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2024年7月24日水曜日

空港でのVerifiable Credentialsのユースケース、Digi Yatraが400万ユーザを超えたらしい

こんにちは、富士榮です。

インドの空港で使える、Verifiable Credentialsベースのクレデンシャルにより空港でのシームレス体験*を提供するDigi Yatraが14の空港、400万ユーザを超えたらしいです。
* 空港でのチェックイン、保安検査場、ゲート入場、荷物預けを顔認証でできるらしい

ちょっと前のニュースですがCXO Onlineの記事

Starting with just three airports, Delhi, Bengaluru, and Varanasi, Digi Yatra has expanded its footprint across major airports in the country, including Mumbai, Hyderabad, Pune and Kolkata. Currently operational at 14 airports, very soon  Digi Yatra plans to expand to an additional 15 airports.

3つの空港から始まって現在14の空港で利用でき、もうすぐ15番目の空港でも使えるようにする予定らしいです。

By adopting Digi Yatra, passengers have been able to cut down on airport entry time from 15-20 seconds to around 5 seconds.

これまで15-20秒かかっていた空港への入場が5秒で済むようになったとのこと。20秒ならいいじゃんって思ってしまいますが、インドくらいの人口のところだとものすごい効果なのかもしれません。

まぁ、日本でも顔認証ゲートは導入されているので、VCベースかどうかは置いておいて、この流れは世界へ広がっていくんでしょうね。

羽田の顔認証ゲート

https://tokyo-haneda.com/site_resource/flight/pdf/how_to_use_Face_Express_en.pdf




ちなみにあまり詳しい技術情報は書いてありませんが、Digi YatraのCEOの方がFinancial Expressに寄稿した記事には分散Ledgerを使ったDIDとVCによる自己主権型アイデンティティのソリューションである、と書いています。

https://www.financialexpress.com/business/industry-verifiable-credentials-facilitating-safe-travel-amid-privacy-issues-3558500/


どうしてもTravel Passというとe-Passport系の話に頭が入ってしまいますが、空港での顧客体験の向上、というキーワードでも色々と適用できそうな場面はありそうですね。

2024年7月19日金曜日

MyData Japanカンファレンスに見るアイデンティティのモデル

こんにちは、富士榮です。

一昨日はMyData Japanカンファレンスに行ってきました。
OpenIDファウンデーションジャパンも後援させていただいています。

イベントページ

界隈の人たちはみんないたんじゃないかな?という位、自分がフォローしている人のタイムラインを見ていれば行かなくても済むくらいの盛況でした(謎)。

もちろん午前中のデジタルアイデンティティ関連のセッションを中心に見たわけですが改めてMyDataが整理しているアイデンティティモデルはよくできているな〜と思ったのでその部分だけ。
詳しくは崎村さんのブログで資料も公開されていますので。

崎村さんの資料では日本語になっていますが、原典のMyDataの説明では以下の図で解説されています。

MyDataのページより


これが程よい抽象化レベルで非常にわかりやすいし、汎用的だなぁ、と改めて。

MyDataのページによるとそれぞれのアクターは以下の役割を持つ、と定義されています。
  • PERSON
    • An individual that manages the use of their own personal data, for their own purposes, and maintains relationships with other individuals, services or organisations.
  • DATA SOURCE
    • A data source collects and processes personal data which the other roles (including Persons) may wish to access and use.
  • DATA USING SERVICE
    • A data using service can be authorised to fetch and use personal data from one or more data sources.
  • PERSONAL DATA OPERATOR
    • A Personal Data Operator enables individuals to securely access, manage and use their personal data, as well as to control the flow of personal data with, and between, data sources and data using services. Individuals can be their own operator. In other cases, operators are not using the information itself, but enabling connectivity and secure sharing of data between the other roles in the ecosystem.
(DeepLで翻訳)
  • PERSON
    • 自身の個人情報を自身の目的のために管理し、他の個人、サービス、組織との関係維持を行う個人。
  • データソース
    • データソースは、他の役割(Personを含む)がアクセスし、使用したいと思う可能性のある個人情報を収集し、処理します。
  • データ利用サービス
    • データ利用サービスは、1つまたは複数のデータソースから個人情報を取得し、使用することを許可される場合があります。
  • 個人データオペレーター
    • 個人データオペレーターは、個人が自身の個人データに安全にアクセスし、管理し、使用できるようにするとともに、データソースとデータ使用サービスとの間で、またデータソース間での個人データの流れを制御できるようにします。個人が自身のオペレーターになることもできます。その他の場合、オペレーターは情報そのものは使用せず、エコシステム内の他の役割との間でデータの接続と安全な共有を可能にします。
例えばOpenID Connectなどのフェデレーションモデルでは、Personが利用者、データソースがIdentity Provider、データ利用サービスがRelying Party、Verifiable CredentialsのモデルだとデータソースであるIssuerとデータ利用サービスであるVerifierの間にWalletが入るわけです。
そして、最も重要なポイントは個人データオペレーターの存在です。
フェデレーションのモデルにおいてはIdentity Providerが個人データオペレーターを兼ねることになりますし、典型的なVerifiable Credentialsの利用モデルにおいてはWalletプロバイダが個人データオペレーターになったりするわけです。

結局のところ個人データを誰かが扱うことになるので、自己主権型アイデンティティを実現するにはこの個人データオペレーターを個人が完全に制御できる状態を作る必要が出てくるわけです。Walletがあれば自己主権ってわけじゃないぞ、というのがよくわかりますね。結局はWalletプロバイダに頼ってしまうわけです。

だからガバナンスが大事になるわけですね。

この辺りが通常のアイデンティティモデルの図にはあまり出てこないので、改めてこの図を見ると理解が深まるんじゃないかな、と思いました。

2024年3月29日金曜日

IIWの前日にパーソナルAIとVRMに関するイベントがあります

こんにちは、富士榮です。

来月、恒例のIIW(Internet Identity Workshop)がマウンテンビューで開催されますが、前日にDoc SearlsのProject VRMがやっている「VRM Day」があります。(こちらも恒例)

※VRM: Vendor Relationship Management。CRM(Customer Relationship Management)がアテンション・エコノミー(関心の経済。ユーザの関心の分析からリコメンデーションなどOne to Oneマーケティングなどで経済活動を促進する)に対してインテンション・エコノミー(意思の経済。ユーザの意思を中心として経済活動。いわゆる自己主権にも綱がる)を標榜するもの。詳しくはDoc Searlsの著書「インテンション・エコノミー」を読むと良いと思います。


今回のテーマは「パーソナルAIとVRM」ということで非常に興味深いですね。

出典)ProjectVRM

いわゆるSiriやAlexaなどのパーソナルエージェントは私たちの代わりにデジタル空間で活動してくれる、というところにまでは至っていませんが、最近日本でも落合陽一さんが万博のパビリオンに出展すると発表した「Mirrored Body」など、デジタル空間上で信頼性を担保した上で自分の代理(コピーロボット的なイメージ?)として自律的に行動してくれる世の中になると世界は変わるのかな?と思わされます。

出典)サステナブルパビリオンのホームページ

落合さんもMirrored Bodyのコンセプトを語る際にVerifiable Credentialsの重要性について触れていた通り、デジタル空間上でのミラーが確かに私のミラーであることを示したり、データの出自を検証可能な形で提示できるようになっていかないといけないんだと思います。


と、ここまで書いておいてアレなんですが、VRM DayとOpenID Foundation Hybrid Workshopが日程かぶってるんですよね・・・。どっちも行きたいのですが。。


2024年3月11日月曜日

自己主権型アイデンティティは本当か?情報銀行からの学びはあるのか?

