CSやMVの中身は今回は考えず、設定情報が移行できるかを検証します。
ポイントは「MAやDLLがそのまま使えるか?」です。
下記のような環境を作って検証を行います。
ILM2007とFIM2010は同一ドメインに参加している別の新規サーバで構築します(ILM2007は32bit、FI2010は64bitのOSのみサポートするため)
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj5Tpcx3aelCOzXpIWzGMS9yKNQLPP6jMfYeJ1oUayKNeovrdHtvYNB26A8QWxfA3ksAKIdwu3SUhCtyx1TQsPikkWVnPqkQgJce3tWFnHKTwhHlAFgSclsmaeXwi42I154QqRPMYctV1U/s320/env_1.jpg)
同期対象としては人事情報CSVとActiveDirectoryで、一方通行の単純なものを作ります。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEipi0MgOkCG8F85iAkP1BuElMuH74i-G-NW0OgU7G3O9nAuqknhw-4woG71akEhOyxcYEFatO_K77WZchMIdSM1Imj_JOH87plShJ_rbQKFXEJnD9sL_RFi-mxdVQODACRxsGINfQGBP3o/s320/env_2.jpg)
■サーバ設定のImport/Exportを試してみる
まず試したのは、ILM2007で設定をExportし、FIM2010でその設定をImportする、という手順ですが、結果としてImport処理時に失敗してしまいます。
通常通りILM2007から設定をExport。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj5ZiuCzizz1jl8RwYfOWnYX5mk_zkGWLEXokh_wdEZ6f_dfDJWN0yw7DsAskV2d89ag2NrjbABwl5X1764liZandzRv16M2Uu4FtQGuJliktWRaTbsxz0kICLLRqRNR3APIQZHG0zr-dc/s320/config_export.jpg)
その設定ファイル(XML)をFIM2010へImportします。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjpMF8UCeO7rXk_67SAj_4_84hRrW-R7m052Fv4YsS8ay0b_WyRiTarPeUeG16PUf_xRaU7Z0p3n8ylgdmF4ChLBjqacMMRV0koJFiAebB1-HOz2NISVthrnDxf57u7KOSevsdHXx8K8r4/s320/config_import.jpg)
見事にエラーで失敗します。
・ログ抜粋
Preparing existing metaverse configuration for update starting... An error was encountered while trying to update the metaverse configurations. 指定されたオブジェクト エクスポータが見つかりませんでした。 (HRESULT からの例外: 0x80070776) Error encountered trying to prepare the existing metaverse configuration. Server configuration import FAILED. |
また、ログの中を見るとエラー以外にMetaverseのスキーマを変更した、というようなログが出ているが気になるので念のためSchemaを見てみるが削除はされていなかったようなので一安心。
・ログ抜粋
Metaverse schema compare starting... Attribute deleted : 'accountName'. Attribute deleted : 'ad_UserCannotChangePassword'. Attribute deleted : 'address'. <中略> Attribute deleted : 'type'. ObjectType deleted : 'detectedRuleEntry'. ObjectType deleted : 'expectedRuleEntry'. ObjectType deleted : 'function'. ObjectType deleted : 'synchronizationRule'. The metaverse schema has been changed. |
■MAを個別にImport/Exportしてみる
次に試したのは、MAを個別でExport→Importする手順です。
こちらはうまく行きました。ただし、MVについてはすべて手動で再設定が必要です。
ILM2007で各MAを個別にExport。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEivsC_hVMzDt9ZDiGc0srLvKvwNNbPRk623RHwavBV2DClqjmkVeeZNktqpPmCTffewfDB7rx_hr8uGuNcaa22NtDy9bWzPDmCVKUWC_9q6VkCFds0qf8mRzX-JhfYo_1x6R5z6L6kV4yI/s320/ma_export.jpg)
関連する下記のファイルをILM2007サーバからFIM2010サーバへコピー。
・ExportしたMAのXMLファイル
・AD_MAのRulesExtensionのDLLファイル
・MVのRulesExtensionのDLLファイル
・HRのCSVファイル
今度はFIM2010サーバで各MAのImport。
AD_MAの接続パスワード部分だけ再度手入力が必要ですが他は[Next]を次々クリックしてMAをImportします。またこの操作でRunProfileも同時にImportされます。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhK-EeeyJR8QZOvZL_JJOzA315zsVT-psuA9hgiXjc982Mz-OY8OGA4TKrsDWhG0EzB7hNX-EVkmGNL0hI2m0xxZmSk8QBvmMA6T16YXp5TD5iLmo-XYAehkhXyGfn9S9943EvkDAwdx28/s320/ma_import.jpg)
各種ファイルを適正な場所に配置します。
ファイル | 配置場所 |
RulesExtensionのDLLファイル | FIM2010インストール先フォルダ\Extensions以下 |
HRのCSVファイル | FIM2010インストール先フォルダ\MAData\HR_MA以下 |
MetaverseのRulesExtension設定はMAのExport/Importでは移行されないので、手動で再設定が必要となります。
他にもMetaverseの設定(スキーマやObjectDeletionRuleなど)を独自で行っていた場合は手動で再設定が必要です。
■動作確認
ここはILM2007と同じ手順で同期を実行させます。
1.AD_MAのFull Import処理を実行し、コンテナオブジェクトをAD_CS上に作成します。
2.次にHR_CSVのFull Import→Full Synchronization処理を実行し、HR_CS上へのエントリの作成およびAD_CSへのプロビジョニングを実行します。
→実はここで、事前にADから対象のユーザエントリを削除せずにそのまま実行したのでAD_MAのFull Import処理によりAD_CS上にオブジェクトができてしまっていたので、プロビジョニング時に重複エラーがでました。これはプロビジョニング関数の作りなので、本来はConnectorsを見て重複させないような作りにして回避します。
とりあえず今回はそこまでしていないのでDCからユーザエントリを削除して再実行しました。
3.ADへのExport処理を実行
→めでたしめでたし
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg7mu0VLC1t2mnrqnKJf0IX0LuXnQlL6H2p94q2rnbtlA6cMvU5TGn3Aoz_IqpbqwqQ5DB2FiyfXG4kUtWLf0XFGJ8v5Sp92LsHKH6byrpiJx3eHxl0sjX77b7Tg8u5mAFH6TkllRTA9X0/s320/AD_USERS.jpg)
■結論(わかったこと)
・サーバの全体設定をそのままExport/Importでは移行できない
・MA単位で個別に設定をExport/Importすることは可能
・ExtensionのDLLファイルは再コンパイルしなくてもそのまま使える
次回はデータを含めた移行を試してみたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