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2024年12月12日木曜日

SIDI HubワシントンD.Cサミットのレポートが出ています

こんにちは、富士榮です。

先日、東京サミットのレポートが出た、という話を書いた段階ではまだワシントンDCレポートが出ていなかったので順番が逆になっちゃたなぁ、みたいなことを思っていたのですが、ポストを公開した直後にワシントンDCのレポートも公開されました。


他のレポートと同じく、こちらのページからダウンロードできますので、おいおい読んでいこうと思います。

https://sidi-hub.community/summits/


2024年12月9日月曜日

SIDI Hub東京サミットのレポートが公開されています

こんにちは、富士榮です。

先日東京で開催されたSIDI Hub Summitのレポートが早くも出ています。(ワシントンDCより先に発表されてしまいました)



事前に私も書いたものをElizabethに連携してあったので早めに作ってくれた気がします。良かった。

https://sidi-hub.community/summits/


まぁ、そのうち見ていきたいと思います。

2024年12月4日水曜日

SIDI Hub - ベルリンレポートを読む(15)

こんにちは、富士榮です。

ようやくSIDI Hubベルリンレポートも終わりです。

といっても今回は最後のサーベイだけなのでサラッと終わります。

(そろそろ東京レポートのドラフトが出てくる見込みなので、これはこれでみていかないと・・・あれ?ワシントンDCは???)


こんなキークエスチョンです。

What questions do we need independent researchers to analyze?

独立した研究者が分析すべき問題とは?


ベルリンではこんな回答が会場からは出てきました。

  • Privacy, tracking, “super tracking” recourse for misuse, e.g., best practice and protection of human rights
  • Detection of different attack vectors during binding/proofing/auth. An authoritative source at the edge
  • How are digital ID signals as effective or more effective than traditional verification methods
  • economic question: verifiers get the savings, and the issuers bear the cost. How much are the costs, and how do we transfer the benefits to the cost-bearers
  • use of ID as a developmental tool: correlation/causality between identity and a nation’s socio-economic development. Test the hypothesis.
  • biometrics & encryption uphold the whole ecosystem(s): research reliability and continuing to be fit-for-purpose
  • Education to avert disinformation misinformation (e.g., US/ Europe feedback)
  • プライバシー、追跡、悪用された場合の「超追跡」手段、例えばベストプラクティスと人権の保護
  • バインディング/プルーフ/認証時のさまざまな攻撃ベクトルの検出。エッジにおける権威ある情報源
  • デジタル ID シグナルは、従来の検証方法とどのように同等またはそれ以上に効果的か?
  • 経済的な問題:検証者は節約でき、発行者はコストを負担する。コストはいくらか、そしてコスト負担者にどのように利益を移転するか。
  • 開発ツールとしての ID の利用:ID と国の社会経済的発展との間の相関性/因果性。仮説を検証する。
  • バイオメトリクスと暗号化はエコシステム全体を支える。
  • 偽情報の誤報を回避するための教育(例:米国/欧州のフィードバック)

 

あとはいつものSIDI Hubの活動を続けていくべきか?などの質問が出ました。

まぁ、参加している段階でかなりバイアスがかかるのでこの辺りは参考までに、ということで。


しかし、そろそろ今年も終わりに近づいてきましたね。

あ、Advent Calendarへのエントリ忘れてた。。。



2024年12月3日火曜日

SIDI Hub - ベルリンレポートを読む(14)

こんにちは、富士榮です。

なかなか終わらないSIDI Hubベルリンレポートです。
ちなみにその後開催されたワシントンDCと東京のレポートはまだ公開されていませんが、着々と作られていますので、公開されたら読んでいこうと思います。

さて、前回は着目すべきユースケースの選定についてでしたが、各グループでどんな議論をしたのか、についてもメモが公開されています。

例えばTravellingのグループのメモはこんな感じです。

国境を越えた相互運用性に関する課題としては、まぁパスポートはいいけどVISA取得のプロセスやカナダへの入国に必要なEDL(強化運転免許証)は通常の運転免許証+パスポートよりも高いよね、みたいな話があるようです。
この課題は国境を越えて働いたり生活している人たちにとっては大きな問題ですし、コストの負担も大きい、ということです。
この辺りはパスポートのデジタル化がもっと進むとよくなるところもあるんじゃない?って感じの議論だったようです。

