能であることを望む
- つまり、ポータブルで信頼に裏打ちされた状態において、自身でアイデンティティの管理を行える状態が望ましい
- 結局トラストフレームワークが鍵となる
- Developing World Identity
- パネルディスカッション
- モデレーター:Jeremy Grant
- パネリスト:Adam Cooper, Vyjayanti Desal, Kaliya Young
- ID4Dの取り組みの紹介(World Bank)
- LIC(Low Income Countries)にフォーカスしている
- ペルー、インド、パキスタン、タイなどで活動
- デジタルIDは全ての基盤となる
- Financial Inclusion
- Healthcare
- Women's Empowerment
- Social Protection
- Education
- 他にもペーパーレス・トランザクション(Paymentなど)を行う上でも必要なものである
- ID4Dの3つのアプローチ
- Thought Leadership & Analytics
- Country & Regional Action
- Global Platform & Convening
- 啓発活動を含め各種ドキュメントの発行なども行なったり、原則をプラクティスへ落とし込む活動をしている
- グローバルで一つの大きなIDシステムを作ろうとしているわけではなく、各国がオープンなIDシステムをもち、相互運用性を持てるような世界を目指していく
- Aadhaarの話(Kaliya)
- 2000年代初頭、IDシステムをどうやって変えていくか考えた
- 国民を登録する台帳は存在、ローカルガバメントが誕生・死亡の登録を管理していた
- Nandan Nilekani氏が閣僚となり、インドのユニークIDのオーソリティを作ることとなった
- 最低限実行可能なID基盤として以下をもつ
- 名前、生年月日、性別、住所
- 生体情報(写真、2つの虹彩情報、10の指紋情報)
- (ボーナス。必要か?)電話番号、メールアドレス、銀行口座情報
- 登録時はセントラルレポジトリへデータが送られ、ユニーク性のチェック後、IDが発行され、カードが送付される(なんのセキュリティ機能もないカード)
- Aadhaarを使った認証の方式
- Aadhaar番号と名前、住所
- Aadhaar番号と生体情報
- Aadhaar番号とワンタイムパスワード
- Aadhaar番号と多要素認証
- (KYC時は)Aadhaar番号と生体情報+eKYCドキュメントの名前と住所
- 問題点
- 住民のゴールデンレコードができてしまう
- セキュリティ保護されていないカードが存在する
- 地方の支局に行くと生体情報の確認ができないことがある
- ワンタイムパスワードを使おうとしても携帯電話番号を持っていない人がいる
- 良い点
- みんなが持っている
- ユニバーサルである
と、本編はここまでです。
この後、イベントのFounderであるPing IdentityのCEO、Andre主催のパーティに参加してきました。Newseumという報道関係の博物館を貸し切っての大イベントでした。
ちなみにベルリンの壁とかがありました。
しかし何と言っても目玉はID厨だけで構成されているバンド、ZZAuthです。
メンバが以上に豪華です。Eve Malar, Justin Ritcher, Alex Weinert, Pamela Dingle, Sofia-Cristineなどなど・・・
ということでいよいよ次回は最終日です。
0 件のコメント:
コメントを投稿