こんにちは、富士榮です。

ちょっと前に情報銀行の認定事業の最後の一つだったDataSignさんのPaspitがサービス停止をしたことで通常認定がゼロになった、というニュースが界隈で出ていました。
DataSignさんのニュースリリース

情報銀行「paspit」サービス終了のお知らせ 

https://datasign.jp/blog/paspit-announce/ 

結果、IT連盟の通常認定がゼロになっています。

https://tpdms.jp/certified/


ちなみにP認定はまだありますが、そもそもP認定は「「情報銀行」サービス開始に先立って立案した計画、運営・実行体制が認定基準に適合しているサービスであることを認定するものです。サービス開始後において運営・実行、改善を図り、『通常認定』の取得が条件となります(P認定の更新は不可)。」という定義なのでサービスが開始されていない(もしくはサービスを開始する前の検討段階)のものなので、実質サービスとして提供されているものではありません。なので本当にゼロ件です。

この分野はそれほど詳しいわけではありませんが、そもそもの情報銀行の意義は利用者が自分の情報を適切に扱ってくれるサービスに適切に渡すために情報銀行サービス事業者に情報を信託することで安心してサービスを利用できるようにしましょう、という取り組みだったはずです。つまり、前提として情報銀行サービスが情報を提供する先の審査を行い、適切に情報を扱うことが確認できている場合に情報を提供することでリテラシーのあまり高くない利用者を保護しましょう、という話です。これは正に信託銀行が利用者の代わりに株式や資産の運用を行うことで利用者個人が過剰に責任を負うことなく安全に資産運用ができるようにしましょう、という話と同様のもので、その意味で情報(信託)銀行だったわけです。
しかしながら、実態として情報銀行においては、この信託銀行や銀行の本来の価値である利用者に変わって比較的安全に運用を行いましょう、という部分が私たちの頭から抜け落ちていたように感じます。結果、単に個人情報をサービス事業者に預けると利子(ポイントなどのリワード)がつく、雑に言うと「個人情報を売っている」感覚に近くなっていき敬遠されていく、というサイクルだったのかな?と思ったりしています。

ちなみにこの話は本日のコラムのテーマでもある「自己主権」についても隣接する話題だと思っています。今日はそんな話です。

自己主権とユーザの責任

これまでも自己主権型IDの責任モデルについてあちこちでお話してきました。
(2019年ごろによく使っていたスライド)


また、主権?という話についても正直疑問に思っている、という話も何度もしてきました。
(昨年のOpenID TechNight、分散型ID勉強会の資料より)


この辺りを踏まえて少し自己主権型アイデンティティについて考えてみましょう。
簡単にまとめると、自己主権アイデンティティのモデルにはユーザの責任が重くなりすぎると言う点で以下の通り課題があると思っています。
  • 自己主権の一番の難しさは結果的にユーザに責任を押し付けることになること
  • つまり、ユーザは誰に情報を提示して良いのかを自身の責任で判断しないといけない
従来のID連携のモデルでは多くの場合RPとIdPの間で事前の信頼関係構築が前提となっていました。具体的にはIdPとRPはトラストフレームワークなどで表現されるID連携のために必要なルール(例えばRPは受け取ったID情報を適切に扱うこと、など)に基づき事前に合意している前提がありました。
そのため、IdPにアカウントを登録するユーザはIdPが連携できるRPをある程度審査していることを含めある程度納得した上でRPを使っているという建て付けになっている(利用規約とかポリシーに記載されている)わけです。

ただし、あくまでIdPがある程度担保してくれるためにはユーザが使うRPの情報などをIdPが知ることができてしまう、という点においてプライバシーリスクが指摘され、Walletを使うことでIssuer/Verifierの間にWalletが入り、ユーザ自身の意思を反映した形でID情報のやり取りが行われる=自己主権でありプライバシー上の問題がなくなる、という話になってきたわけです。

ところが、このことによりIssuerは、Verifierを事前に審査することができなくなるわけで、Verifierが適切なのかどうかを判断できず、あくまでユーザが自身の責任でVerifierに情報を提供しなければならない、ということになってきてしまいました。

果たしてユーザは責任をとれるのか

「自己責任」の一言で済ませられるのであればそれで議論は終了なわけですが、人類はそれほど賢いわけではありません。いつまで経っても秘密鍵やパスワードの管理を人類はできるようになっていないわけで、VCがWalletに入っていても正しく管理できるようになるとは思えません。
暗号資産についても結局は事業者に管理を委託しちゃってますよね。本来はあれもBitcoinのアドレスを自分で管理することもできるはずですが、結局はカストディアンに頼るのが自然な状態になっているわけです。

と言うことでどんな対応ができるのか考えてみる

結局はWalletをIssuerが管理化に置き、VCを提示できるVerifierを制限する、などが必要になるのかもしれません。しかしIssuerが管理をするモデルになると、従来のID連携モデルでIdPが利用者が使っているRPを知れてしまう、という問題の解決にならず、Walletモデルの意味がなくなってしまいます。
となると、もう選択肢になり得るのはWalletプロバイダが提示できるVerifierを制限するという形が良いのかも知れないな、と最近は思っています。
もちろん、Verifier毎に専用Walletを使う、などの対応をしないと今度はWalletプロバイダがユーザが使っているVerifierを知れてしまうという問題が出てくる可能性もあるのですが、このモデルだと結局自己責任モデルにしかなりませんし、Verifier毎にWalletが大量にインストールされているスマホを持ちたいとは思いません。(それこそカスタムURLスキーム問題で技術的にもややこしいことになりますし)

結局はユーザが安心してVerifierにID情報を提示することができる状態を作る必要があるわけなので、ユーザが誰かを信頼して委託する(つまり信託する)必要があるわけです。Walletプロバイダのモデルだと、ユーザは従来のID連携モデルでIdPを信頼したのと同様にWalletプロバイダを信頼することになります。
こうなると、Walletプロバイダに情報が集約することは諦めるしかないわけなのですが、
  • ID連携に比較してIdPへのCall home問題はなくなるのでIdPの可用性を含む全集中度合いは下げられる(別の切り口だが)
  • Walletプロバイダが本当に認定済みVerifierに対してVCを提示したかどうかはわからないようにWalletを作ることはできるはず
ということは考えられるわけで、ID連携のモデルとの差別化はできそうです。

これを実現するためには、Walletプロバイダが審査済みのVerifierのみにVCを提示可能にするなどの機能を実装し、VC提示の際に許可・不許可のリストをローカルで参照する仕組みになっていればWalletプロバイダは審査済みのVerifierのうち、実際にユーザがどこに対してVC提示を行ったかは検知できないようにはできるのではないかと思います。(本当にそんな実装になっているかどうかは信頼するしかないとは思いますが)

このことで、
  • ID連携におけるIdP万能という状態からは少し前進できている気はする
  • 多分、次のVC関連のビジネスはWalletプロバイダが本当の意味での情報銀行(提示先の審査による安心の提供)としての機能を提供することなのかも知れない(どこまで利用者からお金を取れるかは未知数だけど)
と思えます。
この辺は引き続き皆さんと意見公開をしつつモデルを考えていけるといいですね。