他にも政府の提供するサービスへのアクセスのグループはこんな感じです。

このユースケースは日本にいるとほとんど課題と感じることがと思います。例えば他国での投票やヘルスケアサービスの利用、犯罪や事故に巻き込まれたときの警察への届出、などですね。
パスポートやヘルスケア関連や保険関連のドキュメントのデジタル化がこれらの課題に対して対応するために必要なことの一部を占めていると分析されています。ただ、なかなか定量的に効果を測定するのが難しい領域ということも同時に言えるので今後どこまで進めるのかは判断が難しいところになりそうです。


つい先日のオーストラリアでの16歳未満へのSNS利用禁止の件など、オンラインサービスにおける年齢確認は大きな課題となりつつあります。
この問題は今後さらに大きな問題となる可能性もあり、取り組んでいく意義は非常に大きいと思われます。

次は教育ですね。これは東京サミットでもトピックの一つとして取り上げられました。
資格の意味合いに関する相互運用が難しいのがこの領域の特徴ですね。いくらテクニカルに相互運用できても資格情報に関する解釈が非常に重要です。これは国内でさえ未整備なところなので、国際連携を考えると今後ちゃんと基準に合意をして進めていくのが非常に重要だと考えられます。

続いて銀行口座開設のユースケースです。こちらも東京サミットで取り上げられました。

一番大きいのは国外の身分証明書を使って身分確認をするのが難しいってところからでしょうね。他にも資産状況などのCDDに関する情報の連携も大きな課題になりそうですし、AML関連のルールの統一も難しそうです。
ただ、先ほどの学位のケースとも共通しますが、柔軟に国境を越えて留学や就労を進めるためには金融サービスのような人権に直結するものをちゃんとAvailableにしておかないといつまで経っても進まないと思うのでこの辺りも非常に重要なテーマだと思います。

次はデジタルコンテンツに関してです。

コンテンツの流通はますます国を超えますが、同時にフェイクなども入ってきます。そのときにどうやって情報発信元や情報を信頼することができるのか?そのためにデジタル技術はどのように役立つのか?は深淵かつ重要なテーマですね。日本ではOriginator Profileがまさに該当する取り組みになってくると思いますので期待が大きいと思います。

最後が避難民です。日本ではセンシティブすぎるのかもしれませんが、ケープタウンや欧州においては喫緊の課題になっている問題ですね。

難しいのは一言で避難民と言っても状況はさまざま、というところもありそうです。本当に身元情報を含め国から迫害されて追い出されてしまっている人たちもいますし、ある程度の情報は持ちつつも自主的に避難している人たちも存在するはずです。
しかし、これらの人たちに対して等しく経済的な自立を促すための基本的なサービスを提供するのは重要なことであり、そのためにデジタル・アイデンティティの確立は非常に重要な要素となるはずです。

ということで今日はこの辺りまで。





2024年12月1日日曜日

SIDI Hub - ベルリンレポートを読む(13)

こんにちは、富士榮です。

SIDI Hubベルリンレポートを見ていきましょう。


Trust Frameworkのマッピングエクセサイズが終わり、次に向けてどんなユースケースを考慮していくのか?について議論をしています。

実際の検討現場ではチームに分かれて必要性と状況についてディスカッションをしつつSlideをアップデートしていく、という形式でした。

その後、投票が行われ、このような表が作成されました。


これまでのパリやケープタウンの実績を踏まえてまとめています。

今回のベルリンでは35名が参加、そのうち何名が投票したのかが一番右側の列に記載されています。

投票数が多かったものを見ると、

  • 政府のサービスへのアクセス(17票)
    • パスポートや免許証の取得など政府のサービスへのアクセスをクロスボーダーで行う
  • クロスボーダーの商取引(16票)
    • ケープタウンで話をした件ですね。国境を越えて商取引をするケースです
  • 銀行口座の解説(16票)
    • 東京でも話した件です。別の国で口座開設をするケースです
  • 人によるコンテンツへの署名(16票)
    • AI、ディープフェイクへの対応を行う
  • モバイル運転免許証(16票)
    • 言わずもがなです
というところです。
他にも会社の登記、公共ヘルスケア、デバイスへのアクセス、事業者の代理アクセスなど様々な候補についても議論が行われました。

