前回はAzure ADとPingAccessの組み合わせで、PingAccessのバックエンドに配置したHTTPヘッダ認証のサイトをAzure AD Web Application Proxy(Azure AD WAP)で公開する構成を紹介しました。
PingAccessは色々と器用なツールなので、既存のアプリケーションがBasic認証だった場合にも「ある程度」対応ができます。今回はPingAccessのバックエンドのサイトがBasic認証で構成されている場合の設定を紹介します。
尚、「ある程度」と書いたのはBasic認証がユーザのIDとパスワードをエンコードしたものを認証ヘッダにつけるという仕組みである以上、Password Vaultingをしないといけないので、固定のIDとパスワードしか投げ込むことしかできず、個別のユーザ認証とはならない為です。
では、早速。
◆サイトを用意する
何はともあれ、Basic認証を要求するサイトを作ります。今回はIISで構成しました。PingAccessのサーバからアクセスしてBasic認証が要求されることを確認しておきます。
◆PingAccessのSite Authenticatorを作成する
SitesメニューよりSite Authenticatorを作成します。
TYPEにBasic Authentication、USERNAMEとPASSWORDにBasic認証に使うユーザ名とパスワードを設定します。
ここが微妙なところで、個別のユーザ毎ではなく、Authenticator単位での設定しかできないので、実際のサイトへアクセスするユーザ名とパスワードが共通になってしまいます。
◆SiteにAuthenticatorを紐づける
Authenticatorを作ったらSiteに紐づけます。既存サイトであれば構成を編集して、新規サイトなら追加をして、SITE AUTHENTICATORSに先に作成したSite Authenticatorを設定します。その他の設定は前回行ったものと同じなので、詳細は省略します。
◆Azure AD WAP経由でアクセスする
Azure AD WAP、PingAccessを経由せずにアクセスするとBasic認証が要求されましたが、Azure AD WAPを経由してアクセスするとBasic認証はかからずにサイトへログオンできます。Webサーバのログを見ると、先ほど設定したユーザでWebアクセスがあったことがわかります。
今回はここまでです。せっかく色々な機能があるPingAccessなので、上手に連携していけば既存のオンプレミスのアプリケーションのAzure ADへ対応させる新たな構成の選択肢となってくる可能性もありますので、今後も目が離せませんね。
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