2024年1月16日火曜日

前回のOpenID Summit Tokyoを振り返る

こんにちは、富士榮です。

いよいよ今週末、4年に一度のOpenID Summit Tokyoが渋谷ストリームで開催されます。

見どころなどは明日にでも紹介しようと思いますが、その前に4年前を少しだけ振り返っておきましょう。

前回のテーマは「真のDXを支えるID」でした。時代的にDXというキーワードが出始めていた時期ですし、OpenID Connectの適用先もコンシューマからエンタープライズへ本格的に広がってきつつある時期だったと思います。また、新たなキーワードとして自己主権型アイデンティティという言葉もこの時期から注目を集め始めていた頃です。

こちらが前回のプログラムですが、KYCやFAPI、FIDOなども注目のテーマの一つでしたね。

時刻Grand hall(同時通訳あり)Breakout room
10:00 - 10:10

開会の挨拶

Nov Matake — 一般社団法人OpenIDファウンデーション・ジャパン 事務局長
Keynote1-3 同時中継 / エバに相談コーナー
10:10 - 10:40

Keynote 1 - The Future of Identity

10:40 - 11:10

Keynote 2 - Personal Digital Transformation and Holistic Digital Identity

11:10 - 11:40

Keynote 3 - Enabling large-scale multi-party federations with OpenID Connect

11:40 - 12:30休憩
12:30 - 13:00

Open Banking beyond PSD2 in the EU

Device Identity as Yet Untold - エンタープライズ・セキュリティとデバイスIdentity

13:00 - 13:30

次世代IDaaSのポイントは本人確認~NISTと、サプライチェーンセキュリティと、みなしごID~

江川 淳一 — エクスジェンネットワークス株式会社 代表取締役

公開情報から読むCloud-assisted BLE (caBLE) をつかったWebAuthn

13:30- 14:00

OpenIDファウンデーション・ジャパン KYC WGの活動報告

OIDC活⽤で⽬指す⼈やサービスがつながる世界の社会実装

14:00- 14:30

韓国におけるFIDO/eKYC/DIDの現状と今後の取り組み

Bradly Kim — RaonSecure Co., Ltd.R&D Center/CTO

OpenID Connectとネイティブアプリを取り巻く仕様と動向 - Yahoo! JAPANの取り組み

14:30 - 14:50休憩
14:50- 15:20

銀行オープンAPIの実装 ―これまでの歩みとこれから必要なこと

三輪 純平 — 金融庁 フィンテック室長

FIDO (WebAuthN) を利用したID認証のデザインパターン

15:20- 15:50

SNS/FIDOによるセキュアなID統合管理と活用ケース - クラウドID基盤SELMIDのご紹介

花井 杏夏 — 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 西日本ビジネス開発チーム

OpenID Connect Client Initiated Backchannel Authentication Flow (CIBA)のご紹介 ~ その新しいUXと実装例のご紹介

15:50- 16:20

OpenID Connect活用したgBizID(法人共通認証基盤)の現状と今後の展望

満塩 尚史 — 経済産業省 CIO補佐官

Our Identity Experience

16:20 - 16:50

NIIが進める研究データ管理空間

山地 一禎 —国立情報学研究所
(Closed)
16:50 - 17:10休憩
17:10 - 17:40

Closing Keynote - No ID, No DX

(Closed)
17:40 - 17:50

閉会の挨拶

楠 正憲 — 一般社団法人OpenIDファウンデーション・ジャパン 代表理事
(Closed)


前回のサミットで思い出深い点が何点かあるのでその点を少しだけ紹介させてください。

コロナ直前のイベントだった

ちょうどこの直後からコロナの話題が大きく広がり、4月からは全国で外出自粛やリモートワークが展開され、結果としてしばらく大規模イベントとしての開催は休止されたり延期される事態になりました。またいみじくもコロナ禍においてはリモート環境における本人確認などID分野でもさまざまな新しいチャレンジが行われることになりましたが、その直前にこのようなイベントが開催できたのは非常に感慨深いものがありました。

Kim Cameron氏の最後の国際イベント登壇だった

非常に残念なことですが、この年のOpenID SummitがKim Cameron氏存命中の最後のリアル開催のイベント登壇となってしまいました。2020年のSummitでは自己主権型アイデンティティやブロックチェーンにアンカリングされた分散型識別子(DID)が話題に上り始めていた時期だったのでKimにはそれらの動向を踏まえて今後のデジタルアイデンティティがどのように変化してくのかを話してもらいたいというお願いをして来日いただいたのを鮮明に覚えています。
Kimのスピーチはこちら
本ブログでの文字起こしと翻訳はこちら

自己主権型アイデンティティからVerifiable Credentialsへ

先にも触れた通り、自己主権型アイデンティティの文脈が今後どうなっていくのか?について議論をする目的もありKim Cameron氏に来日いただいたこともあり、実はイベントの翌週にOpenID Foundation関係者で再度イベント(合宿)を行いました。こちらは残念ながら非公開なのですが、主に企画をOpenID FoundationでeKYC and Identity Assurance WGの共同議長を一緒にやっていたTorsten Lodderstedt氏と私で取り回していました。元々はeKYCの文脈で自己主権型アイデンティティや分散型識別子(DID)、検証可能な資格情報(Verifiable Credentials)をどのように利活用すべきか、という議論を半日かけてKim Cameron氏の考えを伺いながら議論をしました。この再度イベントには後にW3CのVerifiable Credentials Working Groupの共同議長、最近OpenID Foundationに設立されたDigital Credentials Protocol Working Groupの共同議長を務めることになる安田クリスチーナさんも参加していました。その流れもありTorsten Lodderstedt氏と安田クリスチーナさんが現在のOpenID for Verifiable Credentials関連のプロファイルの仕様策定者となっているのは非常に感慨深いものがあります。まさにこのサイドイベントがきっかけとなりデジタルクレデンシャルに関する仕様が産まれて4年が経過し、EUや日本の政府機関でもVerifiable Credentialsに関するプロジェクトが進み、まさに今年OpenID Summitが再び東京で開催されるのは運命的なものを感じます。


本当にこの4年間は世界が大きく変わったといっても過言ではない4年間だったと思います。私たちアイデンティティ・コミュニティもKim Cameron氏に加えてCraig Burton氏、そして昨年はVittorio Bertocci氏などかけがえのない方々を送り出すことになってしまいましたし、もしかすると皆様にとっても大切な人々が旅立ってしまったということもあったかもしれません。

ぜひ皆さんもこの4年間を振り返っていただき、OpenID Summitをお迎えください。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

2021年12月4日土曜日

訃報:アイデンティティ界の精神的支柱、Kim Cameron氏逝く

こんにちは、富士榮です。


最近忙しすぎて全く更新できていませんでした。

ブランク明けの投稿が非常に悲しいニュースとなり、とても残念です。

すでにKuppingerColeのサイトに掲載され、Twitter等でも話題になっている通り、アイデンティティ界の思想的リーダーであり、MicrosoftのDistinguished EngineerであったKim Cameron氏が2021年11月30日に永眠されました。


2018年のEuropean Identity and Cloud Conferenceにて。その後も色々とイベントでお会いしてますが気さくなおじさんでした。


OpenID Foundationでも彼の功績を集めて記録しておこうという動きもありますので、まとまったら公開されるのではないかと思いますが、ここでは個人的に影響を受けたものを数点あげて故人を偲ぼうと思います。