レポート上にも次のテーマが重要な課題として記載されています。

patient ID: bind to an individual
internally displaced people
slavery
check ID2020 (UNICEF) work  equally recognized ID
agency delegation of authority
corporate registration/account opening

今後これらのテーマを考慮する上では、広い声を包摂していくこと、複数の国による関与、デジタルデバイドなど環境への配慮、CYNFINフレームワークやKaliyaのDomains of Identityの分類の考慮、ユーザへのインタビュー、他のユースケースとの関連、適切なドメイン専門家のアサインなどを考えていくことが重要であることが述べられました。

これらの議論がベースとなりワシントンDCや東京サミットへバトンが渡されていくことになりました。



2024年11月30日土曜日

SIDI Hub - ベルリンレポートを読む(12)

こんにちは、富士榮です。

SIDI Hubベルリンレポートを見ていきましょう。
前回はTrust Framework Mappingを行う上で効果が大きい5つの身分証明書のシナリオの選定とTrust FrameworkへのOIXのDNAのマッピングについて書かれていました。

今回はマッピングを行う上で見えてきた、その他のギャップとしてどのようなものがあるのかについて見ていきます。

色々な区分でギャップはまだまだありますね。
テクニカルなところで行っても多言語対応の属性をどうするのか、何ていうのも特に非英語圏にいる私たちにとっては重要な課題になります。

また、今後他の国のトラストフレームワークについても比較対象として追加していくという話も出てきました。
具体的に挙げられたのは、
  • ブータン
  • UNHCR(難民ID)
  • アフリカ連合(アフリカ連合ではpan-African frameworkを作っているそうです)
  • ASEAN
  • GCC(Gulf Cooperation Counsil。いわゆる湾岸諸国の連合):バーレーン、オマーン、サウジ、UAE
です。

東京サミットでは日本もマッピングをしましたが、今後もマッピング対象はシナリオに応じて追加していくことになりそうですね。

一旦はここまで。

2024年11月28日木曜日

SIDI Hub - ベルリンレポートを読む(11)

こんにちは、富士榮です。

少し間が開きましたが、SIDI Hubベルリンレポートを見ていきます。

前回はTrust FrameworkマッピングをOIXのDigital ID Trust Framework DNAにそって分類をした、というあたりまで触れました。

今回はその結果見えてきた”ゴールデンクレデンシャル”について触れているところから、です。

早速見ていきいましょう。

As a part of this work, they identified 5 “golden credential” types that would need to be standardized and globally adopted in order to achieve interoperability in their respective use cases:

この作業の一環として、彼らはそれぞれのユースケースにおける相互運用性を実現するために標準化され、世界的に採用される必要がある5つの「重要な資格」を特定しました。


対象は、

  • National ID Cards(国民ID)
  • Passport(パスポート)
  • Bank Accounts(銀行口座)
  • Driving Licenses(運転免許証)
  • Telco Accounts(携帯電話アカウント)
が挙げられています。まぁ、順当ですね。
数年前のEIC(だったと思う)でMartin Kuppingerもこれからは銀行と通信キャリアがデジタルIDの根幹を担うのである、なんて発言をしていたこともありますが、まぁ普通に考えればそうでしょうね。

Furthermore, these credentials are essential foundations for identification in jurisdictions that have no national identity scheme. In those cases, they have a policy model defining levels of assurance built upon inputs such as these credentials above:
さらに、これらのクレデンシャルは、国民IDのスキームを持たない管轄区域における識別のための不可欠な基盤です。そのような場合、これらの認証などの入力情報に基づいて保証レベルを定義するポリシーモデルが用意されています。

はい、まさに上に書いたMartinの話とも繋がります。国が用意した本人確認書類(Identity Document)が(一部)機能していない国(実はアメリカもそうですよね)でもオンライン・オフライン問わず身元確認をするニーズは当然存在するわけです。その際に国民ID以外のクレデンシャルを使って身元確認を行う、というのはインクルージョンの観点でも非常に重要です。ただし、その際にじゃあそのドキュメントの発行にはどのくらいの保証レベルが担保されているのか?という話ですね。


