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2013年12月18日水曜日

[FIM2010]いよいよ次世代へのロードマップが見えてきた

MIIS(Microsoft Identity Integration Server)からILM(Identity Lifecycle Manager)、ILMからFIM(Forefront Identity Manager)へと名前を変えてきたこのプロダクトですが、次の方向性がようやく見えてきました。

参考)FIMの歴史。以前.NETラボのセミナで使ったスライド


2013/12/17付けの Technet の Server & Cloud Blog で次の製品の方向性が発表されています。

 Important Changes to the Forefront Product Line
 http://blogs.technet.com/b/server-cloud/archive/2013/12/17/important-changes-to-the-forefront-product-line.aspx


blog によると、2015年の第1半期にメジャーリリースが出て、

  • Windows Azure Active Directoryとのハイブリッドシナリオ
  • ユーザとアクセス管理
  • 監査とコンプライアンス

というあたりがキーワードになりそうです。

追って詳細情報も出てくると思われるので、続報があれば書いていきたいと思います。


2013年10月18日金曜日

[MIIS/ILM/FIM]ついに MIIS2003 の延長サポートも終了

今でこそ Forefront ブランドになっている Identity Manager ですが、1999 年の Microsoft の Zoomit 買収から色々と名前を変えながら彷徨ってきています。

◆買収前史
1997年 Microsoft による LinkAge 買収。LinkAge Directory Exchange(LDE) を取り込む
1999年 Microsoft による Zoomit 買収。VIA を Microsoft Metadirectory Services(MMS)と改名

◆Microsoft Identity Integration Server(MIIS)時代
2003年 Microsoft Identity Integration Server(MIIS) 2003 発表
2005年 Microsoft による IdNexus 買収。Alacris を Certificate Lifecycle Manager(CLM)へ

◆Identity Lifecycle Manager(ILM)時代
2007年 Identity Lifecycle Manager 2007(MIIS2003SP2+CLM)発表

◆Forefront Identity Manager(FIM)時代
2010年 Forefront Identity Manager 2010(FIM2010)発表
2011年 Microsoft による BHOLD 買収。BHOLD Suite へ
2012年 Forefront Identity Manager 2010 R2発表


と、色々と変遷しているのですが、日本で初めて発売されたのが 2003年の MIIS2003 Enterprise Edition でした。
その MIIS2003 EE の延長サポートがついに 2013/10/8 で終了しました。Windows XP ももう少しで本当に終わりですが MIIS も終わりです(合掌)



公式リンク

2013年6月14日金曜日

[FIM2010] FIM ユーザ・グループが始動

流石に日本ではありませんが、オーストラリアの FIM MVP 仲間の Carol Wapshere さんと Bob Bradley さんがやっている「THE FIM TEAM 」という FIM 専門のコンサルティング団体が主催している THE FIM TEAM USER GROUP が立ち上がりました。

 THE FIM TEAM USER GROUP
 - http://thefimteam.com/fim-team-user-group/

メールを送れば誰でも参加できるので、日本の FIM 愛好家のみなさんは是非参加してみてください。

活動としては定期的なオンラインミーティングを予定しているということで、先日第1回が開催されたので早速参加してみました。
残念ながら朝早かったのと、Lync Attendee の調子が非常に悪かったので殆ど何もできませんでしたが、内容的には世界中の FIM User(というかインテグレーション側が多かった印象)がどうやって FIM を使っているのか?という情報を交換する、という感じだったので非常に参考になりました。

当日のレコーディングが YouTube にアップロードされていますので是非ご覧ください。


尚、イベントの中で何個かアンケートがあったので、回答を含め紹介します。
(Carol さんが blog で集計結果を公開しています)

◆本番環境で使っている FIM のバージョンは?
 ・MIIS 2003 : 4%
 ・ILM 2007 : 4%
 ・FIM 2010 : 12%
 ・FIM 2010 R2 : 15%
 ・FIM 2010 R2 SP1 : 65%

 意外とちゃんとバージョンアップしてるんですねぇ。

◆何個くらいのシステムとつないでいる?
 ・1-5 : 10%
 ・5-10 : 35%
 ・10-20 : 50%
 ・20以上 : 5%

 まぁそんなもんかと。

◆使っている同期ルールの種類は?
 ・クラシック(Rule Extension)のみ : 45%
 ・設定(Declarative)のみ : 15%
 ・両方 : 40%

 やっぱりコードレスプロビジョニングだけじゃ何ともならんということです。

◆どのくらいの数のアイデンティティを管理しているか?
 ・1,000以下 : 0%
 ・1,000-5,000 : 3%
 ・5,000-10,000 : 17%
 ・10,000-100,000 : 40%
 ・100,000以上 : 40%

 以外と大規模で使われてますね。数百万という話もチャットの中では出てきました。すごいですねぇ。

◆FIM にかかわる前の技術的なバックグラウンドは何?
 ・運用者 : 50%
 ・開発者 : 30%
 ・その他 : 20%

 やっぱり運用で使い始めて拡大していくパターンが多いんですかね。SIerではなく、ユーザ企業の情報システム部門が自力で実装するケースが多い海外ならではなのかと。

◆FIM にかかわる時間の割合は?
 ・20%以下 : 5%
 ・20-50% : 15%
 ・50-80% : 45%
 ・80%以上 : 35%

 まぁ FIM のグループですから・・・

◆どの FIM のコンポーネントを使っている?
 ・Sync Service
  ・本番環境 : 100%
 ・FIM Servie and Portal
  ・本番環境 : 80%
  ・テスト環境 : 10%
  ・使っていない : 10%
 ・Self Service Password Reset
  ・本番環境 : 55%
  ・テスト環境 : 15%
  ・使っていない : 30%
 ・Certificate Manager
  ・本番環境 : 12%
  ・テスト環境 : 3%
  ・使っていない : 85%
 ・BHOLD
  ・本番環境 : 15%
  ・テスト環境 : 35%
  ・使っていない : 50%
 ・R2 Reporting
  ・本番環境 : 17.5%
  ・テスト環境 : 17.5%
  ・使っていない : 65%