1. The Laws of Identity

これはアイデンティティ業界の人は知らないとモグリだと思いますが、2005年にKimが発表しMicrosoft製品はもちろん様々なアイデンティティ系サービスの設計の基礎となっているものです。

このブログでも2009年に紹介+日本語訳を掲載していますね。


しかし、今後は彼のブログなどの知財をどうやって世の中に残すのかが非常に気になります。(すくなくともドメインとかサーバとかは誰かが維持して欲しい・・・)


2. Microsoft Identity Manager / Azure AD Connect

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、Microsoft Identity Manager、Azure AD ConnectのベースとなっているSynchronization Managerは元々は彼がCTO(だったと思う)を務めていたZoomitという会社のVIAをMicrosoftが買収して作られたMMS(Microsoft Metadirectory Services)がMIIS(Microsoft Identity Integration Server)、ILM(Identity Lifecycle Manager)、FIM(Forefront Identity Manager)、MIM(Microsoft Identity Manager)と名前を変えつつ成長してきたものだったりします。製品名が変わってもコアとなっているSynchronization Managerの設計思想とコードは20年以上が経過してもほとんど変わっていないというのはものすごいことだと思います。

ちなみに本ブログを開始した時のそもそものきっかけがILMだったこともあり、個人的に思い入れがある製品だったりします。MVP受賞時のカテゴリはILMでしたし。

以下、2012年の.NETラボの勉強会でFIMとADFSのハンズオンをやった時に使ったFIMの歴史スライドです。



3. Azure Active Directory / Identity Experience Framework

このブログでも何度も取り上げてきたAzure Active Directory(当時Active Directory vNextと呼ばれてました)とその開発フレームワークであるIdentity Experience Framework(IEF)のデザインは彼が中心となって進めたとのことです。Identiverseの会場でIEFへのプライベートアクセス版をこっそり貰ったのはもう時効かな。。。



なお、彼の最後の対面での登壇が2020年1月のOpenID Summit Tokyoでした。この時は崎村さんと私でKimやIDProのIan Glazerなどの外タレのアレンジをさせていただき、宮崎での合宿で自己主権型IDに関するディスカッションをしたのも良い経験・思い出です。

崎村さんがOpenID Summit TokyoでのKimのセッションをYoutubeにあげてくれましたので貼っておきます。


なお、軽く文字起こし&翻訳をしましたので動画を見る時間がない方はどうぞ。

(Google Docsの音声入力&Deeplそのままなので誤訳などあると思いますが・・・)


まずは英語文字起こし(日本語訳は下の方にあります)

Thank you. Hello I'd like to talk to you about digital transformation of a different kind than we normally discuss. The world, the technology world has certainly been full of discussion of digital transformation of the enterprise. But my thesis will be that when the enterprise changes the way it treats individuals. It creates a digital transformation for the individual, the lives of people change when the way enterprises treat them changes.


So in getting to that discussion I'd like to look at what we've actually achieved as identity professionals.


Well, really we’ve achieved some great things. We've satisfied all of the basic requirements of digital transformation in which enterprises redefine themselves to deal digitally with us as individuals. We've streamlined and we've professionalized the technology for distinguishing us. If you go back 10 years, that technology was really a catastrophe of amateurism and we have professionalized the way it is written, the way it is run and the way it appears. We've transitioned the world from raw authentication where only based on secrets to one where whether it be SAML or OpenID connect. We're talking about the transmission of claims. I will come back to that in a second but this is one of the most fundamental changes we've brought about. We've enabled a reliable identity dial tone for the internet and interoperability between diverse systems all of which was just a pipe dream 15 years ago. In addition we can even say we have increased dramatically the security of the internet in spite of all the work that remains to be done. I remember the day when we sat and talked about the fact that we needed to change our paradigm from attributes to claims. Attributes was the word for characteristics in a closed world of single enterprise and we realize that when you open the world and go between domains. It isn't simply a question of attributes, it's a question of who says what about whom. Attributes are spoken by an entity and you must decide whether you actually believe that entity. In other words that's where we came to the concept of claims where claims are attributes that are in doubt and you need technology to decide what you trust for which purposes. This was a fantastic change in technology without which we couldn't have moved out into an actual internet identity we would have been stuck with this prison of the individual enterprise. So I don't say all of this to puff us up and make us overly proud of ourselves. I say this to remind us all that we can do really difficult and almost unthinkable things. Claims which the notion of claims began as something which was almost impossible to explain and now the entire world bases its technology on the concept of claims of assertions that are in doubt. So we were able to transform technology on a scale that was unimaginable if you at the time. And the reason I say this is because we must bear in mind that we can do that again, we can do that now. We mustn't look at the current state of technology and say that's what it is. Our role as professionals is to actually go beyond that.


So at the same time that we congratulate ourselves let's look at how we failed.


We’ve failed to recognize that the digital transformation of enterprise created the digital transformation of individual people and we left them really in a situation of chaos. You know the thing about this is we haven't seen the fact that when all of the enterprise's digitalize then the individual faces a new problem of scale. Instead of having to deal with one enterprise or five enterprises of 20 enterprises they have to deal with hundreds and I would say thousands at this point. In addition it isn't simply a scale in terms of the number it's the question of intensity. And by intensity I mean the frequency of dealing with the services and the immersiveness of the relationship with the services. So this is a change which is really significant and further despite the hopes of the telcos who I love of course. The fact remains that people will require multiple different devices in order as it come more intensive and we're using devices in more parts of our lives for more things we need more kinds of devices and we need multiple devices and we all have Alexas now and we all have tablets and we have phones so there's not one single device and this is our we have devices in our cars and devices are propagating. And we've left people in a world where all the technology is device-specific and there is no interoperability between devices really because of the control of the operating system of the device manufacturers. And lastly well of course we have left people with all the problems of privacy and profiling and we have created a need for technological longevity and this may be one of the most difficult problems. In other words you don't just have a device you have a device that one day a terrible thing happens and you have to move to a you have to upgrade to a new device or you lose your device or whatever. So there's longevity in terms of as more is concentrated in the device the need to be able to move the device to other devices becomes greater and we have no answer for this. And similarly we have no answers to help people cope with changing service providers. When one service provider begins to disappoint us or fail us or betray us, how do we transfer our digital life to another service provider? And finally there's the problem of accommodating aging. I speak with experience about what happens when one's memory begins to fade. All of our technology depends on remembering passwords. So basically you are cut from the digital world just through the process of aging and at the point of death the process of inheritance in the digital world of your digital assets is just a chaos.


So let me ask if we've been so clever about all the things we've achieved, how could we fail in so many ways. I would say the reason is because the problems of the personal digital transformation are very gradual and they grow very very slowly. You know you don't get all of your thousands of relationships in one day. You don't have the need for multiple devices all of a sudden everything is very gradual. It's like the lobster who is putting cold water in and the water is heated slowly and the lobster doesn't complain until it's too late. This gradualness has allowed us to escape the recognition that at a certain point. That change in quantity will become a change in quality and becomes something which really causes deep social resistance.


So I have the thesis that PDT(Personal Digital Transformation)’s gradual changes are eventually making our systems usable. And that our organizations do not understand the coming social disjuncture. That is implicit in personal digital transformation. I also think that only those of us who have expertise in identity have the ability to perceive the underlying dynamics and to sound the warning bell and to adjust course within our enterprises. Only we can take the leadership recognizing and addressing the emergent realities.


