こんにちは、富士榮です。
引き続き選択的開示に関する調査論文を読んでいきます。
Selective disclosure in digital credentials: A review
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405959524000614
で、結局はどうなのよ、という話です。
ここまで、
- ハッシュベース
- 署名ベース
- ゼロ知識証明
を使った選択的開示手法について見てきましたが、それぞれ利点と欠点があるはずです。
論文ではそれぞれ以下のように論じています。
ハッシュベース
- 利点
- 計算量が少なく済む
- 欠点
- ハッシュ方式によっては破られてしまう(主にソルトを使わない場合)
署名ベース
- 欠点
- 計算量が多くなる
ゼロ知識証明
- 利点
- 属性値を明らかにすることなく証明できる唯一の方法である
- 欠点
- 計算量が最も多い
なんだかZKP推しにも見えますが、標準化された完璧な方法は存在しないのでユースケースごとに適した手法を使うことが良い、という結論です。
まぁ、まだまだ継続的に議論・研究が進んでいる領域ですね。
著者も選択的開示に関する論文の出版が近年急激に増えているということを示しています。
引き続き勉強していきたいですね。
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