 FIM CM 人気ないですねぇ。。。BHOLD 以下とは。。


MVP の会合以外で中々 FIM の話をどっぷりと聞く機会もないですし、実際に使っている人の話は面白そうなので引き続き参加して情報を共有させてもらおうと思います。



2013年1月31日木曜日

ILM ブログ凍結・・・


一つの時代が終わったというか、、、Active Directory を含む Microsoft の ID 管理に少しでもかかわった人なら一度は見たことがあるはずの ADSI / IdM サポートチームの blog が凍結されました。

 管理者は見た! ~ AD と ILM 一家の秘密 ~
 http://blogs.technet.com/b/jpilmblg/




初めてのエントリが 2008 年 8 月 20 日と、この blog の開始直前(ちなみにこの blog は 2008 年 10 月開始)にオープンした blog ということで若干かぶり気味に、互いによりコアな?ネタを追い求めつつこれまでやってきたので非常に残念です。


ILM blog 第1回
 はじめまして。ADSI/ILM サポートチームです!
 http://blogs.technet.com/b/jpilmblg/archive/2008/08/20/adsi-ilm.aspx


  ※しっかりリンクを張っていただいておりました。


ちなみにこの blog の第1回
 早速始めてみます
 http://idmlab.eidentity.jp/2008/10/blog-post.html



何はともあれ、約4年半もの長い間お疲れ様でした!


2013年1月21日月曜日

[FIM2010]廃止される機能と将来に向けた計画


Forefront Identity Manager 2010 R2 向けの Service Pack 1 がリリースされたところですが、今後の Synchronization Service 機能のサポートに関する情報が Technet に掲載されています。

 Deprecated Features And Planning For The Future
 http://technet.microsoft.com/en-us/library/jj879229(v=ws.10).aspx

概要をピックアップしておきます。
カテゴリ廃止される機能と対応方針
Web Service 設定インターフェイス次バージョンで廃止され、PowerShell コマンドレットが提供されることになる
管理エージェントビルトイン管理エージェントFIM CM、Lotus Notes、SAP R/3 用の管理エージェントが次バージョンで廃止される
Lotus Notes、SAP R/3 用の管理エージェントは新バージョンのもので置き換えられる
ECMA 1/XMA で開発された管理エージェントECMA 2.0 で置き換えられる
FIM Sync Service プロセス外での管理エージェント実行廃止され、管理エージェントは Sync Service と同一プロセスで実行される
パーティションの表示名の設定機能自体はなくならないが、WMI インターフェイスに代替名を提供するためだけに利用される
実行プロファイル複合プロファイル(Delta Import / Sync、Full Import / Delta Sync、Full Import / Sync)は廃止されるので、プロファイルの中で複数ステップを定義する必要がある。
属性の優先順位同一優先順位(Equal Precedence)の廃止。例外として FIM Service MA を使う場合は Manual Precedence が提供されないので Equal Precedence を利用する必要がある
Join ルール任意のオブジェクトへの Join は不可へ。Join ルールを定義するときは明示的にメタバース上のオブジェクトタイプを指定する必要あり
属性フローエクスポートされる値に対する Allow Nulls のチェックボックスを外せない様に。現在の環境でチェックがされていることの確認が必要
Do not recall attributes の廃止。属性は必ず再確認される
ルール拡張プロセス外実行廃止され、FIM Sync Service と同一のプロセスで実行される
トランザクションプロパティーインバウンド、プロビジョニング、アウトバウンド同期の各プロセスの間でデータの受け渡しをしない形で構成する必要がある
ExchangeUtils:Create55* メソッドの廃止Exchange Server 5.5 へのオブジェクト作成機能の廃止
インターフェイス(Mms_Metaverse)次バージョンで ClmUtils クラスメンバはすべて廃止される

既存の FIM のデプロイにも影響があるので、現在 FIM2010 を利用している方は一読し、以後の対応について検討を開始しておくことをお勧めします。


2012年10月15日月曜日

[FIM2010] XMA/ECMA1.0 から ECMA2.0 へ


MIIS や ILM、無印 FIM 2010 時代からのユーザにとっては対応の検討が必要となる情報です。

これまで独自に管理エージェント(MA)を作成する場合に利用されてきたXMA(Extensible Management Agent)/ECMA1.0(Extensible Connectibity Management Agent 1.0)が今後は使われなくなり、最新のフレームワークである ECMA2.0 のみが使われていくことになりました。

With the release of ECMA 2.0, this feature has been depricated and will be removed in future versions. You should use the Extensible Connectivity 2.0 Management Agent Reference for Connector development going forward.
- http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ms698807(v=vs.100).aspx

製品から機能が実際に削除されたりサポートが終了するのは少し先になるとは思われますが、以前のフレームワークで開発をしたモジュールを今のうちに ECMA2.0 に対応させていく計画の立案、および可能な限り早い段階での着手をしておく必要がありそうです。

ちなみに私の作成している FIM 用 GoogleApps 管理エージェントは以前の ECMA1.0 版から ECMA 2.0 版へ作り変えが完了しています。
一緒にソースコードも公開しているので、これから ECMA2.0 を使う人は参考にしてみてください。

 FIM 2010 GoogleApps MA
 - http://fim2010gapps.codeplex.com/

尚、現在バグフィックスおよび機能追加(プロキシ環境での動作、PCNSでのパスワード同期)をしている最中なので、もうすぐ更新版をリリースできると思いますので、ぜひ使ってみてください。

2012年2月29日水曜日

FIM 2010 Update Rollup 2 がリリース


今ちょうど MVP Global Summit 2012 に参加するためにシアトルに来ているのですが、そんな最中 FIM 2010 の Update Rollup 2 がリリースされました。