Now you know in the physical world people have been expertly handling human identity for many millennia. But there has been no attempt to replicate those abilities in the digital world. The creators of digital services we the enterprises and governments have scoped our efforts to solving our own problems as enterprises. And forgetting about the requirements really of the individuals as long as they could cope incrementally with what we were dishing out to them. So the systems that we build cause rather than solve the problems of the personal digital transformation. Because they have been one-sidedly built solely from the point of view of the enterprise. So my thesis is that personal digital transformation requires us to transpose human identity in all of its brilliance and subtlety into the digital world.


Now if you look at let's look at the pattern by which digital reality has been created. I propose that what has happened is that things begin with a deep understanding of a phenomenon. Then there is innovation in order to bring about what I called transposition by transposing. It's like in music where you move from one key to another key. And here this is moving from one part of reality physical to another part of reality digital. And this pattern leads to a holistic digital equivalent. So if we think about digital audio.


People, scientists had a very good understanding of what audio was. They knew audio was a form of sound waves. And the innovation was to take those waves and sample them to see different amplitudes and then be able to say okay we can express those amplitudes as digital data and produce a holistic equivalent of the sound so that the process could be reversed to create the digital audio. And so now the end result is 50 million songs for $9.95 a month from Amazon. I mean this is a fundamental thing that was done through a holistic approach to solving the transposition problem.


But if you look at the rest of the internet this problem of transposition has been solved in a similar way. Let's take the case of just digital banking. It began with people who had a deep understanding of the phenomenon of banking, then analysts came in and understood the processes and the aspects and the things that had to be replicated. And then innovators built the visual experiences that allowed this to be used by millions and hundreds of millions and billions of people.


So what about digital identity? Where are the experts in what human identity has been for these thousands of years? Who are they? What is the invitation? What is innovation?  Where's the transposition? What's the holistic digital equivalent?


Basically I have been looking at this for almost 50 years. It is impossible to find an equivalent in terms of scientists or sociologists or psychiatrists. The only thing that has been studied really is basically identification in other words for example the way that governments have handled identity you know during the last hundreds of years. And not only that when on the internet when you read about identity you read all kinds of things when you read about digital identity. And basically people just make up words and use them in ways that they just pull them out of the sky. So I believe we have to realize there are tools that can help us. One of them is in English and I'm curious to know if there are similar tools that can help us in Japanese culture, Chinese culture and other cultures. But the European because you say the whole notion of identity, it actually comes from French. So it isn't simply English, it's sort of the European experience that has been studied, and in great detail by the Oxford English Dictionary.


You may not know that dictionary, because you are not that involved in studying the details of English Origins. But you actually have not only the definition, but the uses of these words throughout time since they were first recorded in writing. And so you really can have an understanding if you look up something like identity there is great wisdom in what is expressed. I'm going to leave this with my slides but these notions that are really the essence of the Oxford English Dictionary definition are hugely accurate and important and worth reading and I would love you to share other things from your culture that would lead us to greater insights.


But I have actually distilled this my reading of the dictionary into two concepts one is selfness and one is who-ness. So selfness is the sameness of the person, the thing at all times, the condition of being a single thing, the fact that a person is itself and not something else. That's the self and selfness. Who-ness is what is said about people, the characteristics of the person, the ability to recognize the person. And I called this selfness and who-ness and somebody may think gee Kim you just said you shouldn't make up words now you're making up words but the words. Selfness originated in 1574. And the word who-ness originated in 1611. People have been thinking about these problems for a really long time.


So to make it simpler, selfness is the aggregate of all the attributes and experiences of a person through their life. Who-ness is what you share in individual relationships.


Perhaps the most important concept is that this aggregate is never visible in the physical world. To the people in your relationships they never see the whole, only you, only the self has a visibility on to all that has happened, but it has that visibility and that is fundamental to the way it exists. Privacy is the fact that the who-ness are not convertible into selfness, all right and that's what creates the distinction you know our own individuality is distinct.


So now I imagine you’re asking, okay but how do these concepts map onto current digital technology.


Well, the truth is digital identification which is what we have. We don't have digital identity yet , we have digital identification so far. Which is the who-ness from the point of view of enterprises and governments. We actually have made some progress in who-ness and that's what we've achieved as I discussed at the beginning of this presentation. But there's virtually zilch you know zero in terms of technology for selfness.


So to solve the problems of personal digital transformation, we have in order to do an MVP for digital transformation. We need massive new construction in order to build technology for selfness and we need major renovation so that who-ness can be made compatible with selfness.


Selfness is technology, you know basically the self needs its own technology just as we've automated the enterprise we haven’t automated the self and you know Ian spoke about this in terms of his concepts like active clients and so on. We need to be able to remember and manage our relationships. We need digital technology to do that for us. We need to have digital technology that handles the problem of recognition without our consciousness just as happens in this world in the physical world. We aren't conscious of meeting each other and this is an identity relationship it's simply an identity relationship. Our technology must do the same and provide this recognition layer. We must be able to move between devices from any manufacturer and use new devices without perceiving any change. And I will assert that regardless of what the device manufacturers want to do, the need to do these things as so significant that there will be social and governmental intervention in order to make just as there was around privacy in order to solve these problems of having a self across multiple devices without being prisoners of powerful corporations, and so on. We need to be able to use the services to fill in its memory to fill in the self’s memory as people age. The services can guide them and take over the problem, automate the problems of aging so that they can continue to be part of their digital world. And the digital world at the digital who-ness must evolve in the sense that we have to separate the problem of recognition of ID from the problem of characteristics of claims. So that we don't have to be conscious of all of the ID work and can achieve a world similar to the physical world.


Now to bring this down to something concrete with respect to current technology. In who-ness we need to separate the layers and and I was so pleased I was at the OpenID (Foundation) Japan meeting today and the the leaders of OpenID (Foundation Japan) are perfectly aware of this problem and are working two separate the problem of recognition and distinct impression from the problem of characteristics by splitting up ID technology from the actual claims provider technology. And we have these things. We have many initiatives here DIDs, OpenID SIOP and FIDO2. Any characteristics, we have two phenomena, one is verified credentials and one is aggregated and distributed claims. Now the important thing here is that we not unleash 10 different technologies on the people who are already victims of the personal digital transformation. So between us we as technical people must ensure the convergence of these technologies. So that they're interoperable with each other ,for example a key recognition that is that I can have when I'm using OpenID and recognition I can have when I'm using FIDO those should be once it's established in one it should be established in the other and it should automatically be because it's part of the self be shared between those different ways of doing who-ness. In terms of selfness we have been one I think an important innovation which is this notion of authenticators. The authenticators, Google has done a very good job actually of initiating this notion of authenticator. Google has done an excellent job here, but this is all very very primitive and as Ian pointed out we need to have much more advanced technology for the self.


So I'll just give my conclusions. A bullet train is headed straight for us in the form of personal digital transformation. We need to see it coming and get out of its way by evolving a holistic digital identity. OIDC which you're here to celebrate today the most promised I think it's undoubtedly the most promising deployed identification technology should be triaged and is being triaged to determine how it can fit into holistic digital identity. Then self sovereign identity, OpenID Connect SIOP and FIDO should be rethought so they fit together to solve the problems of the personal digital transformation. Otherwise they'll just make things worse, wasting everyone's time and money. This requires a great deal of careful thought. I have some examples but I've gone on too long so I'll leave the examples for people who would like to look at the slides later. So thank you very much.