この保証レベルを算定するためのモデルをOIXで提供している、ということです。

そして次のステップについても語られています。

As next steps, the Trust Frameworks working group, in partnership with OIX, intends to:

  • Publish its findings
  • Conduct more analysis in new jurisdictions
  • Build a comparison tool
  • Propose policy criteria for metadata exchange

次のステップとして、トラストフレームワーク作業部会は、OIXとのパートナーシップのもと、以下のことを行う予定である:

  • 調査結果の公表
  • 新たな管轄区域におけるさらなる分析の実施
  • 比較ツールの構築
  • メタデータ交換に関するポリシー基準の提案 

これは先日の東京サミットでも話がありましたが、日本のDS500も含めてトラストフレームワークマッピングは一定の進行を見せていましたね。また、今後は国が提供するトラストフレームワークのみならず領域ごとにマッピングを進めていくことになると思います。本当の意味で役に立つのは領域単位で意味のあるマッピングがなされてからになりそうです。

ここで目を引くのが最後に挙げられているメタデータ交換におけるポリシー基準の話です。これは何か?についてこんな図が提示されています。


要するに中央集権型だろうが分散型だろうがフェデレーション型だろうが、トラストフレームワークをマッピングするためには当該のトラストフレームワークに関するメタデータを交換できるような仕掛けが必要になるってことですね。

こんな形で解説されています。

Whatever the mechanism, the Trust Framework mapping and analysis forms the basis for metadata exchange requirements. This is useful for jurisdictions now looking to create their own Trust Framework and in order to facilitate negotiations and, eventually, the technologies that will enable dynamic interactions on a transaction-by-transaction basis (for example: “Smart Wallets”). Interestingly, in mapping all of the actors and rule-sets that would be required in such an ecosystem, the analysis shows that much of it actually has been defined in the eIDAS 2.0 framework.

仕組みが何であれ、トラストフレームワークのマッピングと分析はメタデータ交換要件の基礎を形成する。これは現在、独自のトラストフレームワークを構築しようとしている国・地域が、交渉や、最終的には取引ごとのダイナミックなやり取りを可能にする技術(例えば「スマートウォレット」)を促進するために有用である。興味深いことに、このようなエコシステムで必要とされるすべてのアクターとルールセットをマッピングすると、その多くがeIDAS 2.0のフレームワークで定義されていることがわかる。


 

eIDAS2.0にトラストフレームワークを重ね合わせるとこんな感じになります。Identity Assuranceに関するルール、Credentialに関するTrustルール、WalletやデジタルIDに関するアカウントTrustルール、ユースケース単位のTrustルールに分類され、これはWalletモデル以外への適用もできる、いわゆるメタなフレームワークとなっている、という整理です。

このモデルについてベルリンではグループに別れて議論が行われます。


トラストフレームワークを比較するためのツールは何をすべきか、どのように展開されるべきか、誰が使うべきものなのか、など議論は多岐に渡ります。


結果として会場からはこれらの意見が集まっています。まとめるのは非常に難しいと思いますが、今後一歩ずつ集約していけると良いと思います。

今後はTrust Framework Work Streamでは、トラストフレームワーク比較ツール、どのルールが必要なのか、などについて議論を継続していくということです。

この後、Nickが実際に比較をしてみてどのようなギャップがあったのか?についてまとめて話してくれていますが、それはまた改めて。








 


 

2024年10月26日土曜日

SIDI Hub東京サミット クィックレビュー

こんにちは、富士榮です。

昨日、10/25にSIDI Hub東京が開催されました。
議論を充実させるために招待制だったこともありカジュアルに参加いただけるものではありませんでしたので、簡単に中身を紹介しておこうと思います。
(どっちにろ来週のIIWの前のOpenID Foundation Workshopの時に報告しないといけないので)



まずは、Gail、Elizabeth、Debora、Stephanieから全体の説明がありました。(私もちょっとだけご挨拶をしましたが)

この辺りは前々夜祭でも話をしましたが、18ヶ月前にGailとElizabethとMarkがSIDI Hubの構想を考え始めた時に「Interoperability by design」が重要だ、ということを考え始めた訳です。