Microsoft Update を経由して「重要な更新」として提供されるため、既存の FIM ユーザは適用が推奨されます。

修正内容は以下の通りです。
・ECMA 2.0 ( Extensible Connectivity Management Agent 2.0 Framework ) のサポート
・動的グループメンバシップや条件ベースのセットメンバシップにおける特定環境下におけるパフォーマンス問題の改善
・先の HotFix での SQL ワイルドカード問題のリバート(もとに戻りました)
・その他の問題の解消

※ダウンロードおよび詳細は以下 URL から。
 http://support.microsoft.com/kb/2635086/en-us

大きな点としては、議論を呼んだ先の HotFix の内容を元に戻した点とついに ECMA 2.0 を正式にリリースした点ですね。
先のポストでも紹介しましたが、今後の MA はすべて ECMA 2.0 ベースで開発されることになると思われますので、早い段階で新しい MA の考え方に慣れ親しんでおいた方が良いかと思います。

Global Summit の内容そのものは NDA なので何も書けませんが、情報がオープンになったものから順番に今後も紹介していきます。

ではでは。(時差で眠い)

2011年12月6日火曜日

[Office365] ディレクトリ同期ツールの64bit版はFIM2010のビルド5.x


先日のエントリで 64bit 版のディレクトリ同期ツールがリリースされたことを書きましたが、ようやくインストールする時間が取れたので少し構造を見てみました。

やり方としては非サポートですが、前回ベータ版で行った方法(Synchronization Server の管理コンソールを直接起動)です。

ベースとなっている物のバージョンですが、前回は Identity Lifecycle Manager 2007 FP1 がベースでしたが、64bit 化に伴い、 Forefront Identity Manager 2010 がベースになっています。

ビルドを見てみると、ビルド番号は 5.0.227.2 となっています。





































ん?5.x
これまで FIM2010(Synchronization Service)のビルドは 4.x (無印は 4.0.x、R2 は 4.1.x)でした。

参考)現状の FIM2010 のビルド一覧
4.0.2592.0 RTM
4.0.3531.2 http://support.microsoft.com/kb/978864
4.0.3547.2 http://support.microsoft.com/kb/2028634
4.0.3558.3 http://support.microsoft.com/kb/2272389
4.0.3561.2 http://support.microsoft.com/kb/2443871
4.0.3573.2 http://support.microsoft.com/kb/2417774
4.0.3576.2 http://support.microsoft.com/kb/2502631
4.0.3594.2 http://support.microsoft.com/kb/2520954
4.1.1906.0 R2 RC


ちなみにこれは歴史を振り返ると
・Zoomit VIA (マイクロソフトによる買収前) / 流石にビルドバージョンは知らない。。。
・Microsoft Metadirectory Server 2.x (日本未発売) / Build 2.x
・Microsoft Identity Integration Server 2003 / Build 3.x
・Identity Lifecycle Manager 2007 / Build 3.x
・Forefront Identity Manager 2010 / Build 4.x
という形で内部バージョンを持っていました。

ここで 5.x が本流の FIM とは別の流れで出てしまった、という事実は次の FIM のメジャーバージョンアップに何か影響があるのでしょうか。。。
まぁ同期のアーキテクチャは既に10年以上もほぼ変わっていないので、そろそろ別のものに??もしくは打ち止め??などと想像してしまいます。

2011年11月19日土曜日

Office365 ディレクトリ同期ツールの64bit版がリリース


長らく課題だった「Office365のディレクトリ同期ツールが32bit環境でしか動作しない」件にようやく決着がつきました。
参考)以前のポスト:ディレクトリ同期ツールを使って Office365 へのユーザ同期を行う

中身は9月のセミナで少し話したようにILM2007FPベースからFIM2010ベースになったようです。
ネタ元:http://msgeneral.blogspot.com/2011/11/64-bit-support-directory.html
     http://community.office365.com/en-us/w/sso/555.aspx


ダウンロードは管理ポータルからできます。












しかし、11/19現在日本語版のディレクトリ同期ツールのダウンロードが出来ません。サポートに通報しておいたのでそのうちダウンロード出来る様になるとは思いますが。。。
# 11/26 正常にダウンロード出来る様になったのを確認しました。




















尚、32bit版からのアップグレードですが、当然64bitOS上で動くので新規に64bitの環境を用意する必要がありますので、そのままアップグレードすることはできません。新規に64bit版をインストール・設定するときは32bit版の同期ツールをアンインストールする(もしくは止めておく)ことが必要です。
モジュールが入手できるようになったらもうちょっと詳しく試してみたいと思います。

これであとはFIM2010用の独立した管理エージェントとしてのリリースがされれば念願のマルチフォレスト対応なども実現すると思いますので、引き続き要ウォッチです。

2011年10月6日木曜日

Omada Workflow Builder for FIM2010

先日は Microsoft による BHOLD 買収のニュースが FIM 界隈では騒がしかったのですが、BHOLD と並んで FIM のアドオン・ソリューションを販売している会社がこの OMADA です。

昔からこの会社は MIIS / ILM のアドオンや関連ツールを作っていたのですが、今回は FIM のワークフロー機能を活用するためのツール「Omada Workflow Builder for FIM 2010」をリリースしました。これも BHOLD の製品群と同じく FIM に不足している IAG(Identity and Access Governance)を実現するためのアドオンです。
プレス・リリースやデータ・シートを見ると、以下がポイントだそうです。

・Utilizes the workflow foundation in FIM to drive business processes
・Business workflows are launched in the FIM portal
・Built on native FIM elements such as sets, MPR's, and FIM objects
・Forms are web-based built on FIM 2010 RCDC's
・Data is stored in the FIM 2010 dynamic data model that stores the data for any request process in the dedicated object type in FIM 2010

また、特徴的な機能として以下が挙げられています。
・Graphical overview of workflow definition
・Automated publishing from central GUI into FIM 2010 facilitates deployment across Dev, Test, QA environments
・Automated business workflow validation
・Advanced business workflow configuration with loopback and dynamic rendering of forms based on tailored
process steps
・Escalation functionality with reminder emails
・Channelling of tasks for immediate feedback and acceptance from business users for fast prototyping
・Option of a variation of forms per FIM object
・Dynamic forms for task forwarding processes
・Forms handling incl. management of field validations
・Manual activities assigned to allocated users ? each
manual activity is supported by a tailored form
・Option to save tasks in draft state