日本語訳(Deeplそのままなので変なところはあります。おいおい直します・・・)

ありがとうございます。こんにちは。今回は、普段とは異なるデジタルトランスフォーメーションについてお話したいと思います。世の中、テクノロジーの世界では、確かに企業のデジタルトランスフォーメーションについての議論が盛んに行われています。しかし、私が言いたいのは、企業が個人への接し方を変えると、個人にとってのデジタルトランスフォーメーションが生まれるということです。企業が個人に対する接し方を変えることで、個人のデジタルトランスフォーメーションが実現し、人々の生活が変わります。

 そこで、その議論のために、私たちがアイデンティティの専門家として実際に達成したことを見てみたいと思います。

 さて、私たちはいくつかの素晴らしいことを成し遂げました。企業が自らを再定義し、個人としての私たちにデジタルで対応するという、デジタルトランスフォーメーションの基本的な要件をすべて満たしています。また、私たちを識別するための技術を合理化し、専門化しました。10年前に遡ると、この技術はアマチュアリズムの大惨事でしたが、私たちはその書き方、運営の仕方、表示の仕方をプロ化しました。私たちは世界を、秘密のみに基づいた生の認証から、SAMLやOpenID Connectのような認証へと移行させました。私たちは、クレームの送信について話しています。この話は後ほどしますが、これは私たちがもたらした最も基本的な変化の一つです。インターネット上で信頼性の高いIDダイヤルを実現し、多様なシステム間の相互運用性を可能にしましたが、これらは15年前には夢物語でした。さらに、まだまだ課題はありますが、インターネットのセキュリティを劇的に向上させたとも言えます。私は、属性からクレームへとパラダイムを変更する必要があると話し合った日のことを覚えています。属性とは、単一企業の閉じた世界での特性を表す言葉でしたが、世界を開いてドメイン間を行き来するようになると、そのことに気付きます。それは単に属性の問題ではなく、誰が誰について何を言っているかという問題です。属性はある存在によって語られ、その存在を実際に信じるかどうかを判断しなければなりません。つまり、クレームという概念が生まれたのです。クレームとは、疑わしい属性のことであり、どのような目的のために何を信用するかを決めるための技術が必要なのです。これはテクノロジーの素晴らしい変化でしたが、これがなければ実際のインターネット・アイデンティティに移行することはできず、個々の企業という牢獄から抜け出せなかったでしょう。私はこのようなことを、自分たちを誇示するために言っているのではありません。私がこのようなことを言うのは、私たちが本当に難しい、ほとんど考えられないようなことをすることができるということを思い出させるためです。クレームという概念は、ほとんど説明できないことから始まりましたが、今では全世界の技術が、疑わしい主張をするクレームという概念に基づいています。つまり、当時のあなたには想像もつかない規模でテクノロジーを変革することができたのです。そして、なぜこのようなことを言うのかというと、私たちはそれが再びできる、今でもできるということを念頭に置かなければならないからです。技術の現状を見て、「そういうものだ」と言ってはいけないのです。私たちプロフェッショナルの役割は、実際にそれを超えていくことです。

だからこそ、自分たちを称賛すると同時に、失敗したことを振り返ってみよう。

私たちは、企業のデジタルトランスフォーメーションが個人のデジタルトランスフォーメーションを生み出したことを認識しておらず、個人を混沌とした状況に置いています。これについては、すべての企業がデジタル化すると、個人はスケールの新しい問題に直面するという事実を認識していないことです。1つの企業、5つの企業、20の企業を相手にするのではなく、数百、いや数千の企業を相手にしなければならないのです。さらに、単純に数の問題だけではなく、強度の問題もあります。強度というのは、サービスを利用する頻度やサービスとの関係性の深さを意味します。もちろん、私が大好きな通信会社の希望とは裏腹に、これは本当に重大な変化です。実際には、人々は、より集中的に、より多くのもののために生活のより多くの部分でデバイスを使用するようになると、より多くの種類のデバイスを必要とし、複数のデバイスを必要とすることになります。私たちは、すべてのテクノロジーがデバイス固有のものであり、デバイスメーカーがOSをコントロールしているために、デバイス間の相互運用性がない世界に人々を置き去りにしています。そして最後に......もちろん、プライバシーやプロファイリングの問題を残したまま、技術の長寿命化というニーズを生み出しましたが、これは最も難しい問題のひとつかもしれません。言い換えれば、単にデバイスを持っているだけではなく、ある日とんでもないことが起こって、新しいデバイスに移行しなければならなかったり、デバイスを紛失してしまったりするということです。つまり、デバイスに集中するほど、そのデバイスを他のデバイスに移動させる必要性が高まるという意味での長寿命化があるのですが、私たちはこれに対する答えを持っていません。同様に、サービスプロバイダーの変更に対応するための答えもありません。あるサービスプロバイダーが私たちを失望させたり、裏切ったりし始めたとき、私たちのデジタルライフをどうやって別のサービスプロバイダーに移せばいいのでしょうか?そして最後に、高齢化への対応という問題があります。私は、記憶力が衰えてきたときに何が起こるかを経験的に知っています。私たちのテクノロジーはすべて、パスワードの記憶に依存しています。つまり、基本的には加齢というプロセスだけでデジタルの世界から切り離され、死の時点ではデジタル資産のデジタルの世界での継承プロセスはただの混乱に陥ってしまうのです。

では、もし私たちがこれまでに達成してきたことがとても賢いものであったとしたら、なぜこれほど多くの点で失敗してしまったのか、お聞きしたいと思います。その理由は、パーソナル・デジタル・トランスフォーメーションの問題は非常に緩やかで、成長も非常に遅いからだと思います。何千もの人間関係を1日ですべて手に入れることはできませんよね。突然、複数のデバイスが必要になるわけでもなく、すべては非常に緩やかなものです。ロブスターが冷たい水を入れると、ゆっくりと水が温められ、手遅れになるまでロブスターが文句を言わないのと同じです。この漸進性のおかげで、ある時点で、という認識から逃れることができました。その量の変化は質の変化となり、社会的に深い抵抗を引き起こすものとなるのです。

そこで私は、PDT(Personal Digital Transformation)の緩やかな変化によって、最終的にはシステムが使えるようになるのではないか、という仮説を立てました。そして、私たちの組織は、来るべき社会的断絶を理解していません。それがパーソナル・デジタル・トランスフォーメーションの暗黙の了解です。また、アイデンティティに関する専門知識を持っている私たちだけが、根底にあるダイナミクスを察知し、警鐘を鳴らし、企業内で軌道修正することができると思います。私たちだけが、出現した現実を認識し、それに対処するためのリーダーシップをとることができるのです。

物理的な世界では、人々は何千年も前から人間のアイデンティティを巧みに扱ってきたことをご存知でしょう。しかし、その能力をデジタルの世界で再現しようという試みはありませんでした。デジタルサービスの生みの親である企業や政府は、企業としての問題を解決することに努力を傾けてきました。そして、私たちが提供するものに段階的に対応できる限り、実際に個人が必要とするものは忘れてしまいました。つまり、私たちが構築するシステムは、個人のデジタルトランスフォーメーションの問題を解決するというよりも、むしろその原因となっているのです。なぜなら、それらは企業の観点からのみ一方的に構築されたものだからです。そこで私は、パーソナル・デジタル・トランスフォーメーションを実現するためには、人間のアイデンティティを、その輝きと繊細さのすべてにおいて、デジタルの世界に移すことが必要だと考えています。