要するにメールや電話やパスポートと同じようなレベルにデジタルアイデンティティを持ち上げる必要がある、ってことですね。

しかしながらなかなかハードルは高い訳です。
会場でサーベイしてみると、80億人に対してデジタルアイデンティティをデプロイするのにどのくらいの費用がかかると思うか?という質問には$10TB+が一番多そうな感じです。

続いてGlobal PlatformのAnaより今年のアクティビティについて説明。

今年の末までに何かレポートをちゃんと出す、ってことです。
楽しみです。

Elizabethからはヘルスケアに関する相互運用の事例としてCOVID-19のワクチン接種証明の話が。この時もいろんなフォーマットで取り組みが進みましたね。日本はSHCでした。


ということで今日のゴールはこちら。


次にWelcomeキーノートとして、OpenID1.0から始まるOpenIDコミュニティの歴史について崎村さんから話がありました。OpenIDファウンデーション・ジャパンの組成の話も含め、どのようにOpenID関連テクノロジーが普及していったのか、という話がありました。GoogleやAppleによる採用など本当にSignificantに普及してきた訳です。しかしながら国家によるAuthoritativeなID(国民ID)の整備と相互運用に向けた活動はまだまだこれからということもあり、そのためにこれまで日本で8月にFIDO/W3C/OIDF-Jがコミュニティを跨いで共同で開催したイベントや本日のSIDI Hubなどを通してこのような相互運用を推し進めていけるとさらにいいですよね!


次に日本政府からのWelcomeノートとしてデジタル庁の楠統括官から日本における国民IDの歴史について戸籍の歴史を紐解く形で紹介がありました。これは非常に興味深いです。

この辺の歴史は海外からのゲストにとってはもちろん、日本からの参加者からしても面白いものだったと思います。この辺りの歴史を踏まえた上で制度設計をしていくのが非常に大切なんだと思います。
住民データベースの歴史と外字の話を海外からのゲストに理解してもらうのは大変だったと思います。本当にお疲れ様でした・・・

ちょっと面白いw
アイデンティティの前にちゃんと文字の統一をしていかないとデータベースも作れないってのは確かになぁ、、、漢字の世界は深い。

そしてもちろん最後にデジタル庁認証アプリの話で締めです。

スマホ搭載の話が進んでいくにつれ、クレデンシャルをどこに保存するか?っていうオーソリテーティブなレジストリ問題が出てくるのを見ていると昔から住民データの保存場所の問題は解決していないんだなぁ、、というところですね。

ここからはRoom1/2に分かれてユースケース分析のワークストリームに入ります。


午前中は以下の2つのユースケースに分かれて話し合います。


私は教育の部屋にいたのでそちらを中心に。


話の中心はある国で教育を受けたクレデンシャルをもった人が他の国で就職する、というシナリオです。留学の話はワシントンD.C.でやったので今回はスキップです。

色々な団体がクレデンシャルの持ち運びや相互運用性に取り組んでいます。UNESCO、フローニンゲン宣言ネットワーク、DCC(Digital Credential Consortium)などですね。会場の半分くらいの人がこれらの団体の取り組みについて知っている、ということでした。


ここからは学位授与機構の坂口先生と野田先生からNQFの話です。

COVID-19で一旦は凹んでいますが海外からの留学生も増えていますし、政府の目標も設定されているそうです。

そんな中、5年前にNIADはNIC-Japanを立ち上げて資格枠組みの提供・認定を進めています。というのも日本人にとっても非常にややこしい学校の構造をちゃんと整理してNQF(National Qualification Framework)として提供、海外との相互運用をとることが重要となる訳です。


ヨーロッパではNQFは広がっていて、EQFとして提供されているようです。
これは職業訓練のみならず生涯学習にも使っていけるようになっているそうです。


日本では正式なNQFは存在しないので、NIADが定義をしようとしており、文科省が認定する最終段階にあるとのことです。

デジタル化についてはまだまだ進んでいないところが多いので、NIC-Japanではデジタル化についても推進していきたいとのことです。

デジタル化を推進するにあたり、どうも日本は中央集権を嫌う傾向にあるので分散と集中のハイブリッドモデルを導入するのはどうか?という話がありました。データは集めないけどお墨付きだけをつける、ってモデルですね。