基本的に FIM のワークフロー機能は Windows Workflow Foundation で構成されているので作ろうと思えばカスタム・ワークフローを作ることもできるのですが(というか特に日本のような環境ではほぼ確実にカスタマイズ)、このようにあらかじめ必要な機能が用意されていると確かに工数の削減や迅速なシステムの立ち上げを行うことも可能かもしれません。

BHOLD もそうですが、このように製品を補完する製品群を含めたエコシステムで成り立つ仕組みがもう少し日本でも出てくればなぁ、、と思ってしまいます。
日本のお客さんは保守サポートの一本化に関するニーズが強かったり、製品を複数買うことでライセンス費用がかさんだり、、と色々と問題はあるとは思いますが、、、orz

2011年9月24日土曜日

Microsoft が BHOLD を買収

次期リリースである 2010 R2 がようやく見えてきた Forefront Identity Manager ですが、実はその後の機能拡張の方向性ってあんまり明確じゃないんです・・・。

と、ここに来て Microsoft の BHOLD の買収のニュースが流れてきました。
 http://www.microsoft.com/pathways/bhold/default.htm


この BHOLD という会社ですが、これまでも FIM 2010 用のレポーティングツールである BHOLD Reporting for Microsft Forefront Identity Manager 2010 を出していたり、BHOLD Attestation や BHOLD Controls for IT Auditors などといった監査系のソリューションを強みにしている会社です。

まだ具体的にどのような機能が FIM に統合されていくのかについては「More information will be disclosed at a future date.」とのことですが、買収発表のページに現在の BHOLD 製品が FIM にアドオンとして、
・Managing access rights of people by role to achieve business goals while minimizing risk
・Increasing end user productivity through self-service role management and access recertification
・Aiding in risk management and GRC initiatives with respect to identities and their associated access rights
といった機能を提供していることが紹介されていますので、このあたりの機能は最低限盛り込まれていくことになるのでは?と思います。

2010 R2 での System Center Service Manager でのレポーティング機能の提供に加えて、BHOLD の持つテンプレートや Attestation 機能が盛り込まれれば、ようやく一通りの機能がビルトインされた製品スイートとして完成されていくことになる気がしますw

気になるのは、価格がどうなるか、そして、どんどん必要なサーバ台数が増えること、ですね。R2 での SCSM 統合にしても使おうとすると別に DWH サーバが必要になったりするのがハードルを上げてしまってると思いますので。

2011年7月28日木曜日

FIM 2010R2 ベータ版リリース

昨年冬頃からクローズド・ベータの評価をしていた Forefront Identity Manager 2010 ( FIM 2010 ) の次期リリースである FIM 2010 R2 のベータ版が connect サイトにアップロードされています。(利用するには登録が必要です)

今回のリリースでは、以下の点が強化されています。
・レポーティング
・Webベースでのセルフ・サービス・パスワード・リセット(SSPR)
・FIMデータベースのパフォーマンス改善
・FIM Add-In の Outlook 2010 サポート
・Sharepoint 2010 のサポート
・トラブルシューティングの改善

また、同時に Extensible Connectivity 2.0 Management Agent (ECMA2)のベータ版もリリースされています。
これはクローズド・ベータのころは EZMA と呼ばれていたものなのですが、要はカスタム MA を開発するためのフレームワークです。( MIIS/ILM 時代の XMA、FIM2010 の Management Agent for Extensible Connectivity )

機能としては以下の様なものが挙げられています。
・file-base の import/export
・call-base の import/export
・カスタムパラメータを柔軟に設定可能
・Synchronization Manager上で簡単に設定するためにデザインモードおよびパッケージモードの2つのモードで動作
・LDAPとデータベースの拡張スキーマをサポート
・一括エクスポートとインポートをサポート
・複数のパーティションをサポート
・Visual Studio用のプロジェクトテンプレートを提供

最近なかなか実際に試す時間が取れていないのですが、新機能が沢山あるのでいろいろと試さねば、、です。

2011年7月24日日曜日

MCTS:Forefront Identity Manager 2010, Configuring

少し前にUSのMCTS試験チームからアンケートがあり、FIM2010のMCTS試験が始まることは知っていたのですが、ようやくベータ版試験が提供され始めたようです。(といっても日本のプロメトリックからは申し込めませんが。。。)

71-158, TS: Forefront Identity Manager 2010 beta

7/15から8/4限定の申し込みのようですので、もしベータ試験の提供されている地域に住んでいらっしゃれば申し込んでみては?

ちなみに試験準備ガイドも提供されています。
http://www.microsoft.com/learning/en/us/Exam.aspx?ID=70-158&Locale=en-us#tab3

