ラベル Concordia の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Concordia の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2009年7月15日水曜日

カンターラ・イニシアティブ発足記念セミナー

昨日、オラクル青山センターで開催されたので参加してきました。

アジェンダおよび内容は以下の通り。

1.カンターラ・イニシアティブ概要説明 / NTT情報流通プラットフォーム研究所 高橋氏

 アイデンティティのベン図(The Venn of Identity)を紹介し、カンターラ・イニシアティブとしてはアイデンティティ管理に関連する3つの技術分野(SAML、OpenID、Infomation Card)の「ハーモナイズ」を目指すという話でした。
 ※ちなみにカンターラとはスワヒリ語で「橋」という意味で、語源にアラビア語の「調和」を持つとのことです。語源とよりアラビア語では3つの子音で意味をあらわすので今回のケースだと「نطر」(n t r)がベースとなっている「قنطرة(カンタラトゥン)=アラビア語でも橋の意」がそのままスワヒリ語になっているんだと思いますが。

 活動の特徴としては、技術仕様の検討は行うが、実際の策定は各団体(OIDFやLibertyなど)が行うことになる、ということでした。
 ちなみにConcordia、Liberty Alliance、Open Libertyは今後カンターラ・イニシアティブの配下にはいるようです。

2.分科会における取組事例~SAML-OpenID連携~ / NTT情報流通プラットフォーム研究所 岡本氏

 RSAカンファレンス2009で紹介したデモンストレーションが紹介されました。
 OpenIDのIdPで認証してSAML対応のサービスを利用したり、決済をする場合は追加でSAML IdPでも認証を要求して多要素認証としたり、という内容でした。

3.カンターラ・パートナーセッション
 OpenID最新動向、OpenIDファウンデーションジャパン活動 / 野村総合研究所 崎村氏

 OpenIDそのものの簡単な紹介と、OpenIDファウンデーションの活動内容(技術セミナや崎村氏自身が関与している各種仕様策定の活動)の紹介がありました。

 また、関連するニュースとしてGoogle AppsがOpenIDに対応する、という話がありました。(意図せぬ情報のリークだった様でしたが)

4.カンターラに集う技術事例(1)Liberty/SAML事例紹介
 SAML認証によるGoogleAppsの認証連携事例の紹介 / サイオステクノロジー 中田氏

 「コスト削減」という企業における命題に対してクラウドが選択されてきていますが、エンタープライズ利用に必要な「セキュリティ」と、クラウドの特徴である「どこからでも使える」の相反をどう解決するか、という点への取り組みが紹介されました。

 例えば、GMailを社内からOutlookやThunderbirdといったメールクライアントでpop/imap利用をしたいが、GoogleAppsの特徴からして自宅でも同じ設定をすればそのまま使えてしまうのでなんとかしたい、というセキュリティ上の課題を社内プロキシ経由でないとGMailが使えないようにした、という話がありました。

5.カンターラに集う技術事例(2)OpenID事例紹介
 NTTComにおけるOpenID活用の取り組み / NTTコミュニケーションズ 北村氏

 現在取り組みつつある「マスタID」のOpenID対応について紹介されました。
 以前はLiberty仕様で構築されていたものをOpenIDに対応させようとしているとのことです。

 取組みとしては、OpenID対応のIdPプロキシのようなものを構築してNTTコミュニケーションズ提供のIdP、NTTドコモのIdP、gooのIdPをユーザが選択できるような仕組みづくりや、決済などを含むアプリケーションを含めたサービス対応を考えているようです。

 参加者からの質問も出ていたのですが、例えば決済する際にgooのIDとドコモのIDを同列に信頼してよいのか?という課題への取り組みが重要になってくると思います。

6.カンターラに集う技術事例(3)Infomation Card事例紹介 / マイクロソフト 田辺氏

 SAMLやOpenIDとは少し違った点としてCardSpaceではユーザビリティを中心に取組んでいるという話が紹介されました。
 Geneva STSを使った別ドメインのSharePointサイトへのログオン/属性交換のデモも行われました。



まぁとりあえずは発足したばかり、ということでカンターラ・イニシアティブとしての具体的な取組みはこれから、ということだと思いますので、今後の動きを要ウォッチだと思います。

2009年7月7日火曜日

OpenIDとSAMLの比較

最近Project Concordiaのメーリングリストで「OpenIDとSAMLのどちらがスケーラブルでエンタープライズ環境での利用に耐えうるか?」という議論が繰り広げられていたのですが、その中で割と面白いレポートが出てきたので紹介します。(議論自体はConcordiaという場で取り上げるには場違いで好き勝手に発散していった感がありますが・・・。まぁOpenID、SAML、CardSpaceの各コミュニティが割と近くにいる日本と違って欧米ではOpenID vs SAMLという風潮があるようです)

Technical Comparison: OpenID and SAML
http://identitymeme.org/doc/draft-hodges-saml-openid-compare.html

Abstract

This document presents a technical comparison of the OpenID Authentication protocol and the Security Assertion Markup Language (SAML) Web Browser SSO Profile and the SAML framework itself. Topics addressed include design centers, terminology, specification set contents and scope, user identifier treatment, web single sign-on profiles, trust, security, identity provider discovery mechanisms, key agreement approaches, as well as message
formats and protocol bindings. An executive summary targeting various audiences, such as end-users, implementors, and deployers, is provided. We do not attempt to assign relative value between OpenID and SAML, e.g. which is "better"; rather, it attempts to present an objective technical comparison.


ざっくり言うと、OpenIDの認証プロトコルとSAMLのWebブラウザSSOプロファイルおよびSAMLのフレームワーク自体をあくまで技術的側面から比較した資料であり、どちらが優れているという優劣をつけるために資料ではない、ということです。
用語の対比や仕様の対比表があったりするので、とても判り易くまとまっていると思います。(まだざっくりと全体を眺めただけですが)