さて、デジタル・リアリティがどのようなパターンで作られてきたのかを見てみましょう。私が提案するのは、ある現象を深く理解することから始まるということです。そして、私が「移調による移調」と呼んでいるものを実現するために、イノベーションが起こるのです。音楽で言えば、あるキーから別のキーに移すようなものです。ここでは、物理的な現実のある部分からデジタルの現実のある部分へと移動することです。そしてこのパターンは、全体的なデジタルの等価物につながります。つまり、デジタルオーディオについて考えてみましょう。

人々、科学者たちは、オーディオとは何かということを非常によく理解していました。オーディオが音波の一形態であることは知っていました。そして、それらの振幅をデジタルデータとして表現し、音の全体像に相当するものを作成することで、プロセスを逆にしてデジタルオーディオを作成することができるようにしたのです。その結果、今では5,000万曲の音楽をAmazonで月9.95ドルで購入できるようになりました。つまり、これは移調問題を解決するためのホリスティックなアプローチによって行われた基本的なことなのです。

しかし、インターネットの他の分野に目を向けると、この移調の問題は同様の方法で解決されています。単なるデジタルバンキングの場合を考えてみましょう。銀行という現象を深く理解している人たちから始まり、アナリストが入ってきて、プロセスや側面、再現しなければならないものを理解しました。そして、イノベーターたちが、何百万人、何億人、何十億人もの人々に利用してもらえるようなビジュアル体験を構築しました。

では、デジタル・アイデンティティについてはどうでしょうか。人間のアイデンティティが何千年も続いてきたことについての専門家はどこにいるのでしょうか?彼らは誰なのか?招待とは何か?イノベーションとは何か? 転置とは何か?ホリスティックなデジタルとは?

基本的に私は50年近くこのことを見てきました。科学者や社会学者、精神科医で同等の人を見つけるのは不可能です。唯一研究されているのは、基本的にアイデンティティー、つまり過去数百年の間に政府がアイデンティティーをどう扱ってきたかということです。それだけではなく、インターネット上でアイデンティティについての記事を読むと、デジタルアイデンティティについての記事を読むと、いろいろなことが書かれています。基本的に人々は言葉を作り、それを空から引っ張ってきたような方法で使っています。ですから、私たちは助けになるツールがあることに気づかなければならないと思います。日本の文化や中国の文化、その他の文化でも同じようなツールがあるのか知りたいですね。しかし、ヨーロッパでは、アイデンティティという概念は、実はフランス語から来ていると言われています。単純に英語だけではなく、ヨーロッパでの経験が研究されていて、オックスフォード・イングリッシュ・ディクショナリーではその詳細が紹介されています。

あなたは、英語の起源の詳細を研究することにそれほど関与していないので、その辞書を知らないかもしれません。しかし、実際には、定義だけでなく、これらの言葉が最初に文字として記録されて以来、時代を超えて使用されてきました。ですから、identityのようなものを調べれば、表現されていることに大きな知恵があることを理解することができるのです。この話は私のスライドに譲りますが、オックスフォード英語辞典の定義の本質であるこれらの概念は、非常に正確で重要であり、読む価値があります。

しかし、私はこの辞書の読み方を2つの概念に集約しました。1つは「Selfness」、もう1つは「Who-ness」です。つまり、Selfnessとは、人や物が常に同一であること、単一のものであるという状態、人が他の何かではなく自分自身であるという事実のことです。それが自己であり、Selfnessである。Who-nessとは、人について言われていること、その人の特徴、その人を認識する能力のことです。私はこれを「Selfness」と「Who-ness」と呼んでいますが、Kimはさっき言葉を作るべきではないと言ったばかりなのに、今度は言葉を作っている、と思うかもしれません。Selfnessという言葉は1574年に生まれました。そして、Who-nessという言葉は1611年に生まれました。人々は本当に長い間、これらの問題について考えてきました。

つまり、もっと簡単に言うと、Selfnessとは、その人の人生を通じたすべての属性と経験の集合体です。Who-nessは、個々の人間関係において共有するものです。

おそらく最も重要な概念は、この集合体は物理的な世界では決して見えないということです。人間関係の中にいる人たちは、全体を見ることはありません。あなただけが、起こったことすべてを見ることができるのは自己だけです。プライバシーとは、「Who-ness」が「Selfness」に変換できないという事実であり、それが私たちの個性を際立たせているのだと思います。

では、これらのコンセプトを現在のデジタル技術にどのようにマッピングするのか、という疑問をお持ちではないでしょうか。

真実は、私たちが持っているデジタルIDなのです。デジタルIDはまだありませんが、デジタルIDは今のところあります。これは、企業や政府の観点から見た「誰であるか」を示すものです。このプレゼンテーションの冒頭でお話したように、私たちは実際に「Who-ness」という点ではある程度の進歩を遂げています。しかし、「Selfness」を実現するための技術は、ほとんどありません。

つまり、個人のデジタルトランスフォーメーションの問題を解決するためには、デジタルトランスフォーメーションのためのMVPを行う必要があるのです。自分らしさのためのテクノロジーを構築するためには大規模な新築が必要ですし、Who-nessをSelfnessと両立させるためには大規模な改修が必要です。

企業が自動化されたように、自己は自動化されていません。イアンは、アクティブ・クライアントなどの概念でこのことを語っています。私たちは、自分の人間関係を記憶し、管理する必要があります。そのためには、デジタルテクノロジーが必要です。物理的な世界で起きているのと同じように、意識せずに認識の問題を処理するデジタル技術が必要なのです。私たちはお互いに会うことを意識していませんし、これはアイデンティティの関係であり、単なるアイデンティティの関係です。私たちのテクノロジーも同じように、この認識層を提供しなければなりません。私たちは、どのメーカーのデバイス間でも移動でき、何の変化も感じずに新しいデバイスを使うことができなければなりません。そして、デバイスメーカーが何をしたいかに関わらず、これらのことを行う必要性が非常に大きいため、プライバシーに関する問題があったように、強力な企業の虜になることなく複数のデバイスにまたがって自己を持つという問題を解決するために、社会や政府による介入が行われるだろうと断言します。人が歳をとったときに、サービスを使って自己の記憶を埋めることができるようにしなければなりません。サービスは彼らを導き、加齢の問題を引き継いで自動化し、彼らがデジタル世界の一部であり続けることができるようにします。そして、IDの認識の問題とクレームの特性の問題を切り離すという意味で、デジタルの世界は進化しなければなりません。そうすれば、すべてのID作業を意識する必要がなくなり、物理的な世界と同様の世界を実現することができます。