内容は以下の通りです。
Planning a FIM Implementation and Installing FIM
  • Plan and design FIM topology.
    • This objective may include but is not limited to: identify single point of failure; match topology to performance requirements; capacity planning; design highly available implementations for FIM Service and Portal
  • Install the FIM Service and the FIM Portal.
    • This objective may include but is not limited to: Microsoft SharePoint web configuration; service account permissions; prerequisites; certificates; groups
  • Upgrade Microsoft Identity Integration Server (MIIS)/Microsoft Identity Lifecycle Manager (ILM) to FIM 2010.
    • This objective may include but is not limited to: plan for upgrade; recompiling extensions; upgrading SQL databases; upgrading third-party clients
  • Deploy and manage client components.
    • This objective may include but is not limited to: automated installs; client images; multilanguage support installation; plan for configuration of Microsoft Outlook for group management (Outlook plug-in for approvals and group management); use Group Policy objects (GPOs) to manage FIM client components; registry settings on client machines
  • Implement disaster recovery for FIM 2010.
    • This objective may include but is not limited to: backup and restore; FIM Service, FIM Portal; Sync Service; initial load scenarios; key backup and recovery
Planning and Configuring Core Portal Functionality
  • Plan and configure user and group provisioning.
    • This objective may include but is not limited to: provisioning to Active Directory; deprovisioning; data-driven provisioning and deprovisioning; configure Management Policy Rules (MPR) /workflow/sync rule triples required for provisioning in the portal; expected rule entries; detected rule entries; workflow parameters
  • Plan and configure group management.
    • This objective may include but is not limited to: configure dynamic groups (query-based) in the portal; owner-based groups and approvals; distribution groups; security groups
  • Plan and configure synchronization rules.
    • This objective may include but is not limited to: inbound and outbound sync rules; create objects in metaverse using declarative rules; advanced attribute flows; relationships
  • Plan and configure authorization and action workflows.
    • This objective may include but is not limited to: configure approvals including multiple approvals and escalations; notifications; deploying and configuring custom workflow activities
  • Plan and configure security permissions and Management Policy Rules (MPRs).
    • This objective may include but is not limited to: delegated administration; plan and implement user profile self-service; plan and implement group self-service; temporal objects; sets and set membership
Configuring Advanced Portal-Based Scenarios
  • Configure the Resource Control Display Configuration (RCDC) for object and attribute display.
    • This objective may include but is not limited to: RCDC capabilities; validations; attribute permissions; data sources and data binding; form controls
  • Customize the user experience.
    • This objective may include but is not limited to: search scopes; menu navigation items; organizational branding; home page configuration; create and configure email templates; usage keywords
  • Extend the portal schema.
    • This objective may include but is not limited to: resource types; attributes; bindings; schema validation; synchronization filter
  • Plan and configure self-service password reset and registration.
    • This objective may include but is not limited to: authentication workflow for password reset and registration; QA gates; case sensitivity; lockout gates; password reset action workflow activity
  • Write and interpret XPath queries.
    • This objective may include but is not limited to: create valid FIM XPath filters; reference objects and attributes; filters; conditions
Configuring FIM Synchronization
  • Create and configure standard management agents (MAs).
    • This objective may include but is not limited to: SQL Server MA; Certificate Management MA; Active Directory MA; file-based MAs; difference between call-based and file-based MAs; attribute flows; filters; projection rules; join rules; deprovisioning rules
  • Create and configure the FIM Service MA.
    • This objective may include but is not limited to: resource type mapping; Synchronization Rule filter; understand the constraints of the FIM MA; attribute flow
  • Configure the metaverse.
    • This objective may include but is not limited to: plan precedence; extend the schema; object deletion rules
  • Create and automate run profiles.
    • This objective may include but is not limited to: clearing run history; multistep run profiles; run sequencing
  • Implement rules extensions.
  • Install and configure password synchronization and Password Change Notification Service (PCNS).
    • This objective may include but is not limited to: configure Active Directory MA; install services on domain controllers; schema changes related to PCNS; service principal names
Monitoring and Maintaining FIM
  • Migrate the FIM configuration between environments.
    • This objective may include but is not limited to: FIM portal configuration; DLLs and code; synchronization service server configuration; run scripts and automation tools; PowerShell scripts; how to move configurations from development to test to production
  • Perform root cause analysis of provisioning issues.
    • This objective may include but is not limited to: issues with management policy rules, set definitions, workflows, and expected rule entries; misconfiguration of synchronization service server; coexistence of classic provisioning and declarative provisioning; result sequence
  • Perform root cause analysis of issues related to password management.
    • This objective may include but is not limited to: issues with password synchronization and; self-service password reset; requirements for registration; end-to-end process
  • Perform root cause analysis of issues related to data flow and unexpected data.
    • This objective may include but is not limited to: data discovery issues; join issues; filter issues; run profile issues; threshold issues; Stack trace; precedence issues; object deletion rules
  • Perform root cause analysis of permissions issues.
    • This objective may include but is not limited to: MPR definitions; set definitions; portal permission errors; service account permissions; provisioning issues; synchronization service server roles

2011年5月16日月曜日

FIM2010 R2 の 評価プログラム

昨年リリースされた Forefront Identity Manager 2010 ですが、そろそろ次バージョンである R2 の準備が整ってきているようです。

NDA ベースの話なので詳細は書けませんが、少し前からクローズドベータに関しては私も触らせてもらい、簡単な検証やフィードバックなどをさせてもらってきましたが、先日から CEP ( Community Evaluation Program ) も開始され、一般に評価プログラムが公開、募集されています。

- CEP 募集ページ



















応募締切りが今月末なので、あと2週間ほどですが興味のある方(と言っても企業が対象ですが)は応募してみてはいかがでしょうか?

2011年5月12日木曜日

FIM 2010 Hotfix 情報の RSS Feed

製品の Hotfix 情報って結構集めるの大変ですねよ。
そんな方に Forefront Identity Manager 2010 の Hotfix のリリース状況が RSS Feed で提供されています。

Techet の FIM 製品ページ
http://technet.microsoft.com/en-us/forefront/cc470030.aspx


















画面右側に FIM 2010 Hotfixes という項目があり、RSS で更新情報を取得できるようになっています。
http://services.social.microsoft.com/feeds/feed/FIM2010_Hotfixes

まぁ、そんなに大量にリリースされるものではありませんが、RSS Reader に登録しておくと良いかもしれません。

2011年4月15日金曜日

ディレクトリ同期ツールを使って Office365 へのユーザ同期を行う

# はじめに
# ベータ版の Office365 をベースに実験した結果ですので正式版で使える情報とは限りません。


前回は AD FS2.0 を使った Office365 とのフェデレーションの話でしたが、今回はディレクトリ同期を使ったオンプレミスの AD DS と Office365 のアカウント同期についてです。

まずはディレクトリ同期ツールをオンプレミス側にインストールする必要があるのですが、条件が少々あります。これは後からも書きますがこのディレクトリ同期ツールの正体が Identity Lifecycle Manager 2007 FP1( ILM 2007 FP1 ) だからです。。(たぶん)