次はデジタル庁の杉浦さんから日EU間での教育クレデンシャルの相互運用に関する話がありました。日EUデジタルパートナーシップの話ですね。
デジタル化を行う際は相互運用性の意識を必須として進めていこう、ということです。


デジタル化だけでは相互運用はできないのでNIADの先生方がお話しされた仕組みと歩調を合わせてやっていけると良いですね。

議論も結構盛り上がっていたと思います。
  • データスキーマをどうやって合わせるか
  • どうやってIssuerを信じるか(Trusted registryの話)
  • どこにクレデンシャルを保存するか
  • ビジネスモデルをどう作っていくのか
などなど。

午後は、MR4I(Minimum Requirement for Interoperability)のセッションです。

そう、SAMLですよ。SAML。SAMLai、サムライ、侍です。

まずは学認の話をNIIの佐藤先生から。Academicフェデレーションは世界で一番成功したID連携のフェデレーションです。

SAMLは死んだ、SAMLはゾンビだ。
でもゾンビは死なないのであるぅぅぅぅ。という力強いお言葉からスタートです。


そう、すでにグローバルでInteroperableな世界がそこにはあるのである。

この後は学認の取り組みとしてSAMLメタデータの詳細が仕様上は定義されていないことによる互換性の問題、例えばShibbolethのメタデータはEntity名が固定でつけられることによりOktaとの連携が失敗する、などが紹介されました。
また、Level of Assuranceの表現方法についても相互運用性の実現においては課題が残る、ということも話されました。例えばIALは規定されたプロセスでコントロールされていたり、AALに関してもSMSをどう扱うのか、など含めて決めていかないといけないところから、ということでした。
まとめると、こんな課題があるようです。
  • 機関に所属していない研究者の問題
  • 他のトラストフレームワークとのインターフェイスの問題
  • 相互運用性の問題(Kantaraとのネゴシートの問題)

次にMark HaineからGAIN PoCの話を。
GAINではテクニカルなところにフォーカスが置かれており、OpenID ConnectやIDA、Federationなどのプロトコルを前提として実験をしていたとのことです。


まさにNetwork of Networksですね。プロキシベースの方式、複数プロトコルをサポートする方式、その組み合わせが検討されていたようです。

プロキシベースのアプローチの場合にどうやって署名の問題やオリジネーターの信頼の問題をクリアするのか?などについて議論が行われました。

今後はPoCの実行なども視野に入れて活動をしていくようです。


続いてTrust Frramework分析のセッションです。
Nickがリモートで参加してくれました。

OIXのDNA of Digital IDでこちらの国のトラストフレームワークの分析をしたそうです。


ちなみにOIXのトラストフレームワークを超えた相互運用性に関するドキュメントは上記QRコードで取得できます。中身は以下のURLですね。(要ユーザ情報の入力)


日本やオーストラリアを含めて分析が進んできました。

ニュージーランドではウォレットとクレデンシャルに関する標準化も進んでいるんですね。

分析を担当したMark、柴田さん、貞弘さんからのコメントでは、もっとドメインに特化したトラストフレームワークの分析(例えば銀行の口座解説とか教育とか)を深くやっていくとより相互運用性が実現して良いのではないか、という話がありました。他にも用語の定義をちゃんと棚卸しをしてマッピングしていく必要がある、という話がありました。しかし日本語で認証という言葉にまとめられてしまうCeritificationなのかAuthenticationなのか区別がつかなくなるって話もありなかなかタフな作業になりますよねぇ。。。


LoAの話に関連して、クレデンシャル(本人確認書類っていう意味で)の互換性の議論もありました。例えば日本ではパスポートを使って銀行口座を解説することはできないって言う話は他の国の人たちからすると新鮮だったのかもしれません。
同じ人が別の名前で複数パスポートを発行しちゃう、なんて話もあるので色々と各国の事情を見ながら丁寧にマッピングしていかないと相互運用性の話には到達しないんでしょうねぇ。

最後にUNDPのデジタルIDモデルの話も紹介されました。



次はガバナンスの話です。
ガバナンスといっても何の?という話もありますが、このスライドではクレデンシャルの話です。

これをみるだけでもクレデンシャルに関するガバナンスにも多くの領域があることがわかります。こう言う整理が進むことはこう言うコミュニティの良いところですね。

そして、SIDI Hubがこのような取り組みを進めていく上でどんなフレームワークが必要になるのか?のコンセプトをまとめたものが紹介されました。(実は前日に会議室でホワイトボードに書きながらギリギリまで議論していた図)