さて、この話を現在の技術に照らし合わせて具体的に説明しましょう。Who-nessではレイヤーを分離する必要があります 今日、OpenID (Foundation) Japanのミーティングに参加してとても嬉しかったのですが、OpenID (Foundation Japan)のリーダーたちはこの問題を完全に認識していて、ID技術を実際のクレームプロバイダ技術から分離することで、認識と明確な印象の問題を特性の問題から分離する作業をしていました。そして、私たちはこのようなものを持っています。ここでは、DIDs、OpenID SIOP、FIDO2など多くのイニシアチブがあります。特徴としては、2つの現象があります。1つは認証されたクレデンシャル、もう1つは集約された分散型のクレームです。ここで重要なのは、すでにパーソナル・デジタル・トランスフォーメーションの犠牲者となっている人々に、10の異なるテクノロジーを解き放たないことです。私たち技術者は、これらの技術の収束を図る必要があります。例えば、OpenIDを使用しているときに得られる重要な認識と、FIDOを使用しているときに得られる認識は、一方で確立されれば他方でも確立されるべきであり、また、自己の一部であることから、これらの異なる自己認識の方法の間で自動的に共有されるべきです。自分らしさという点では、私たちは重要な革新を行ってきました。それは、認証器という概念です。Googleはこの認証器という概念を導入したことで、非常に良い仕事をしました。Googleは素晴らしい仕事をしましたが、これは非常に原始的なもので、イアンが指摘したように、私たちは自己のためにもっと高度な技術を持つ必要があります。

そこで、私の結論を申し上げます。個人のデジタルトランスフォーメーションという形で、新幹線が私たちに向かって直進している。私たちはその到来を察知し、全体的なデジタルアイデンティティを進化させることで、その邪魔をしないようにする必要があります。OIDCは、今日ここで皆さんに祝っていただきましたが、最も有望な展開されたID技術であることは間違いなく、全体的なデジタル・アイデンティティにどのように適合させることができるか、試行錯誤する必要があります。そして、自己主権型アイデンティティ、OpenID Connect SIOP、FIDOは、個人のデジタル変革の問題を解決するために一緒に適合するように再考されるべきです。そうでなければ、事態を悪化させ、皆の時間とお金を無駄にするだけです。そのためには、かなり慎重に考えなければなりません。いくつか例を挙げましたが、長くなりすぎましたので、例は後でスライドを見たい方のために残しておきます。それでは、ありがとうございました。 


2021年1月17日日曜日

MATTRの分散型IDプラットフォームを触ってみる - その2

こんにちは、富士榮です。

前回に引き続きMATTRの分散型IDプラットフォームを触ってみます。

前回はプラットフォーム自体のセットアップとIssuer DID、VC(Verifiable Credential)の設定までを行いましたので、今回はWalletに対して実際にVCを発行するところまでをやってみます。

MATTRの基本的な考え方としては、バックエンドのプラットフォーム自体は認証やユーザ管理の機能を持たず外部のIdentity Providerと連携したIssuerを通じてVCを発行する、という形となっています。

公式ドキュメントではAuth0と連携したIssuerを作成し、VCを発行する仕組みが紹介されていますので、まずはこれをやってみたいと思います。

やるべきことは以下の3つです。

  • 外部OpenID Providerの構成
  • 外部OpenID Providerと連携したIssuerの定義を作成
  • 出来上がったIssuerでの発行リクエストをQRコードにしてWalletで読み取りVCを発行

順番にやっていきましょう。

外部OpenID Providerの構成

先に触れた通り、Auth0を使って構成します。
(ちなみに、Azure AD B2Cで構成しようとするとwell-knownまでのパスが深すぎてMATTR側でInternal Server Errorが出ます。リバプロなどでAzure AD B2Cをカスタムドメイン化して動かしてあげる必要があります。これは別のポストで今後紹介していこうと思います)

Auth0は普段使っているテナントがそのまま使えるので特に問題はありません。
やるべきことは、
  • アプリケーション(Client)を作成する
  • ユーザに発行すべきcredentialの型と値を属性として持たせる

の2点だけです。

まずはアプリケーション登録ですが、通常のRegular Web Applicationとしてクライアント定義をしていきます。


MATTR側に設定するために必要なのはclient_idとclient_secretのみなのでアプリケーションを作成したこれらの値をメモしておきましょう。

ちなみにredirect_uriについてはMATTR側でIssuer定義を行うと生成されますのでここでは設定しなくてもOKです。


次にユーザに必要な属性を設定します。これもAuth0側の設定となりますが、該当のユーザを開き、user_metadataとして属性と値を設定します。サンプルに従いこんな感じに設定します。

{
  "educationalCredentialAwarded": "Almuni 2020"
}


一旦はOpenID Provider側の設定はおしまいです。

Issuerの作成

次はMATTRのAPIを使って先のOpenID Providerと連携したIssuerの定義を行います。
やるべきことは、以下のデータを設定したJSONをエンドポイントにPOSTするだけです。
  • 前回のPOSTで生成したIssuer DID
  • 先に取得したclient_id、client_secret、OPのurl(内部的に.well-knownを取得しにいくのでドメイン名の部分まで)
  • 属性のマッピング
この辺りはMicrosoftの仕組みとほぼ同じですね。Rulesの定義の仕方もDIF(Decentralized Identity Foundation)で仕様化をしようとしているので、今後は統一されてくるのかもしれませんが。

以下がサンプルに書いてあるIssuer作成のリクエストです。

curl --request POST \
  --url https://tenant.platform.mattr.global/oidc/v1/issuers \
  --header 'Accept: application/json' \
  --header 'Content-Type: application/json' \
  --header 'Authorization: Bearer REPLACE_ACCESS_TOKEN' \
  --data '{"credential": {
             "issuerDid": "did:key:z6MkjBWPPa1njEKygyr3LR3pRKkqv714vyTkfnUdP6ToFSH5",
               "name": "University Attendance Credential",
               "context": [
                 "https://schema.org"
               ],
               "type": [
                 "AlumniCredential"
               ]
           },
           "federatedProvider": {
               "url": "https://example-university.au.auth0.com",
               "scope": [
                 "openid",
                 "profile",
                 "email"
               ],
               "clientId": "vJ0SCKchr4XjC0xHNE8DkH6Pmlg2lkCN",
               "clientSecret": "QNwfa4Yi4Im9zy1u_15n7SzWKt-9G5cdH0r1bONRpUPfN-UIRaaXv_90z8V6-OjH"
           },
           "claimMappings": [
               {
                 "jsonLdTerm": "alumniOf",
                 "oidcClaim": "alumni_of"
               }
           ]
          }'

結果、CallbackUrlを含むIssuerの設定情報が返ってくるので、この値をAuth0側のアプリケーション設定に追加します。

小さくてわかりにくいですが、Response Bodyの中にCallbackUrlが見えます。


WalletへVCを発行する

ここまででVC発行の準備は整いましたので、Walletアプリを使ってVC発行要求を読み込んでみます。

発行要求はこんなURLになるので、適当にQRコードにしてMATTRモバイルアプリで読み込ませます。
openid://discovery?issuer=https://tenant.platform.mattr.global/oidc/v1/issuers/983c0a86-204f-4431-9371-f5a22e506599
※この最後のIDは先に生成したIssuerのIDです。


QRコードを読み取ると左端の画像のようにCredential Offerとして表示され、ProceedをタップするとAuth0のログオンが要求され、成功するとCredentialを受け取流ことができます。



発行されたVCはこんな感じで中身の確認ができます。


全体に結構簡単でした。

今後はMicrosoftのVC基盤との連携や連携するID基盤としてAzure AD B2Cを使う、などのカスタマイズを入れていこうと思いますので、ネタが溜まってきたらまたご紹介させていただこうと思います。