■インストール要件
・OS
 Windows Server 2003 / 2003 R2 / 2008
 32bit版
 ドメインに参加しているサーバ(ドメインコントローラ以外)
・必要な機能
 .NET Framework 3.5.1
 PowerShell


では、さっそくインストールと設定をしてみます。(モジュールは Office365 のポータルからダウンロードできます)

■インストール
インストーラを起動するとセットアップウィザードが起動するので基本はそのままセットアップを行います。















■設定
インストールが完了したら構成ウィザードを使って設定を行います。
[構成ウィザードを今すぐ開始する]にチェックを入れて[完了]をクリックします。















構成ウィザードが起動します。















ここで Microsoft Online Services 管理者の情報を入力すると同期設定が開始されるのですが、開始前に Office365 側のディレクトリ同期をアクティブ化する必要があります。アクティブ化を行っていないと以下の様なメッセージが出て構成が開始できません。









Office365 側でのディレクトリ同期のアクティブ化は管理ポータルから実施します。
[管理]→[ユーザー]メニューから「 Active Directory 同期 」のセットアップを行います。












セットアップ画面の中の3番目に「 Active Directory 同期をアクティブ化する 」というメニューがあるので [ アクティブ化 ] をクリックします。





























構成ウィザードに戻り、先ほどの Microsoft Online Services 管理者の情報を入力すると今度は Active Diretory の資格情報を入力する画面が出てきますので、Active Directory の管理者権限のあるユーザ情報を入力します。















構成が終わると、自動的にディレクトリ同期が3時間おき開始されます。尚、その場ですぐに同期を実行したい場合は [ ディレクトリを今すぐ同期する ] にチェックを入れてウィザードを完了します。















ただ、ここで1点注意なのですが前回のポストで紹介した UPN を変更せずに AD FS2.0 とのフェデレーションを行う場合はディレクトリ同期をまだ開始しないでください。デフォルトではやはり UPN 情報が同期されてしまいますので、次に同期設定を変更します。
(これも同じくサポートされない可能性があるので注意が必要です)

■同期設定のカスタマイズ
先にも書きましたがディレクトリ同期ツールの実体は ILM 2007 FP1 です。ということで ILM 2007 の管理画面( Identity Manager ) から同期設定をカスタマイズするのですが、ディレクトリ同期をインストールしてから一度もログアウトしていない場合は、一旦ログオフします。( ILM / FIM を使っている方はわかると思いますが、 MIIS Admin グループにインストールしたユーザが登録されるのですがログオフ / ログオンを行わないと権限が反映されないためです )

再度ログオンをしたら、Identity Manager を起動します。
デフォルトでは
C:\Program Files\Microsoft Online Directory Sync\SYNCBUS\UIShell
以下にインストールされます。
実行ファイル名は miisclient.exe です。

Identity Manager を起動して Management Agent メニューを起動すると
・TargetWebService
・SourceAD
という2つの Management Agent が自動的に作成されているのがわかります。








今回は Active Directory の UPN ( userPrincipalName ) 属性ではなく、電子メールアドレス ( mail ) 属性を Office365 のログイン ID として使いたいので Office365 に対して UPN を渡している部分で電子メールアドレスを渡すように変更します。

変更手順は TargetWebService を選択した状態で右側の Action メニューの Properties をクリックします。すると Management Agent の設定画面が起動してくるので、 Configure Attribute Flow を選択して user オブジェクトの設定を開きます。
各種属性のマッピングルールが定義されている箇所から userPrincipalName を設定を見ると確かに MetaVerse の userPrincipalName を同期する形になっています。(尚、この MetaVerse の userPrincipalName 属性はもう一つの Management Agent の SourceAD の Attribute Flow 設定で Active Directory の userPrincipalName 属性がマッピングされています)
















この MetaVerse 側のマッピング属性を mail に変更することで Office365 に渡される userPrincipalName 属性の値に Active Directory の mail 属性の値を入れることが可能になります。
まずは、 MetaVerse 側の属性から mail を選択します。
















このマッピングの Type が Rule Extension となっているので [ Edit ] ボタンをクリックして Rule Extension を変更します。 Flow rule name のテキストボックスに入っている文字列を以下の様に変更します。
「 cd.generic.string.trim:userPrincipalName:userPrincipalName

「 cd.generic.string.trim:userPrincipalName:mail













これで、OKを押して Management Agent の設定を保存すれば同期設定のカスタマイズは完了です。


■同期する
さて、実際にユーザーを同期してみます。
3時間待っても良いのですが、ここでは手動で同期を実行します。
これも Identity Manager の画面から実行することになります。

実行のステップは以下の通りです。対象の Management Agent を選択して Action メニューから Run Profile を選択して実行します。
1.SourceAD / Full import and full sync
2.TargetWebService / Full confirm import
3.TargetWebService / Export
※2回目以降は Full となっている部分が Delta となっているプロファイルを選択します。この辺りは MIIS / ILM / FIM の話と同様です。


実行がうまく行くと、
C:\Program Files\Microsoft Online Directory Sync\SYNCBUS\MaData\TargetWebService
以下にexport.txtというファイルができるので内容を確認すると

version: 1

dn: CN={61537477396F527452454731677A395550362B5A70773D3D}
changetype: add
objectclass: user
CommonName: Fujie Naohiro
Surname: Fujie
accountEnabled: TRUE
countryCode: 0
displayName: Fujie Naohiro
givenName: Naohiro
mail: nfujie@adfs20.net
sourceAnchor: aStw9oRtREG1gz9UP6+Zpw==
userPrincipalName: nfujie@adfs20.net

という様な形で同期するユーザのエントリ情報が出力されています。

ここまで行けば Office365 の管理ポータルのユーザー一覧を見るとユーザが追加されているはずです。
ユーザの表示名の左側のアイコンが同期マーク?になっていれば Active Directory から同期されたユーザです。











