2013年3月5日火曜日
[JICS]なかなか面白いサービス「Trulioo」
昨日~本日開催されているJapan Identity & Cloud Summit(JICS)に参加しています。
学認、OpenID Summit、Enterprise、Trust Frameworkなど色々なコンテンツがそろっていてものすごい情報量です。
その中で併設された展示ブースに出展されていた「Trulioo」の話を聞いて非常に面白い、と思ったので少し紹介します。
◆サービス概要
簡単に言うと、「ソーシャルIDの信頼レベルを判定してくれるサービス」です。
各種サービスへのサインインやログインにFacebookなどのソーシャルIDを使う、というのはすでにかなりメジャーな方法になってきていますが、一方で昨今メディアなどでも取り上げられている「なりすましアカウント」や「使い捨てアカウント」などを使ってサービスを利用することによる被害(例えば偽アカウントで商品を注文したり、宿の予約をしたり)も問題視され始めています。
そこで、各サービスはFacebookでのログインをさせる前に、Truliooのようなサービス(API)を利用して信頼レベルを判定することで、リスクを低減することが出来ます。
内部的な判定ロジックは非公開ですが、FacebookのIDからサービス側で保持しているデータベース等を利用して信頼レベルを判定するようです。
このAPIを実行すると、結果として信頼レベルが0~400で返ってきます。
この結果を使って各種サービスは利用者アカウントに対する各種アクションを決めてく、という仕掛けです。
◆使い方
まずはTruliooにサインアップします
https://trulioo.com/ を開くと右下に[Wants To Try Our ProfilePlus API?]というボタンがあるので、[Register]をクリックし、各種情報を入力し、登録を行います。
※今はJICS特別サイトが用意されており、そこからだと更に登録が楽です。
https://trulioo.com/jics/
登録が完了したら、Developerポータルへログイン出来るようになります。今回はテストなのであらかじめ用意されているテストツールを使って確認してみます。
右側のメニューからAPI Referenceを選択するとテストツールへアクセスできますので、このツールを使います。
このツールに設定するパラメータは、
・apikey
・provider(現状fb/facebook固定)
・token
の3つです。
まず、apikeyですが同じくDeveloperポータルのApp Setting & StatsのProfilePlus API Accessメニューから取得できます。
次にtokenですが、これはFacebook上のリソースへアクセスするためのaccess_tokenを設定します。
こちらもテストなので、FacebookのGraph APIエクスプローラを利用します。
Graph APIエクスプローラを開いた後、[アクセストークンを取得]ボタンをクリックし、必要な権限を設定し、アクセストークンを取得します。
必要になる権限は、
・user_photos
・user_groups
・user_status
・user_videos
・user_events
・read_stream
です。
apikey,tokenを取得できたら先ほどのツールへ戻り、パラメータをセットして[Try it out!]をクリックします。
すると、判定結果がjsonで返ってきます。
どうやら私のFacebookアカウントの信頼レベルは400(Normal - High)なようです。
今回はテストでしたが、Request URLにapikey,provider,tokenを付けてGETするだけなので、簡単にサービスへ組み込みが可能です。
例えば、Windows Azure Active DirectoryのAccess Control Serviceを使ってFacebookのアクセストークンを取得して、Truliooで信頼性レベルをチェックしてからサービスを利用させる、といった形が簡単に実装できそうです。
◆課題
ここまで簡単な紹介をしてきましたが、ざっと使った中で少し課題と感じた部分を書いておきます。
・ユーザ同意の取り方
先にも書きましたが、Truliooを使う上で必要なパーミッションとして、以下へのアクセスが要求されます。
・user_photos
・user_groups
・user_status
・user_videos
・user_events
・read_stream
しかし、Facebookへのアクセス時に表示される同意画面だけで「なぜその属性や情報が必要なのか?」を理解するのは中々厳しいのではないかと思います。(特にサービス自体を利用する上で不要と思われるものが多いため)
と、いうことでサービス側の考慮点として、TruliooでFake Accountの判別をしていることをログイン画面などにしっかり記載しておき、なぜそれらの属性が必要なのかを利用者が理解できるようにしておくことが必要になるのではないかと思います。
◆まとめ
こんな感じです。
・ソーシャルIDでサービスを利用してもらう、というのはハウスリスト拡充の意味でも、サービス内でのアクティビティ向上の意味でも有意義である
・しかし、Fake Accountが多発するといった課題も抱えているのが実情である
・そこでアカウントの真贋レベルを確認するTruliooのようなサービスを使うのも一手である
・しかし、真贋を確認するために必要な情報の取得が発生するため、利用者に分かりやすい形での同意の取得を検討すべきである
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