2024年9月2日月曜日

もうすぐID Day、法的身分証明のありがたみを感じる日

こんにちは、富士榮です。

あっという間に9月に入ってしまいましたが、今月9月16日はID Dayです。

そう、勘がいい人はわかると思いますが、16.9です。SDGsです。

外務省のページで解説されているSDGsの16は「平和と公正をすべての人に」です。

そして16.9は「2030年までに、全ての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する」となっています。




ID Dayに話を戻すと、ID4Africaを中心に、OpenID Foundationを含め多くの団体(営利・非営利を問わず)やNGOなどがこのアクティビティをサポートしています。(支援団体のカテゴリはDevelopment, Government, NGO & Civil Society, Commercialの4つに分かれています)

こちらにパートナーとなっている団体の一覧があります。

活動の目的は以下の通りです。
ID Day aims to raise awareness about the sobering reality that an estimated 850 million people worldwide, particularly in Africa, still lack any form of official identification – underscoring the ongoing imperative to achieve total inclusion. The campaign reminds those fortunate enough to possess identification, of the critical need to actively secure their identities against theft and safeguard their privacy. Furthermore, ID Day presents an opportunity for the identified to reflect on how their legal identity empowers and facilitates innumerable aspects of their lives.
In general, ID Day aims to spur dialogue, drive action, and uphold every human's fundamental right to legal identity. It is a rallying call for the world to ensure no individual remains invisible or vulnerable due to lack of identification, or that the identified do not fall victim to irresponsible management of their identity.
IDデーの目的は、世界中で、特にアフリカで、推定8億5千万人の人々がいまだに公的な身分証明書を所持していないという深刻な現実に対する認識を高めることである。このキャンペーンは、幸運にも身分証明書を所持している人々に、盗難から積極的に身元を守り、プライバシーを保護することの重要性を喚起する。さらに、IDデーは被認証者に対し、合法的な身分証明書がいかに彼らの生活の無数の側面を強化し、促進するかを考える機会を提供する
一般的に、IDデーは対話を促し、行動を促進し、法的なIDに対するすべての人間の基本的権利を支持することを目的としている。IDデーは、IDがないために個人が見えないまま、あるいは脆弱なままであることがないように、また、IDを持つ人々が無責任なID管理の犠牲にならないように、世界に呼びかけるものである。
私たちはKYCや本人確認など、当然のように話をしているわけですが、法的な身分証明書を持っていない人が多く存在する、ということをこの機会にリマインドするとともに、自らのアイデンティティを保護することの大切さについて認識を新たにするきっかけとなることがこの活動の意義となると思います。

実は日本においても無国籍者は存在しています。
難民支援で有名なUNHCRの発表だと日本にも2020年6月の段階で645人の無国籍者が登録されている、とされています。
Q.日本にも無国籍者はいるのでしょうか?
2020年6月の時点で出入国在留管理庁には645人が無国籍者として登録されていますが、在留資格のある人のみを対象としていますし、また、厳密な国籍の認定に基づくものではないとされています。国籍がある人が含まれている可能性、自分が無国籍であることを知らない人や在留資格が無い人が入っていない可能性等があります。
ただ、この数字は不思議なことに「登録されている」数なので、当然のことながら氷山の一角です。UNHCRがメインで扱っている移民や難民に加えて、日本国内でもいろいろな事情があり戸籍が取得できない人もいるわけです。
東京都人権啓発センターの資料には
 「実数の把握はできないものの、『どこの国籍も与えられていない無国籍児は日本に2万人くらいいてもおかしくはない』と危惧する研究者もいます」
なんてことも書かれていますし、さらに日本国籍に関しては井戸まさえ先生が書かれた「日本の無戸籍者」には戸籍が取得できない人たちの様々な事情について詳細に解説されています。(ちょっと情報が古いのと法改正で少し改善されたところもありますが、まだまだ課題は残っています)

意外と人ごとじゃないんですよね。
マイナンバー制度で管理されることに脊髄反射的にアレルギーを示す前に世界と日本の現状と引き起こされてきた悲しい事件なども理解しておくことも大切だと思います。

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