同期が完了したらユーザにライセンスを割り当てれば AD FS2.0 でのフェデレーションでログインができるようになっているはずです。


また、一部のOUのユーザのみを同期する方法を MVP 国井さんがまとめているのでこちらも参考にしてください。
http://sophiakunii.wordpress.com/2010/10/18/bpos%E3%81%A7%E4%B8%80%E9%83%A8%E3%81%AE%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%81%A0%E3%81%91%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E5%90%8C%E6%9C%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9/

2011年2月2日水曜日

[FIM2010]一般ユーザ権限でセキュリティグループを管理する

FIM2010の大きな特徴でもあるグループ管理機能も実はデフォルトでは殆ど無効化されているので色々と手を加えてやる必要があります。

以下が一般ユーザでFIMポータルにログインした際の初期画面です。











見ての通り、配布グループについては表示されていますが、セキュリティグループについては表示すらされていません。(実は配布グループについても画面表示はされていても実際に作成をしようとするとアクセスが拒否されてしまうので、そのままでは使えません)

この状態から一般ユーザが自身でセキュリティグループの管理ができる状態にするためには以下のステップを踏む必要があります。
・画面に操作メニューを表示する
・セキュリティグループを管理する権限を付与する

それぞれを解説していきます。

■画面に操作メニューを表示する
まず、画面のカスタマイズです。

FIMポータルの画面の中のユーザメニューに関連する部分は
・ナビゲーションバー
・ホームページ
で構成されています。












それぞれに何を表示するか、についてはAdministratorでログインした場合にポータルの右側に表示される管理メニューより対応するリソースのカスタマイズを行います。


















では、どうすればホームページやナビゲーションバーに各機能が表示されるか?ですが、これは少しわかりにくいのですが、各リソースの「使用法キーワード」に「BasicUI」という文字列を入れることで表示されます。

ナビゲーションバーリソース
















ホームページリソース

















ここまで設定をすると一般ユーザのポータルにもメニューが表示されます。(すぐに画面に反映させたい場合はiisreset等でIISを再起動してください)














次は表示されたメニューを実際に使えるようにします。

■セキュリティグループを管理する権限を付与する
先の配布グループの件もそうなのですが、一般ユーザがセキュリティグループを管理できないのは以下の2点が原因です。
・関連する管理ポリシー規則(MPR)がデフォルトでは無効化されている
・関連する管理ポリシー規則の申請元として定義(許可)されているのがAdministratorsのみである

それぞれを解消して行きます。

まず、管理ポリシー規則の有効化です。
対象となる管理ポリシー規則は「Security Group xxxx」という表示名のものです。検索ウィンドウに「Security」と入れて検索すると対象のもののみが表示できるので便利です。
それぞれの管理ポリシールールを開いて[無効化]のチェックを外して保存すればOKです。








次に、管理ポリシー規則を利用するための権限の付与です。
デフォルト状態を見てみるとセキュリティグループ管理を行うための管理ポリシー規則の申請元として定義されているのは「Security Group Users」というセットです。
このセットの定義をみるとメンバとなっているのはAdministratorsに属するユーザのみとなっているので、ここに一般ユーザも追加することで権限を与えることが可能です。


















さて、それなりに長い道のりでしたがここまで設定を行ってようやく一般ユーザでもセキュリティグループを管理することができるようになりました。
(もちろんFIMで作ったセキュリティグループをActive Directoryへ反映させるには別途管理エージェントの設定や同期規則の設定が必要です)

2011年1月23日日曜日

[FIM2010]有効かすべき管理ポリシー規則(MPR)のチェック

何度やってもインストールは難しい(真面目にパーミッションやトポロジを考えると)し、インストールしただけでは何にもできないFIM2010ですが、その中でももっとも判断に迷うポイントの一つが「どの管理ポリシー規則(MPR)を有効化すべきか?」だと思います。

そもそもデフォルト状態では一般ユーザではポータルアクセスもできないし、セキュリティグループへの参加もできない、という状態なのでプロジェクトを進める中で「誰に何を許可するか」を管理ポリシー規則として設定していくことになるのですが、ここでは最も一般的な操作をする際にまず有効化すべき規則の状態をチェックする方法を書いておきます。

・デフォルトではポータルにアクセスすらできない















チェック用スクリプト(PowerShell)
http://social.technet.microsoft.com/wiki/contents/articles/how-to-use-powershell-to-check-your-mpr-configuration-for-synchronization.aspx

このスクリプトは実行時に構成されているオブジェクトタイプ(ユーザのみなのか、グループも対象なのか)を判別し、その時点の管理ポリシー規則の状態と一般的に必要な状態の差分を洗い出して不足している設定を教えてくれます。

たとえば、ユーザの同期を行う様な構成をしただけの状態でスクリプトを実行すると、

FIM MPR Configuration For Synchronization Check
===============================================
MPRs that need to be enabled:
-General: Users can read non-administrative configuration resources
-User management: Users can read attributes of their own
-Synchronization: Synchronization account can read group resources it synchronizes
-Synchronization: Synchronization account controls group resources it synchronizes

という形で4つの管理ポリシー規則を有効化する必要があることを教えてくれます。

この情報をもとに管理者ポータルからポリシーを有効化します。
















修正後、再度実行すると

FIM MPR Configuration For Synchronization Check
===============================================
Your current MPR configuration meets all requirements

という形で修正は必要ない、と言われます。

この状態であればポータルへもアクセスできます。














管理対象やポリシーが変わった時は都度このスクリプトを実行して状態をチェックしてみるとよいかもしれません。

[FIM2010]管理エージェントの情報が管理者ポータルに出てこない

久しぶりにFIM2010ネタを。

FIM2010ではMIIS/ILMから引き続き管理エージェント(MA)を使った同期設定・実行を行うFIM Synchronization Serviceとポータル等のWebサービスを管理するFIM Serviceの2つのサービスが稼働しています。