このDigital Commonsって考え方は結構面白いと思うので、改めて見ていく機会を作ろうかと思います。



最後のまとめ2025年に向けた戦略です。疲れてきました。

これまでのサミットでも見えてきていたことですが、色々なユースケースを分析していくとグローバルとローカルのコンテキストをうまく繋がるようにしていかないといけない、ということがわかったり、トラストフレームワークの分析をしていくとポリシーからテクノロジーにわたって色々と分解していくことができること、テクノロジーについてもグローバルとローカルの間でNetwork of Networksの関係が成り立ったり、ガバナンスは階層的に考えていくのと同時にOSSやファンドのことも関連づけて考えていく必要がありそう、、、などなど色々と見てきました。


4つ目のポイントは結構面白いですね。
SIDI Hubの今後のあり方にも関係してきそうですが特定の法人格を持たないからこそできるHubとしての役割は必要なんだと思います。これはNetwork of NetworksやEducationのところでもコメントを少しだけしたのですが、色々な団体がバラバラと活動をしているとどうしても無駄が生まれますし、時に対立を産むことにもなるのでハーモナイズする役割を果たしていけると面白いと思います。


2025年の目標。てんこ盛りですな。



関連するステークホルダーへの推奨事項もまとめています。
今後も一緒にやっていけるといいですね。

最後にもう一回8Bの人たちに向けたデジタルアイデンティティをデプロイするのにいくらかかると思う?っていうサーベイが再び。

よりお金がかかる方に振れてるやんw
まぁ、さっき回答していない人もいますからね。。

今日取り上げなかったユースケースで取り上げた方が良いものはある?という設問では難民とか運転免許証とかが上がってました。

2025年にSIDI Hubが目標とすべき事項は?という設問では、PoCをやるべき、という話が散見されたので、実行フェーズに移行することが必要な時期に入ってきているってことかもしれません。

同じく2025年にトラストフレームワークマッピングのワークスストリームではユースケースに特化したマッピングやもっと多くの国を巻き込むべき、という話もありました。

さらにMR4Iに関しては、プロキシの実証やユースケースに特化したPoC、テクニカルガイドラインの作成が挙げられました。

SIDI Hub自体のセルフガバナンスやマルチステークホルダーによるガバナンスに関してどうしていくべきか?については、スコープを明確化すべき、ステークホルダーを明確化すべき、などが目立ちました。まだモヤモヤ感があるってことでしょうね。

SIDI Hubの成功メトリクスは何か?という質問ですが、PoCの実行を挙げる人が多かったかと思います。

東京でテーマに上がった災害と緊急時のユースケースはチャンピオンユースケースとして取り上げるべきか?という設問ではYesとMaybeがほぼ同数だったので、まぁまぁ前向きだったのかもしれません。

グローバルスタンダードはドメスティックなデジタルIDシステムを下支えするか?という設問は、まぁYesですね。若干誘導されていたような・・・

特にグローバルサウスがターゲットになるのでしょうが、トラベルファンドなどは役にたつ?これもYes。でしょうね。

技術レイヤーに関するコンフォーマンススイートやファンディングも役にたつ?まぁYesでしょう。

トラストフレームワークマッピングを国境や管轄、ポリシーとプロトコルを横断で進めていくべき?これもほぼYes。

デジタルID基盤はドメスティックとグローバルの国防に関するクリティカルコンポーネントとなるか?全員Yes。

誰がマルチステークホルダーガバナンスをリードするのがベストか?(政府?企業?)
まぁこれはハイブリッドの選択肢があったのでそちらに流れた感じ。

そして最後にもう一回8Bの人にデジタルIDをデプロイするためのコストはどのくらい?

やっぱり大変、ってことですよ。

SIDI Hubを続けていくべき?Yes。まぁ、きている人がそう言う人たちですからね。





最後にクロージングはデジタル庁の林さん。素晴らしいスピーチでした。

と言うことで、お疲れ様でした!