同期対象のリソースを設定する際は、
1.Synchronization Service Managerで管理エージェントを作成する
  →同期対象のリソースへの接続設定等を行う
2.管理者ポータルで同期規則、ワークフロー、管理ポリシー規則を作成する
  →細かな同期条件や属性フロー設定等を行う
という流れになります。

当然1のSynchronization Service Manager(Synchronization Service側)で作った管理エージェントの設定情報が2の管理者ポータル(FIM Service側)に同期されていないと同期規則を正しく設定できません。

正しくシステムが動作している時は2つのサービスの間で管理エージェントの情報のレプリケーションが実行されているのですが、過去に2回ほどいくらSynchronization Service Managerで管理エージェントを作っても管理者ポータルから見えない、という状態になったことがあります。

その状態になった時はイベントログに以下の様な情報が記録されます。

****************************************
管理エージェントまたはメタバースの構成の更新内容を、ターゲットのコネクターディレクトリにレプリケートできませんでした。その結果、このコネクターディレクトリーの管理エージェントまたはメタバース構成は最新の状態ではありません。 エラーの原因である状態を解決して、ターゲット管理エージェントのパスワード情報を更新するこ とで、再同期が行われるようにしてください。

追加情報:
エラー コード: 0x80230709
エラー メッセージ: (The extension operation aborted due to an internal error in FIM Synchronization Service.)
操作: Update MA
レプリケート対象の管理エージェントの名前: AD MA
レプリケート対象の MA の GUID: {C7DB5C1A-8D98-4F1A-8AFE-8C2E198DADEF}
ターゲットの MA の名前: FIM MA
ターゲットの管理エージェントの GUID: {8676CD7A-9ADA-455C-9363-714FAE21CC6D}
****************************************

原因は2つのサービスの間で情報のレプリケーションがうまくいっていないことなのですが、どうやって解消するのか調べているとこんなページが出てきました。

http://idamd.blogspot.com/2010/06/ma-attributes-not-listed-in-fim-sync.html


どうもうまくいっていないようです。再インストールしかないのか?と思いもう少し調べていると以下のKBにたどり着きました。

Update Package 1 for Microsoft Forefront Identity Manager (FIM) 2010
http://support.microsoft.com/kb/978864

要するにFIM ServiceとFIM Synchronization Serviceのパッチのバージョンを合わせる必要があるとのこと。

いわれてみれば当たり前なのですが、はまりポイントはMicrosoft Updateを使う場合、
・FIM Serviceのパッチは重要な更新
・FIM Synchronization Serviceのパッチはオプション更新
である点です。

つまり、Synchronization Service側のパッチは明示的に選択しないとインストールされないので両者の更新状況にズレが発生してしまいます。

運用するうえでは気を付けないといけませんね。

ちなみにSynchronization Service側も更新したら正常にレプリケーションが開始され、ちゃんと管理エージェント情報が管理者ポータルからも参照できるようになりました。

2011年1月3日月曜日

インフラエンジニアにとってのアイデンティティ管理 ~「.NET開発テクノロジー入門」を読みつつ

一般的にアイデンティティ管理や認証と言ったキーワードは開発者ではなくインフラ屋さんの領分だと認識されていると思います。しかし選択する製品に関わらず実際に取り組んでみると業務やシステムの棚卸しやデータフローの設計、インターフェイスプログラムの開発など一般的なサーバやネットワークなどのインフラを構築するのとはかなり違ったアプローチやスキルが要求される事が分かります。
一方開発者サイドから見るとアイデンティティとかセキュリティなどはあくまで非機能要件にカテゴライズされてしまうため、範疇外として敬遠されてしまいがちです(勿論すべての開発者が、という訳ではありませんが)

しかし、お互いに敬遠し合っていてもプロジェクトは進まないのでインフラ屋さんとしては役割が変化して来ている、と考えて半ば無理矢理ではありますが前のめりに取り組んで来ているのが実態なのかもしれません(これは逆もまた真なので開発者が領土を拡大してくれている場合も多数あります)
私の場合も例に洩れずで、サーバインフラ屋さんが主たるロールなのですがたまたまアイデンティティ管理プロジェクトを担当したので少しづつ領土を拡大してきました。ただ、私の場合一点違ったのは純粋培養のインフラ屋ではなく、数年ですが開発もやっていた経験があったので今となっては強みになっていると感じています(少なくともコーディングにアレルギーがない点で)
しかし、私の経験した開発も今となってはかなり昔の話でVisual Studio5.0とか6.0を使ってActiveXとかCOMの開発をしていた程度なので実は.NET開発は実務では全くの未経験だったりします。
ただ、このblogで主に取り上げているFIM/ILMやAD FS2.0をちゃんと使おうとするとやはり.NETの開発に関する知識が必要になります。そんなシチュエーションで「.NET開発テクノロジー入門」を頂きましたので軽く読んでみました。





















目次は以下の通りです。

  • 本書について
  • 第1章 .NET Framework 4による最新のアプリケーション開発(はじめに)
  • 第2章 Webアプリケーションの開発(ASP.NET)
  • 第3章 リッチクライアントアプリケーション開発(WPF/Silverlight)
  • 第4章 サービス開発/分散テクノロジー(WCF)
  • 第5章 データアクセス技術(ADO.NET/LINQ)
  • 第6章 並列プログラミング
  • 索引


この中でILM/FIM、AD FS2.0に関連しそうな所は以下の3点が中心です。
  • WCF : FIM Serviceを使うサービスクライアントの開発や、SilverlightからWIFを使う際に使用
  • WF : FIMのカスタムワークフローの開発に使用
  • ASP.NET : 言うまでもなくWIFを使う場合の定番
※後はそもそも論ですがVisual Studioの使い方もインフラ屋さんにとっては大事なポイントです。

今回はさらっと読み流したので実際に手を動かしたわけではありませんが、概念を理解する上ではとても役に立ちました。(特にWCFについてはかなりのページ数が割かれており、分散サービスの開発や利用の概念の理解に役立ちました)また、今後コードを書く際には本書をリファレンスとして活用していこうと思います。